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ハイパーアジア
2003年8月掲載

シンガポール、第2期電子政府計画を発表

 シンガポール政府は、1965年の独立以降、積極的な外資導入策により、東南アジアの金融、貿易、ハイテク産業の拠点としての地位を築くことに努めてきた。また政府はシンガポールを知識集約型の情報通信ハブにすることを目指して、積極的にIT化を推進している。1992年に「IT2000」を発表した後、96年には、その具対策として「シンガポール・ワン」計画を発表。99年には、eワールドの新たな時代に向けた次の10年間の情報通信技術開発を促進する目的で「ITC21基本計画」を策定し、2000年から第1期電子政府実行計画(e-Government Action Plan: eGAP I)を進めてきた。2003年7月15日、第2期電子政府実行計画(eGAP ?)が発表された。

■eGAP Iの成果

 2000年6月に開始した第1期計画の目標は、数多くの政府サービスの電子化だった。過去3年間で、約1,600種類のサービスが電子化された。これらのサイトは情報提供にとどまらず、手続きを行うことができる。例えば、インターネットを通じて、スポーツ施設を予約したり、税金申告やパスポートを更新することができる。

 ポータル・サイト「eシチズン」のアクセス件数は2003年5月に月間800万件に達し、2001年の同24万件から大幅に増加した。「eシチズン」でアクセスの多い上位3つのサービスは、(1)確定申告、(2)CFP(中央積立基金)の残高照会、(3)図書館の蔵書検索であった。

 政府によれば、過去1年に政府関連の手続きをした国民の75%がオンライン手続きの利用経験があり、利用した人の80%が満足している。

■eGAP IIの概要

 シンガポール政府は第2期電子政府計画として、2006年までの3年間で13億シンガポール・ドル(約880億円)を投資し、通信インフラの改善や電子行政サービスの向上を進める。「省庁別」ではなく、利用者の「目的別」にサービスを提供する「電子政府の統合」を目指す。省庁の壁を越えたサービスの統合を行うことで、利用者の利便性をさらに高めたい考えだ。

 政府からは2つの事例が紹介された。1つ目は、2000年4月に開始された「オンライン・コンサル・ポータル」により、国民が政策に対して、スムーズに意見を提起したり、意見に対するフィードバックを行えるようになる。2つ目は、OASIS(Online Application System for Integrated Services)で、個人が事業免許を取得する際に、複数省庁との手続きが1つのサイトで完了するよう、統合サイトを増やしていく。

<寄稿> 武川 恵美
編集室宛 nl@icr.co.jp
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