2015年1月8日掲載 ITトレンド全般 Global Perspective

新興国を中心に世界に広がる「Firefox OS」スマートフォン

スマートフォンOS「Firefox OS」を提供しているMozillaは2014年12月16日、「Firefox OS」が28か国の14の通信事業者から販売されていることを発表した(※1)。2014年12月にはKDDIからも販売が開始されたばかりである。

「Firefox OS」を搭載したスマートフォンは2013年7月にスペインで登場し1年5ヵ月で28ヵ国、14の通信事業者まで拡大した。ZTE、Alcatel One Touch、LG、Huawei、Intex、Spice、Symphony、Zenなどのメーカーから14機種が販売されている。アプリストア「Firefox Marketplace」も充実されつつありインド、バングラデシュ、欧州などで各市場にローカライズされたサービスが新たに公開されている。

現在の「Firefox OS」は地域別でみると以下の新興国で多く登場している。

アジア・太平洋地域

(1)フィリピン
2014年11月、フィリピンの地場メーカーCherry Mobileが「ACE」を販売開始した。1,499フィリピンペソ(約4000円)である(※1)。

(2)バングラディッシュ
Alcatel One Touchが低価格(ウルトラ・ローコスト端末)の「Firefox OS」スマートフォンを2014年9月から販売開始した。バングラディッシュでは地場メーカーSymphonyが「GoFox 15」をすでに出しており、Grameenphoneから販売されている。

(3)インド
インドでは2014年8月にはSpiceから「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Spice Fire One Mi-FX 1」を2,299ルピー(約38ドル)で販売開始し、9月には地場メーカーIntex Technologiesから「Cloud Fx」が1,999ルピー(約33ドル)で販売開始された。10月にはZenからウルトラ・ローコスト端末として登場している。またAlcatel One Touchの「Fire C」がオンラインストア「Flipkart.com」で販売している。

(4)オーストラリア
大手電気チェーンJB Hi-FiがZTEの「Open C」が販売されている。

(5)日本
KDDIは2014年12月23日、「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Fx0」(LG エレクトロニクス製)を発表した。12月25日から「auオンラインショップ」およびKDDI直営店にて販売開始。

中南米

2014年12月初めにスペインのTelefonicaの子会社であるMovistarがコスタリカでAlcatel OneTouchの「Fire C」の販売を開始した(※2)。すでにMovistarはエルサルバドル、パナマ、グアテマラでZTEの「ZTE Open II」を販売している。またMovistarはメキシコとチリでもAlcatel OneTouchの「Fire C」を販売している。またアルゼンチンでも販売予定。ウルグアイではZTE の「Open C」「ZTE Open II」およびAlcatel OneTouchの「Fire C」を販売している。コロンビアとペルーでは「ZTE Open II」と「Fire C」を販売している。

またメキシコのAmérica Móvilでも2014年初頭から「Firefox OS」搭載のスマートフォンの販売を行っている。

(表1)中南米での「Firefox OS」搭載のスマートフォン

(表1)中南米での「Firefox OS」搭載のスマートフォン

アフリカ

2014年11月、アフリカの通信事業者Airtel、 MTN 南アフリカ、 Tigoと「Firefox OS」スマートフォン販売で提携した(※3)。

欧州

ロシアでMegaFonがFirefox OSスマホ(Alcatel OneTouchの「Fire C」)を販売している。

ドイツテレコムでは、Alcatel OneTouch「Fire E」をドイツの700以上のショップで販売している。また同社の子会社T-Mobileはハンガリーとモンテネグロでそれぞれ「Fire E」「Fire C」の販売、チェコとポーランドでは「Fire E」を販売している。また子会社のギリシャCosmoteでも「Fire E」の販売をしている。
Telefonicaグループはスペインで、Alcatel OneTouch「Fire C」、O2ドイツでは「Fire E」を販売している。

(表2)欧州での「Firefox OS」搭載のスマートフォン

(表2)欧州での「Firefox OS」搭載のスマートフォン

新興国で拡大する「Firefox OS」

現在のスマートフォンOSの80%以上が「Android OS」である。新興国を中心に低価格端末で拡大しつつある。「Android OS」を提供しているGoogleも2014年9月に「Android One」をインドで発表し、地場メーカーから105ドルで3台のスマートフォンを投入した。105ドルは新興国市場においては、まだ「安い端末」とは言えない。もっと安くないと購入できない層がたくさんいる。「Firefox OS」は30ドルから既に端末が登場している。

これからスマートフォンは新興国を中心に低価格化が進んでいくことだろう。インドでは携帯電話の販売のうちスマートフォンが占めるのは30%程度である。これは価格が高いからである。iPhoneのような高級端末を購入できる人はほとんどいない。「Android」の普及に躍起にてなっているGoogleにとっても「Firefox OS」は脅威であろう。

これから端末の低廉化が進むことによって、新興国市場でもマートフォンの本格的な競争が始まる。そこに日本メーカーもAppleも入り込む余地は残念ながらない。

(写真)
(出典:Mozilla)

*本情報は2014年12月26日時点のものである。

※1 Mozilla (2014) 16 Dec 2014,  “Firefox OS Expands to Nearly 30 Countries”
https://blog.mozilla.org/blog/2014/12/16/firefox-os-expands-to-nearly-30-countries/

※2 Mozilla (2014) 13 Nov 2014, “First Firefox OS Smartphones Available in the Philippines”
http://blog.mozilla.org/press/2014/11/first-firefox-os-smartphones-available-in-the-philippines/

※3 Mozilla (2014) 9 Oct 2014 , “Firefox OS Shows Continued Global Growth”
http://blog.mozilla.org/press/2014/10/firefox-os-shows-continued-global-growth/

※4 Mozilla (2014) 5 Nov 2014, “Firefox OS Ecosystem To Expand To Africa With Support From New Partners”
http://blog.mozilla.org/press/2014/11/firefox-os-ecosystem-to-expand-to-africa-with-support-from-new-partners/

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