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InfoComモバイル通信T&S

2010年3月号(通巻252号)

サービス関連(通信・オペレーション、製品・端末、コンテンツ・放送、その他)

■台湾政府が推進するWiMAX産業政策 〜 続々とモバイルWiMAXサービスが開始

台湾では政府が打ち出したM(Mobile)-Taiwan計画の下、2005年より国を挙げてモバイルWiMAXによる国内全土の無線ブロードバンド化を推し進めてきた。2007年には6事業者に地域WiMAX免許が発行され、少し出遅れたが2009年から続々とモバイルWiMAXサービスが開始されている。M-Taiwan計画では、単にモバイルWiMAXの全国網整備を目指すだけではなく、国内のWiMAX産業を活性化しひいては世界のWiMAX市場への進出を狙う、という壮大な青写真が描かれている。本稿では、こうした経緯で導入が始まった台湾のモバイルWiMAX市場の動向、そして政府が積極推進するWiMAX産業政策の展望について解説する。

■10〜12月期のICT生産、前年比でもプラスに

2009年10〜12月期のICT生産は、6四半期ぶりに前年比で増加に転じた。鉱工業生産全体が前年比マイナスにとどまる中、ICT生産が先行して回復している。ICTサービスも4四半期ぶりに前年比で増加、12月にはICT機械受注(民需)も増加に転じた。生産拡大が設備投資に波及しつつあり、設備投資全般が停滞を続ける中でICT経済は堅調な推移を見せている。

■携帯電話向け半導体市場の再編動向

携帯電話端末の心臓部を構成する、コア部品である半導体。端末の高度化に伴い、様々な機能を担う複数の半導体が内部に搭載されるケースも多い(注1)。携帯電話向けを含む、ワイヤレス半導体市場は、半導体産業全体の売上げ(約2,486億ドル)の中で第3位の市場規模(約470億ドル、19%程度)を誇るセグメントであり、世界の有力半導体ベンダーがしのぎを削る、厳しい競争市場だ(注2)。
(注1)心臓部となるベースバンド・プロセッサー(基本機能である通信や通話に関する処理が主) 、アプリケーション・プロセッサー(マルチメディア機能等の処理に特化)。さらに各種接続チップ(Wi-Fi、ブルートゥース、GPS、FM等)、RFIC、電源IC、メモリー類(NANDフラッシュ等)等が含まれる。
(注2)文中のデータは2008年実績。SIA、Goldman Sachsの対象レポート等の数値に基づく。

■Mobile World Congress 2010開催

2010年2月15日から18日にスペイン、バルセロナにおいて世界最大級のモバイル関連カンファレンスであるMobile World Congress 2010が開催された。本カンファレンスは、その年のトレンドを見極める上で非常に重要なカンファレンスとして位置付けられており、様々なキャリアやベンダーが参加している。2009年のカンファレンスでは、世界不況の煽りを受け、出展企業および来場者数が減少したが、今年のカンファレンスでは、出展企業および来場者数が昨年を少し上回る規模となった。昨年のカンファレンスで話題の中心となったテーマは「不況に対するモバイル業界のスタンス」、「エコへの取り組み」、「LTE導入に向けた取り組み」、そして「iPhoneモデルの追随」であった。今年のカンファレンスでは、「スマートフォン端末の裾野の広がり」、「モバイル・アプリケーションへの取り組み」が話題の中心となっていた。中でも、モバイル・アプリケーションに関しては、カンファレンスで利用される巨大なホールの一つをモバイル・アプリケーションの展示にするなど、非常に大きく取り上げられた。
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