ホーム > レポート > 世界の移動・パーソナル通信T&S >
世界の移動・パーソナル通信T&S

2004年7月号(通巻184号)

世界のニュース

 市場・企業

■ 2004年第1四半期における米国主要モバイル・オペレータの業績

米国移動通信業界では、2003年11月24日に開始された携帯電話への番号ポータビリティ導入、2004年2月17日に決着したシンギュラー・ワイヤレスによるAT&Tワイヤレスの買収、といった大きなイベントが起こった。特にAT&Tワイヤレスによる番号ポータビリティに関する技術的失態が顧客離れを起こし、シンギュラー・ワイヤレスによる買収を受容れる一因になったとも言われる。ここでは、米国6大モバイル・オペレータの2004年第1四半期(2004.1〜6.30)の財務指標を比較し、米国市場におけるポジショニングの変化など探った。
▲トップ

■ AT&T、MVNOで携帯電話事業へ再参入

全米最大の長距離電話会社AT&Tは2004年5月18日、長距離・携帯大手のスプリントと提携し、MVNOとして携帯電話サービス市場に再参入すると発表した。2004年末にも3,000万を超える既存顧客に自社ブランドの携帯電話サービスを提供する予定。同社は従来から分離したAT&Tワイヤレスの携帯電話サービスを再販しているが、シンギュラーワイヤレスがAT&Tワイヤレスを買収したため、新たな提携先を探していた。
▲トップ

■ フランス初のMVNO誕生へ

フランスで初めてMVNOが誕生した。2004年6月11日、SFRがドイツのデビテルとのトラフィック取引契約について発表した。この契約により、デビテルはMVNOとしてSFRのネットワークを利用し、顧客に独自の携帯電話サービスパッケージを売り込む。今回、MVNOが誕生したことにより、3社寡占であったフランスの移動通信市場の競争促進が期待される。
▲トップ

■ KT、ブルートゥースを利用した固定移動融合サービスの提供へ

2004年6月16日、韓国の規制機関であるMICは、圧倒的シェアを持つ固定電話事業者KTに対し同社が計画する固定移動融合サービスの提供を認可したことを明らかにした。このサービスは「DU(デュー)」という名称で開発されていたもので、家庭内にいる時は固定電話網を経由して携帯電話を利用することができる。ただしこのサービスの普及について、現地では疑問視する声がある。
▲トップ

■ モトローラ、マルチネットワーク対応のPoCソリューションを発表

通信業界の主要メーカーであるエリクソン、モトローラ、ノキア、シーメンスが、3GPPで標準化された技術であるIPマルチメディア・サブシステム(IMS)に基づくPoC(Push-To-Talk over Cellular)標準仕様を共同開発し、オープン・モバイル・アライアンス(OMA)で標準化が認められたことから、米国に端を発したプッシュ・トゥ・トーク(P2T)は、今や欧州、アジアでも高い関心を集めている。同分野のリーディング・ベンダーであるモトローラは、すでに世界の18の国と地域でcdma2000 1xネットワークとGSM/GPRSネットワーク両方に対応したPoCソリューションの提供に関する12件の契約を獲得したことを発表している。その発表に続き2004年5月25日、同社は、異種技術間を橋渡しする画期的な新しいPoCソリューション「クロス・テクノロジーPoCソリューション」を紹介した。
▲トップ

■ 復活に賭けるノキア、新5機種を発表

世界の携帯電話市場でトップのノキアは、去る2004年6月14日にヘルシンキでマスコミおよびアナリスト向けの定例の展示会(ノキア・コネクション)を開催し、第1四半期の業績不振を回復するため攻勢に転ずるキックオフ宣言を行い、携帯電話新5機種の投入と戦略の転換を発表した(注)。
(注)Nokia forecasts growth in handsets(The Wall Street Journal online / June 15, 2004)
Wounded, Nokia comes back firing(BusinessWeek / June 15, 2004)
同社のオリラ社長は、世界における2004年の携帯電話機の出荷台数は、前年比20%増の6億台となるという見通しを明らかにし、携帯電話機市場は十分な成長の機会に恵まれているとする認識を示した。しかし、ノキアは同社のポートフォリオ中のミッド・レンジ機種が振るわず、ライバルのモトローラ、サムスンやソニーエリクソンに市場シェアを奪われた。6月第2週に調査会社のガートナーは、ノキアの第1四半期のシェアは前年比5%ポイント減の29%となったと発表したが、ノキアの算定によれば32%にとどまったという。それでもオリラ社長は、従来からの世界市場におけるシェア40%の目標を変えないと主張している。
▲トップ

▲このページのトップへ
InfoComニューズレター
Copyright© 情報通信総合研究所. 当サイト内に掲載されたすべての内容について、無断転載、複製、複写、盗用を禁じます。
InfoComニューズレターを書籍・雑誌等でご紹介いただく場合は、あらかじめ編集室へご連絡ください。