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志村一隆「ロックメディア」
2009年9月16日掲載
ロックメディア 第28回

『TBS、ツイッターでぶう』
コンテンツ・ベンチャー・インタビュー Vol.3
ツイッターってガンガン書き込みあるからオモシロイ

[tweet]
写真1 ツイッター(Twitter)を知ったのは、3年位前だと思う。それが、昨年の秋アメリカに行くと、カンファレンスの発言をツイッティングして盛り上がっていた。こーやって使うんか、と。そのうち、ツイッターは、最新のニュースが載っていて、グーグルで検索するよりもすごい!ということになった。グーグル以来の新たなイノベーション=リアルタイム検索の登場に、みんなワクワクしたのだ。(参照:ツイッターについてのディスカッションの様子をまとめたもの 2009年2月ニューヨーク

 3月にニューヨークに居たとき、朝のニュース番組がツイッターを取り上げていた。大統領、アーティスト、FCC(民主党政権で実現するのか)も、ツイッターを利用している。自分の最新情報を伝えるツールとしてツイッターを使う。我々研究者が一番早く情報を得るには、今やツイッターが一番便利になっている。

 カスタマーサービスの一環として利用する企業も多い。コムキャスト、デル、エアラインなどのB2C企業が、ツイッターをカスタマーサービスとして重用している。コムキャストは、取り付けサービスがなかなか来ないなんて書き込みに、『いまサービス係に連絡したから、あと30分以内に着くよ』と返事をする。

 アメリカの大手メディアFOXも、実験的にドラマの画面にツイッターを表示させてる。ほかにもIPTVのFiOSが自社STBのAPIを公開し、ツイッターをテレビ画面に表示、リモコンでつぶやく機能を発表している。(参照:Engadgetの記事 2009年7月15日)。

 こうしてみると、メディアは、視聴者の声をプルするツールとしてツイッターを使い、B2C企業、政治家はメッセージをプッシュするツールとして利用するのが、現状の利用法だ。

TBS、ツイッターでぶう

写真2 ぶーぶだぶぅ いま、TBSが先進的な取り組みをしている。ツイッターで日々つぶやいているのだ。マスメディアが始めたパーソナルなつぶやき。オモシロぶう。

 ツイッターを担当するTBSの山脇伸介さん(TBSテレビコンテンツ事業局)は、NYUに1年留学したのち、現在はCS部門のプロデューサーとして活躍している。僕が知る限り、テレビ局でいちばんネットに詳しく、イノベーションに敏感、好奇心豊かなおっさんだ。山脇伸介留学レポートはこちら ←オモシロイぶう。

 CSのトーク番組のゆるさって面白い。ニコ生の開票速報も面白かった。地上波では見れない本音トーク的だからだ。でも、それってカウンターカルチャーなの?大口の広告はつかないの?映像世界のネット的要素は、マスメディアがあってこそ輝くのか、それともネット文化のほうがメインストリームになるのか。僕にとって興味深いテーマだ。

 地上波で、バリバリ、マスへの番組を作ってきた山脇さんが、ブツブツつぶやく担当なんてストレスはないのか?聞いてみました。

やっぱり、これからもテレビがメインストリームなんじゃない

志村 これからのテレビってどーすか?

写真3 ツイッターを担当するTBSの山脇伸介さん(TBSテレビコンテンツ事業局)山脇 んー、インターネットは今以上に大きくなるし、どうやってテレビにアクセスするか?は変わってくるだろうけど、そうはいってもテレビはメインであり続けると思ってます。ブロードキャストという役割は社会に必要だとも思うしね。

志村 どうでしょう。

山脇 やっぱり、昨日のガーナ戦なんかいい例だけど、まずは、同時に見られる人数が多いというのがテレビの強みだよね。インターネットだと、まだ何百人もの同時視聴は可能じゃないでしょ。

志村 そーすねー。でも、技術が進歩したら、同時接続でたくさんの人が見られるようになりますよ。

山脇 そのときは、今とは違うステージにいくよね。脅威です。100万人以上の人がインターネットで同時に見られたら、それはまさにテレビだもんね。もうテレビがどうなるかとか、そういう次元を越えてるのかもしれない。

志村 どーします?

