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ハイパーアジア
1997年10月掲載

アジア通貨危機と電気通信市場の行方

 タイに端を発した通貨危機と株価暴落でアジア経済は失速し、韓国やASEAN諸国の成長神話は崩れ去り、「アジアの奇跡が終わったのか」という特集記事が各種雑誌で組まれているが、これまで数回にわたって取上げてきたマレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドール(MSC)計画にも、その影は及んでいる。

 マハティール首相は、9月始め、通貨不安の原因となっている経常赤字の削減策として、大型プロジェクトの着工・完工延期のほか、民営化事業の原則凍結、政府機関の外国製品購入の見直しを行った(表1)。その中には、新行政首都「プトラジャヤ」の建設計画が含まれている。第1期工事が進んでいるプトラジャヤは、隣接して建設される情報技術都市「サイバージャヤ」と並んで、マルチメディア・スーパー・コリドール(MSC)計画の柱の1つで、MSC計画自体の延期・中止はないとしているものの、電子政府の構想等、少なからず影響を受けることになるだろう。

表1:本格着工延期の対象となるプロジェクト

プロジェクト名 総工費
(単位:マレーシア・ドル)
参 考
バクン・ダム 150億 サラワク州、完成すれば東南最大級
ライナー・シティ 100億 クアラルンプール市内、世界最長のショッピング街
新国際空港(ケダ州) 25億  
プトラジャヤ 200億  
一部の高速道路  
武川 恵美
編集室宛 nl@icr.co.jp
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