2018年11月26日掲載 ITトレンド全般 ICR View

手間をかけずにクラウド環境を



HCI(Hyper Converged Infrastructure)の市場が伸びている。HCIとは、簡単に言ってしまうと、これまでのようにサーバとSAN(Storage Area Network)スイッチとストレージを別々に調達して接続しクラウド環境を構築してきたものを、最初から統合された形で提供されるハードウェアを用いて構築するもので、ここ数年で劇的に市場が拡大してきている。

以前の職場でも数年前からHCIの引き合いが目に見えて増えてきていた。
HCIそのものの細かい解説は、ベンダやSIerのサイトに詳しくあるので書かないが、なぜここまでHCIが拡大しつつあるのだろうか。

HCIの一番の特徴は、高い拡張性と可用性だ。しかし、従来型のクラウドインフラ環境を構築する場合に比べると、(規模が大きい場合は特に)コストが高く、ストレージの容量だけを増やすといったようなカスタマイズもできない。

様々なサービスが仮想化環境で動いている中で、常に企業のシステム担当者を悩ませるのが、サービスの拡張に伴う機器増設や保守の問題だ。サービスを止めることなくシステムを運用管理するためのコストは、サーバエンジニアの確保から始まり、企業には大きな負担だ。

一方で、DX(Digital Transformation)の進展で事業プロセスの多くがシステム化されて連結していく中で、インフラ環境は外部のクラウド事業者のサービスを利用するか、自前で持つなら運用管理は極力手間をかけたくない、と考えるのは当然だろう。

初期投資が多少かかったりカスタマイズの制限があったりしても、運用管理が楽なHCIを活用し自分たちはシステム戦略を描くことに注力した方が、TCOは結果的に安くなると考えるのは自然だ。一旦HCIを導入して余計な手間をかけずに運用できることに慣れてしまうと、次々と別のシステムもHCIに載せていくことになり、HCI市場拡大に拍車がかかるわけだ。

極力手間をかけずに自動化を進めて本質的なところにリソースを割くというのは今の大きな流れだ。HCI市場の成長は、まさにこの流れを象徴していると言えるだろう。

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