山脇 んー、やっぱそこを見据えて、コンテンツ制作能力を活かして、ネット進出しないとですよね。早く。コンテンツ制作は、いまのインターネット(映像)よりも、いいもん作れると信じてるんだけど。

志村 早いとこ、そういう人増えてほしい。

テレビ的な映像って?そりゃ編集っす

山脇 でも、『ケツダンポトフ』とかさ、最近のインターネットの映像みてると、メジャーじゃないからこそ、なんか面白いんだよねぇ。(最近、山脇さんは、『ケツダンポトフ』のインタビューを受けた。山脇氏のインタビューはこちら

志村 それは、なんででしょう?

山脇 んー、やっぱり僕たちに扱えない素材を、僕らがやらない手法で流してるからですよねえ。この前も、民主党本部にアポなし訪問!とかやってたけど、僕らは、民主党にアポ無しで取材とかできないっしょ。そういうテレビではできない素材勝負というのが、無責任におもしろいって感じ?

志村  ほー。

山脇 あーいう映像って、テンポが違うというか、ずーっと長回しなわけですよ。根本的に作り方が違うよね。でも、テレビ的な番組は僕たちの方が上手いと思ってるけどおおお。

志村 テレビ的番組作りってなんすか?

山脇 んー、細かいことはほんといろいろあるけど、テレビといえば、編集ってこと。誰かに5分インタビューしても、20秒しか使わなかったり。30分番組なら、その尺に合わせて、凝縮しておもしろく作ろう!と、がんばっちゃうわけです。も、そこは徹底的にこだわって、どこ切ってもおもしろいようにとか、CMのタイミングまで計算する。でも『ケツダンポトフ』なんかは、30分撮ったら、その映像をそのまま見せるっしょ?そのまま素材勝負。面白いことやってるな、と思う。しかも、ある日やろうと思えば誰にでもできるのも、すごいことになってるなーと思うし。だけど僕らが作ってるものとは全く違う。

志村 テクはあるぞと。

アメリカの番組は、作り方は粗いけど、面白い。山脇 でも、テレビ創世記って、生放送だったわけですよ。録画できないから編集もできない。撮り方も粗いとこもある。だけど面白かったり、パワーがあったと思うんですね。それと同じパワー感はあるのかなーと思います。
とはいえ、ここまで作りにこだわってるのは日本のテレビならでは。アメリカのトークショウなんか、作り方は非常に粗い。だけど、面白い。

志村 それって、細かいところにこだわる日本人の習性が発揮されてるんですかね。

今のテレビ業界は狩野派と同じ。高度に完成された技法を持つ職人たち山脇 もう、どんどん進化しちゃった・・・みたいな。アメリカにいるとき、そういう日本のテレビ的な目で見ちゃってて、ゆるいなー、こんなんでいいんだ・・としみじみ思ったから。

志村 今のテレビって、テレビ的世界の中で最高級に完成された作りってことですか?

山脇 そう。職人ですよ。あるテーマで、ディレクター何人かが撮るでしょ。切り口とか違っても、そんなに使えないようなものはない。手法的にある一定水準まで達してるから。

志村 狩野派ってことですね。ある意味ツマラナイ?(狩野派は江戸時代の画工集団)

山脇 あと、『ケツダンポトフ』とか大きく違うのは、ものすごい数のいろいろな人が見ていること考えると、中立性とか考えますよね。誰も傷つけてはならないわけだし。番組作ってるときは、いつも、そのことを考える。そのリスク管理はテレビマンにとって、ボリューム的にも大きな仕事になっていると思う。

志村 でも、テレビ局も、いちおうなんかオモロイこと作りたいっ!っていう人が入ってくるわけでしょ。それがなんでそんな風になっちゃうんですか?

山脇 んー、影響力が大きいことと表裏だよね。それに、ひとりひとりは普通の企業の社員でしょ。自分たちが食ってる仕事の構造もみんなわかってるし。はめをはずすとお叱りを受けるし、いたってまともな普通の感覚が求められてる。それに今は、アバンギャルドなことや、アドベンチャー求めて入ってくる人ばっかりじゃないと思うし。

志村 でも、『ケツダンポトフ』は、給料無くてもやるわけじゃないですか。

山脇 僕は給料貰わなかったらやらないでし・・・。

コンテンツ制作能力って、買ってくれる人が決めるモノじゃないの?

