2016年10月5日掲載 ITトレンド全般 Global Perspective

アメリカ・インドのサイバー対話共同声明2016:協力関係の定期的な確認の重要性



2016年9月、ニューデリーにおいてアメリカとインドの両国でサイバーセキュリティをめぐっての対話が行われ、両国での協力関係が確認された共同声明(Joint Statement: 2016 United States-India Cyber Dialogue)を発表した[1]。米印両国でのサイバー対話をめぐっての共同声明は今回で5回目である。

 米印両国でのサイバー対話の共同声明では、両国でのサイバーセキュリティに関する情報交換、サイバー犯罪での協力、サブグループを結成しての案件ごとの対応、国際社会でのサイバースペースにおける規範の確立に向けた協力体制、キャパシティビルディング、両国での信頼醸成措置の構築に向けた協力が確認された。

 協力関係の定期的な確認の重要性

昨年の米印のサイバー対話共同声明と比較しても、特に目新しい項目はない。価値観を共有している国家間でのサイバースペースでの協力関係において重要なのは、情報共有、協力体制の構築、人材育成や教育などキャパシティビルディングでの協力、信頼醸成措置構築などである。

 このようなサイバースペースをめぐる協力関係を国際社会に表明していくことは重要であり、しかも一過性のものではなく、毎年継続して公表することに大きな意義がある。サイバースペースでの協力関係は、アメリカとインドの国家としての基本的な協力関係と安全保障の延長線上にあるもので、両国の協力関係の表明は敵対する国家への抑止力と危機管理にもなりうる。内容として今回の米印でのサイバー対話共同声明は特に目新しいことはないものの、このような2国間での協力関係を定期的に確認し、共同声明として国際社会にアピールしていくことは非常に重要である。

 サイバーセキュリティは国家の安全保障システムの延長線上にあり、切っても切れない関係にある。つまり国家の安全保障はサイバースペースに依拠せざるをえなくなり、サイバースペースへの攻撃は各国の安全保障にも大きな影響を与える。

 アメリカとインドの継続的なサイバースペースをめぐる協力関係に向けた継続して行われる対話とそれをアピールする共同声明は、サイバースペースにおける脅威やリスクを生じさせないための確認でもある。このような対話を継続して行い、それを発信し続けることは、両国の安全保障のコンテクストにおいて非常に重要である。次回(2017年)はワシントンD.Cで開催される予定だ。

[1] WhiteHouse(2016) 29th Sep 2016, ” Joint Statement: 2016 United States-India Cyber Dialogue”
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/09/29/joint-statement-2016-united-states-india-cyber-dialogue

(参考)アメリカ・インドのサイバー対話共同声明2015:サイバーセキュリティにおける継続的対話の重要性

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