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Global Perspective 2012
2012年5月15日掲載

アフリカでのインターネット速度

グローバル研究グループ 佐藤 仁
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Net Indexが世界174か国におけるインターネット速度の調査結果を公開している。全世界での平均は10.26 Mbps。1位アンドラ(36.98 Mbps)、2位香港(36.43 Mbps)、3位リトアニア(33.77 Mbps)、4位韓国(28.28 Mbps)と続き、日本は19位で18.21Mbps。

今回はアフリカでのインターネット速度について考察していきたい。
なお本情報は2012年4月末時点の情報で、Net Indexでは過去30日の平均を集計して公表しているので、順位は常時変化している。

アフリカでインターネット速度が速い国はどこか

アフリカのインターネット速度は世界平均からは大きく引き離されており、50ヶ国以上あるアフリカ諸国で1位のガーナも174か国中77位である。アフリカでのインターネット速度上位10国を見てみよう。

(表1)アフリカでのインターネット速度上位10か国
(表1)アフリカでのインターネット速度上位10か国
(Net IndexおよびITU等の各種公開情報を元に筆者作成)

地域間、ISP間によって格差の大きい速度

アフリカでのインターネット速度は地域間によって異なる。日本では都市部と地方で大きな差はない。国によって地方都市の方が速いところもある。しかし、アフリカをはじめとする新興国では都市部と地方とのインターネット速度格差が大きい(首都圏と地方で3〜4倍の差がある)。またISPによって測定結果の速度が大きく異なっている。先進国並みに10〜20bpsのスピードを出すISPもあるが、多くが1Mbps以下である。
なお、アフリカ諸国の中で平均1Mbps以下の国でボツワナ(0.99Mbps)、アルジェリア(0.96Mbps)、スーダン(0.94Mbps)と3ヶ国ある。

まだまだ成長が期待されるアフリカでのインターネット

アフリカ諸国では、携帯電話の人口普及率は高い国が多い。それはプリペイドのSIMカードを1人が複数枚を持つからである。しかしインターネット普及率は携帯電話普及率と比すると高くない。モロッコのように33%を超えている国もあるがほとんどアフリカ諸国は10%以下であり、1%台の国も多い。2000年と2010年における世界のインターネットユーザ数を比較したデータをInternet Usage World Statsが公表していた。2000年にはアフリカでのインターネット人口は約450万人だったが、2010年には約1億1,090万人まで急成長している。
なお、日本は平成22年度の「情報通信白書」によると、日本でのインターネット普及率は78%である。約10億の人口を抱えるアフリカ諸国におけるインターネットの更なる普及とブロードバンド化に向けた大きな成長が期待される。

(参考)

本情報は2012年5月1日のものである。

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