写真4志村 ふーむ。ただ、もう今や変革期なわけでしょ。テレビ的コンテンツの優位性ってテレビが映像市場を独占していてこそだと思うんですよね。コンテンツ制作能力があるかないかってのも、それを買ってくれるお客さんが判断することじゃないかなぁ。よくある、クリエイティブとマーケティングの対立ですけんど。

山脇 それはあると思います。ますます厳しいし、かつてないほどに競合するものが増えてるから。

志村 映像でいえば、映画とか有料放送とか、自分たちで売ってるわけじゃないですか。インターネットの世界も、見てくれた分だけ広告収入を得たり。テレビ的な制作ノウハウは、ネット動画の世界でも通用するんすか?

山脇 僕は売れるコンテンツっていう意味では通用すると思う。現に、最近はテレビ的な映画が増えてるでしょ。テレビドラマみたいなリズムの。

志村 ほー。それってどんな意味?

山脇 『踊る大捜査線』なんてのは、カット数がやたら多かったでしょ。あれは、テレビ的だと思う。ちゃんとマーケティングしたのねって、感じました。テレビを見てテレビのリズムで育った人がお客さんだから、テレビ的生理の映画が受け入れられるってことで。『ピンポン』とかもそうだし。それにテレビも『売ってる』んですよ。毎分ごとの視聴率まで、すんごい気にしてつくっております・・・。

志村 なるほど。オモロイですねぇ。プロデューサーも視聴率へのマーケティングは綿密なんすね。

僕らは産業として映像作りをしている職人山脇 そう。編集してない生番組でも、CMいくタイミングとか必死で考えてるしね。

志村 ほー。でも、テレビ的な映画が大ヒットしたってことは、やっぱりテレビ的な映像ファンは多いってことになりますね。やっぱりイケるのかな、テレビ

山脇 そもそも、そのまま素材だけで勝負っていう番組に、スポンサーがつくのかな?って思いますよね。僕らは、はじめから産業として映像作ってるつもりです。そうすると、テレビで残っていく人は、やっぱり、おもしろい番組作るだけじゃダメで、リスク管理ができる人なんですよ。スポンサーさんに迷惑をかけるみたいなことになったら、元も子もないわけだし。そのあたりのバランスもテレビやる人の能力のうちになってる。

広告、資金集め、コンテンツ作る金はどーすんの?

志村 でも、最近大手ブランドが自分はメディアだ!って言い始めてますよね。

山脇 確かに。

志村 コカコーラのコカコーラパークなんか、会員数が660万人いて、毎朝出してるメールマガジンが、普通に新聞よりリーチ数多い。自社サイトで広告募集してますよね。

山脇 だから、今メディアの営業は大変ですよ。そもそも媒体って何?みたいな話までいってる。

志村 クライアント企業も赤字決算多いわけだし、仁義とか、これまでのつきあいとか、言ってられないでしょ。

山脇 もっとシビアになってますよね。

志村 そしたら、どーなります。今までクライアント先のメディア用番組作ってたりして。

アメリカのようなリスクとってリターン得る仕組みが必要山脇 そこは深刻に受け止めてます。うーん。やっぱり、アメリカみたいなプロデューサー制度が必要なんでしょうね。たとえば、ドラマでも、作る段階でマルチユースを前提に、お金を集めてきて、著作権を全部持って、あらゆる媒体に最大配信して、最大利益をあげていくというスタイル。多く配信すると、海賊版作られるとかいろいろいろリスクも増えるけど、リターンもけた違いに大きくなる。その覚悟が必要になってくると思うけど・・。

志村 それいいですよ。コンテンツで儲けるんだったら、海外に進出しなきゃ儲かりませんよ。NBCなんか、香港とかイギリスとかいろんな国にチャンネルを輸出してますよね。

山脇 ただ、越えなきゃならないハードルも多い。アメリカのCMってスポット枠しかないですよね。日本のテレビにはタイムCMがあるでしょう。なになに会社提供っていう。その番組をマルチユースで、ネットで使おうとしても、ライバルスポンサーとかの広告ついたらマズいということになるんですね。

志村 なるほどねー。ほんとは、マルチユースすることに映像制作ビジネスのうまみがあるんだけどね。

著作権が・・・ またその話・・・?

