世界経済フォーラム(World Economic Forum:以下WEF)の年次総会が2012年1月25日からスイスのダボスで開催される。WEFが「Global Risks for 2012 Seventh Edition」を発行した。その中で2012年に「発生する可能性が高いリスク(Global Risks in terms of Likelihood)」の中で、サイバー攻撃を4位にあげられた。
サイバー攻撃は、インターネットが登場してからずっと問題になっている。そしてここ数年でグローバル社会の脅威として存在感を出してきているが、既存の安全保障問題と異なり顕在化されていない部分が多い。まだ本当のリスクを掴みきれていない。
健全なサイバー空間が世界経済と勢力均衡(balance of Power)の安定のためには必要であると主張している。
レポートにおいて、サイバー攻撃を「Hyperconnected is a reality」と表しているが、まだrealityという現実感、危機感を持てない国家、企業、市民も多いのではないだろうか。リスクのイメージが現実問題として掴み難いかもしれない。しかし、サイバー攻撃は対岸の火事ではなくなってきている。
今回、WEFでグローバルリスクの1つとしてサイバー攻撃があげられたことが持つ意味は大きい。グローバル社会が協力して解決すべき課題として改めて認識された証である。サイバー空間におけるグローバルガバナンスの行方に引き続き注目していく必要がある。
(参考)“Global Risks 2012 Seventh Edition” World Economic Forum