2015年5月18日掲載 ITトレンド全般 Global Perspective

Facebook:バングラディッシュでも「Internet.org」開始

2015年5月10日、Facebookはバングラディッシュの通信事業者Robiと提携して「Internet.org」の提供を開始した。バングラディッシュでは人口の72%がまだインターネットにアクセスできない環境にいる。今回のFacebookとRobiの提携を通じて、バングラディッシュでのデジタルデバイドの解消と知識社会の構築を目指していく。「Internet.org」を通じて、多くの人々がバングラディッシュの現地サイトやインターナショナルなコンテンツにアクセスができるようになり、バングラディッシュ政府が推進している「デジタル・バングラディッシュ」の推進に貢献していく。




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アジア、アフリカを中心に拡大する「Internet.org」


世界最大のソーシャルネットワークのFacebookは2013年8月、全世界にインターネット環境をもたらすことを目指す団体「internet.org」の設立を発表した。Internet.orgの設立メンバーにはFacebookのほか、サムスン、エリクソン、ノキア、クアルコム、メディアテックの各社が名を連ねている。


「Internet.org」インターネットに接続できる環境にない世界の約50億人の人々を対象にした試みである。そして、Facebookは2014年7月、「Internet.org」の取り組みとして、Facebookを含む13のサービスをデータ課金なしで使えるモバイルアプリ「Internet.org」をまずはアフリカのザンビア共和国で公開したことを発表した。


「Internet.org」では、Facebookなどいくつかのサイトに無料でアクセスが可能である。スマートフォンだけでなく、新興国・途上国では今でも多く使われているフィーチャーフォンからもアクセスが可能である。アプリは、Androidとフィーチャーフォン向けで、提携している通信事業者に加入するユーザーが「Internet.org」のサイトあるいはFacebookアプリ経由でインストールできる。


アプリから起動するFacebookなどの無料でアクセスできるサービスを利用する場合はデータ課金されないが、それ以外のWebサイトにアクセスすると課金される仕組みであるため、通信事業者にとっても収益になる。


FacebookのザッカーバーグCEOによると、この1年間、目標実現のために世界各国の通信キャリアと協力して世界で300万人以上の人がインターネットへの接続を可能にしたという。2015年5月現在、ザンビア、タンザニア、ケニア、ガーナのアフリカ4か国、中南米のコロンビア、アジアではインド、フィリピン、バングラディッシュの3か国で世界8か国で現地の通信事業者と提携して「Internet.org」アプリを提供している。




(表)Facebookの「Internet.org」での主要な取組み


Facebookの「Internet.org」での主要な取組み


慈善事業でなく将来の収入への布石として「Internet.org」


Facebookの2015年第1四半期の売上高は前年同期比42%増の35億4,300万ドルだった。そして売上高の94%を占めているのが広告収入で33億1,700万ドル。そのうちモバイル広告の割合が69%から73%に増加している。月間アクティブユーザ数は全世界で14億4,000万人いる。そのうち「Internet.org」の対象先となるアジア太平洋とその他地域で9億2,900万人と半数以上を占めている。


一方で、収益の柱である広告収入を見ると、北米が1人あたりの収入が8.32ドルであるが、アジア太平洋では1.18ドル、その他地域では0.80ドルと非常に小さい。Facebookのビジネスモデルはこれからも広告への依拠が続く。そのためにも新興国においてはまずFacebookへは無料でアクセスしてもらい、その広告を見てもらうということが重要になる。「Internet.org」は慈善活動ではなく、同社の新興国市場でのビジネス拡大と収入増に向けた重要な施策の1つなのだ。



バングラディッシュ

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