山脇 あと言い尽くされてるかもしれないけど、著作権!ややこしいですよぉー。テレビの著作権ってそもそも「生放送だけ」っていうのが、基本。だから再放送するときは、すべての著作権者とまた交渉して・・・ってことになる。

志村 でも、なんで映画はOKで、テレビはダメなんすか。

山脇 いや、映画は「録画ありき」なので最初からそういうことになってるんですよ。でもテレビは別。

志村 でも、映画もテレビも同じ人が出てますよね。なのに、映画のときはOKして、テレビのときだけ、ダメっておかしくないすか。

山脇 うーん。でも、それが著作権法なんです。

志村 ふーん。でもそれじゃ、コンテンツ立国とかムリだよね。よく、今までのドラマはダメだけど、これからの番組は著作権クリアしてるんです、って話をテレビ局の人から聞きますが・・・

山脇 いやそれが、なかなか難しい・・・。著作権者にとっても、マルチユースのメリットが出てこないと、という話です。

志村 ふーむ。

山脇 まぁ、とにかく権利クリアする作業ってのは大変なんです。たとえば第2日テレは、『伊藤家の食卓』の、「裏ワザ!紹介VTR」だけを配信してるんだよね。タレントさんは出てないから。あれいいなぁ、と思って。ウチなんかも『はなまる』とかで、料理の部分だけ、とかできると思ってるんですけど。

志村 『チューボーですよ!』とかあるじゃないですか。街の巨匠とか。

山脇 そうそう、それも考えた。だから初めから、後々のそういうこと考えながら、作るっていうのがポイントになってくるよね。一粒で何回おいしい?みたいな。

ブリトニーがツイッターで100万人登録があるって言うから、始めた

写真5 マスになる可能性を感じたからやっている。志村 そろそろツイッターについて聞きたいんすけど。

山脇 おっ、結構いろんなところで話してるからね。何聞かれても答えできあがってまっせ。

志村 ひえ。最近、TBSチャンネルのブーブ、見てるとだんだん発言がオモロクなってると思うんですよね。なんか、ホリエモンとかヨーコ・オノに返事したり、メッセージ送ったり、個性が出てきてるというか。今までマスを相手に、リスクばかり考えながら、表現活動をしてきたミスター・ヤマワキとしては、個性を出すのと、TBSの枠内という壁で、悩んだりしませんか。

山脇 あるある。不偏不党だし。そもそも、ブーブは自分の意見は言わないし。『ぶう』っていう語尾も1ツイートに1回にしてます。産経新聞が、民主党が勝ったときに、『民主党さんの思う通りにはさせないぜ・・』みたいなツイッティングをして、話題になったでしょ。あぁいう発言はまずありえない。

志村 んー、発言の品性レベルはともかく、ネットは不偏不党よりは、個性だしたほうが面白いと思うんですが

山脇 ホリエモンとか勝間和代さんとかは、1個人だから、自分の意見をバンッと言うでしょ。本当にすごいと思うけど、それとは立場が違います。

志村 ヤマワキさんは、ツイッターで、マスメディアの一員としてインターネット文化に足を踏み入れているわけですよね。それなのに、なんかマスの中立性に踏みとどまるのは勿体ない気が。

山脇 うーん。足を踏み入れてるっていうか、僕は、マスメディアも、インターネットを使いこなすべきじゃん、って思ってるだけなので。ツイッター始めたのだって、オバマ大統領とかブリトニーが100万人登録があるっていうのを聞いたからで、マスにアプローチできる可能性に魅力を感じたから。もし、その可能性がないなら、ツイッターはやらんかっただろうし。

志村 やっぱりマス志向なんすねぇ。僕は、インターネットでマス目的で行動すると失敗すると思うんですよ。より深く、ニッチな情報を世界のどこかで求めてる人に発信しているうちに、ある程度人が集まってくるという。

山脇 そこは、両方可能なんじゃないかなあ。

メディアとコンテンツって分ける必要はないんじゃない

志村 マスを求めるのってメディアビジネスすよね。一方、コンテンツビジネスってのは、映像商品を作って売るという、一般的な商売スタイル。気にいってくれる人を増やしていく感覚が普通だと思うんですよね。最初からマスを狙うっていうのは、ハナからないというか。
ネットの世界は、コンテンツ商売のスタイルに近いから、あまりノウハウを活かせるという感じじゃなくなりません?

