情報通信総合研究所(ICR - InfoCom Research,Inc)は情報通信専門のシンクタンクです。

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2017年5月25日

急成長するネット広告市場を支えるユーザ投稿コンテンツの価値は4,000億円!
一方、ユーザはコンテンツを楽しむことで2,500億円の便益を享受

(株)情報通信総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:眞藤 務)は、情報通信技術(以下、ICT)を活用したサービスによって生み出されている多面的な価値を明らかにするため、アンケート調査を元にした推計を行っています。
ユーザがインターネット上でコンテンツ(動画、音楽、写真、口コミ、つぶやき等)を投稿、共有することによって生み出されている価値をコンテンツの提供者側と利用者側に分けて推計しましたので、その結果を報告いたします。

<ユーザがネット上で「生み出す価値」と「感じる価値>

主要四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)の広告市場が伸び悩む中、ネット広告の市場規模は1兆円台まで急成長し、今後も拡大が予想されている。そのネット広告市場の形成には企業が提供するコンテンツだけではなく、個人(ネット利用者自身)が創出するコンテンツが大きく貢献しており、本推計によりユーザ投稿コンテンツ(「ブログ・SNS」、「口コミサイト」、「音楽・動画視聴サービス」への投稿)の価値は3,957億円(サービスの利用者1人あたりの金額[1]にすると、927円/月)にのぼることがわかった。個人は自分が楽しむためにコンテンツを創出したり閲覧したりしているが、それが同時にネット広告市場の成長に貢献するという価値をも生み出しているといえる。

インターネット上で創出されるコンテンツの価値と消費者余剰

インターネット上で創出されるコンテンツの価値と消費者余剰

ユーザが投稿したコンテンツは他のユーザが閲覧して楽しんでおり、結果として情報共有プラットフォームの広告収入につながっている。インターネットの普及に伴い、インターネット広告費は増え続けており、1兆円規模の市場が形成されている。それだけの規模の市場が存在する一因にはユーザによってコンテンツが絶えず供給され続け、常に新鮮な情報・コンテンツに触れることができるという好循環があると考えられる。また、重要なのは、ユーザは自分が楽しむためにブログ・SNS等の書き込みをしてコンテンツを生み出していることである[2]

そこで、ユーザがコンテンツを楽しむことによって感じる価値を、消費者余剰(サービスに対して支払っても良いと思う金額と実際に支払っている金額の差)として推計した[3]。その結果、消費者余剰は年間で2,581億円となった。これをサービスの利用者1人あたりの金額にすると、569円/月となり、サービスの利用者は実際に支払っている金額以上に大きな価値を感じていることが明らかになった。ICTを活用した情報共有プラットフォームは、ユーザの楽しみという価値を生み出しているが、それだけではなく広告収入を生むコンテンツの生成という価値も生み出していると言える。

[1]「ブログ・SNS」利用者1人あたり金額と「口コミサイト」利用者1人あたりの金額と「音楽・動画視聴サービス」利用者1人あたりの金額の合計

[2]ここでの推計ではアフィリエイト広告等の収入を得るために投稿するコンテンツは除いている。広告収入を得るために投稿するコンテンツを含めると4,413億円となる。

[3]コンテンツを投稿せず、見るだけの人の余剰も含まれている。

アンケート調査の概要

アンケート調査では、ICTサービスの利用状況や利用サービスに支払っている金額、支払意思額(サービスの利用に対して支払っても良いと思う金額)、投稿回数や投稿にかける時間等について尋ねた。調査期間や調査対象、回収数は以下のとおり。

  • 調査名称 :ICTサービスの利用に関するアンケート
  • 調査期間 :2016年12月1日~2016年12月3日
  • 調査対象:20代~60代の男女
  • 調査手法:Webアンケート調査
  • 回収件数:合計2,663サンプル(性・年代別の回収数は図表5)
  • 対象サービス:ブログ・SNS、口コミサイト、音楽・動画視聴サービス(具体的なサービスは図表6)

<会社概要>

社名 株式会社情報通信総合研究所(www.icr.co.jp)  1985年6月設立。情報通信専門のシンクタンクとして、情報通信分野の専門的調査研究、コンサルティング、マーケティング、地域情報化にかかわる調査・提案などのビジネスを展開するとともに、これらに関するノウハウ・データを蓄積してきた。近年は、ICTの急激な進展に伴い、研究分野をさらに拡大することでICTが経済社会にもたらす変化を定量的に把握する手法を開発するなど、広く社会の発展に寄与する情報発信・提言を行う最先端のシンクタンクとして事業を展開している。

〒103-0013東京都中央区日本橋人形町2-14-10
アーバンネット日本橋ビル

TEL 03-3663-7153/FAX 03-3663-7660

株式会社情報通信総合研究所
ICT経済分析チーム

主席研究員:野口正人
主任研究員:手嶋彩子、山本悠介
研究員:佐藤泰基、久保田茂裕、鷲尾哲