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世界の移動・パーソナル通信T&S

2002年8月号(通巻161号)

トレンドレポート

■CommunicAsia 2002

 2002年6月18日〜21日、シンガポールにおいて通信業界の国際展示会「コミュニケイジア(CommunicAsia)2002」が開催された。多くのアジア系企業が出展しており、会場は大変な活況を呈していた。シンガポールが誇る大規模国際会議場「シンガポール・エキスポ」を会場とし、出展企業は41カ国から1,400以上にものぼったが、その半数以上は東南アジア地域に本拠を置く企業であった。本レポートでは、携帯電話端末の展示にフォーカスを当てる。携帯電話業界にとどまらず、インターネット業界や衛星通信業界などからも参加していたが、展示ブースの半数以上は携帯電話業界の企業で占められており、会場で時折行われるスピーチやデモにおいては、そのほとんどが黒山の人だかりであった。

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■ワールドコムによる粉飾決算の衝撃

ニュー・エコノミーの象徴だったエンロンやグーロバル・クロッシングだけでなく、米国長距離通信事業第2位のワールドコムが7月21日に破産を申請した。旧ベル電話会社系のクエスト・コミュニケーションズも破綻の危機に瀕している。これらの企業はいずれも、実態より売上や利益を多く見せる会計不正を行っていた。現在も司法当局などの調査が継続しており、何が行われたのか正確には分からない。しかし、不正発覚と共に株価が急落しただけでなく、会社幹部が株価急落の前にボーナスを受け取り、ストック・オプションで取得した自社株を売り抜け、社外取締役も業務執行の監督責任を果たさず、監査法人が不正に加担もしくは見逃した疑いを持たれ、投資銀行のアナリストは業績の悪化を知りつつ買いを推奨するなど、「コーポレート・アメリカ」の機能不全と腐敗が白日の下に曝され、市場に「信頼の危機」ショックが走った。以下に、米国史上最大の倒産となったワールドコムに焦点を絞って、この衝撃が意味するものを考えてみたい。
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