山脇 そうねぇ。でも、ネットでも実は、マス向けのテレビドラマとかが一番見られていたりするでしょ。だから、テレビという道具を使ってテレビを見る人は減るけど、テレビのコンテンツをインターネットで見る人は増える・・と僕は思ってるんだけど、甘い?

志村 うーん、ってことはでも、そのインターネットでもブロードキャストが可能になると、テレビ局の強みであるメディア力と制作能力のうち、制作能力で生きるしかなくなりますよね。でも、テレビ的制作能力がネットの世界でも通用するんでしょうか?

山脇 だんだん核心の話になってきたねー。まぁでも、そのメディア力とコンテンツ力の区分けっていうのは、今後のテレビ会社の行方にもっとも影響を与える所なんじゃないかと思う、正直言って。やっぱり、BBCが「放送しないテレビ局」というか、コンテンツ会社になったっていうのとか、ものすごい話だからね。

志村 うーん。でもテレビとか新聞がダメなのって、自分で作ったコンテンツを自分で売ったことがないからだと思うんすよねぇ。制作能力とかいい記事書いてるとか自信あるなら、自分で売ってみろよ、と。

山脇 自信あるから、BBCはコンテンツ企業になったんだろうね。そこは、最近、自問自答してます。

志村 実際、コンテンツを売っている雑誌が不調ってのはなんなんすかねぇ。

山脇 コンテンツが弱くなってるんじゃなくて、紙がネットに代わられてるってことだと思う。同じコンテンツでも伝える媒体の変化についていけてないのかなって。ウチのカミさんなんか、髪切りにいくとき、昔は雑誌を切り抜いてたけど、今はネットから印刷して持って行くもん。

日本にもHulu来るの?

写真6志村 最近、ヤフーがギャオを買収して、ギャオにフジと日テレが出資しましたね。

山脇 そうそう。それちょっとびっくり。ギャオが日本のHuluになるかも?と思って。

志村 TBSどーすんすか?

山脇 うーん、僕ら下々にはわからないです。なんかHuluが各局訪問してるとは聞いてるけど。日本でビジネスしたいって。

志村 1局単独でやるより、まとめてやったほうがいいですよ。『規制による寡占市場からの超過利潤を制作資金にまわし、いいコンテンツを作ってきた。ところが、インターネット市場は、参入障壁が低い自由市場。プレーヤーが増える。そこで、ひとつのプラットフォームでコンテンツ配信をするのがある種の寡占状態を作り出す方策』ってことにならないすかー?

山脇 それはそうだと思います。

志村 まぁ、でもツイッターやっていて、個人的に、もうこっちの世界に来ちゃえ!みたいなのあります?

山脇 いや・・・ひそかに愛社精神あるし、僕ちゃんテレビっ子だから。(笑)

志村 テレビ局の人たちって、給料下がるがいちばん嫌なわけじゃないですか。それってないなー、と思うんだけど。メーカーでもアナログの技術者は、配置転換になったりとか。時代が変われば、そういうのってしょうがないと思うんですよね。でも、新聞社とかテレビ局の人たちって、『どーしたらいいすか』って聞きにきても、結局それって給料が・・・って話になって、じゃあ、もー勝手にしてよって言いたくなっちゃう。

山脇 でも、サラリーマンだし。

志村 なんすか、それ。

山脇 給料下がるのはいやだけど、いつまでも巨象ではいられないなっていうのは自覚してます・・・(泣)。

志村 赤字になって、気づいてるんじゃないすか。

山脇 いやっ、ここを凌げればなんとかイケるって(涙目)。インターネットでも、僕らがアドバンテージをっ!!!って信じてます。

志村 ここを凌いだ先は、いまと違う世界が待ってるんですけどねぇ。

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