■ネットブック・バンドルがもたらすものは何か?
世界の携帯電話市場では、2008年下期から「ネットブック・バンドル」と呼ばれる販売形態が一般化してきた。ネットブック・バンドルとは、ネットブックと呼ばれる安価(3〜5万円程度が多い)な小型ノートPCと、通信事業者のモバイルデータ通信サービスをセットにして、PCの価格を大幅に値引きする販売手法を指す。販売形態としてはいわゆる販売奨励金のモデルと似ているが、この動きが携帯電話市場にいかなる影響をもたらすのかについて考察してみたい。
■活況を呈する米電子書籍市場
〜電子書籍端末とオンラインストアの垂直統合モデルで急成長
米国では2008年以降、電子書籍市場が急成長している(図1)。その成長の一端を担っているのが、アマゾンのキンドル・ストアを中心とした垂直統合型のビジネスモデルであろう。2009年に入り、同社のビジネスに追従する動きが活発化している(表1)。
■ 急成長を遂げるインド携帯電話市場
〜2009年4月末に4億加入を突破
世界不況にかかわらず、インド携帯電話産業は目覚しい成長を遂げている。インドの携帯電話加入数は2008年12月末現在3億4,689万加入。また、インド電気通信主管庁(Telecom Regulatory Authority of India)(以下、「TRAI」という)の最近の発表では、2009年4月末現在、4億366万加入に達し、中国の5.9億加入(2008年12月末)に次いで世界第2位である。インドの2008年第4四半期(2008年10月―12月)の携帯電話加入増は3,158万加入、1カ月当たり平均1,000万加入以上のペースで増加した。本稿では、TRAIが今年4月に発表した最新の「電気通信統計(The Indian Telecom Services Performance Indicators)」を中心に、インドの最新の携帯電話事情、政策課題、通信機器市場等を報告する。