情報通信総合研究所(ICR - InfoCom Research,Inc)は情報通信専門のシンクタンクです。

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2017年6月28日

シェアリングサービスの市場規模は年間1兆1,800億円!
将来的には2兆6,300億円まで拡大の可能性

(株)情報通信総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大平 弘)は、情報通信技術(以下、ICT)を活用したサービスによって生み出されている多面的な価値を明らかにするため、アンケート調査を元にした推計を行っています。

インターネット上でモノやサービス(空き部屋、中古品、タクシー、スキル等)を貸したい人と借りたい人をマッチングし、シェアするという動きが広がっています。そこで、モノやサービスを提供する側と利用する側に分けて取引金額を推計しましたので、その結果を報告いたします。

<シェアリングサービスでの取引金額>

インターネット上のマッチングサービスを利用することによって、モノやサービスを個人間で貸し借りしたり、企業から借りたりするシェアリングが広がりつつあります。

今回は、シェアを「スペースのシェア」、「モノのシェア」、「移動のシェア」、「スキルのシェア」、「お金のシェア」の5つに分類し、モノやサービスを提供する側と利用する側でどの程度の金額がやり取りされているのかを市場規模と捉えて推計しました。

その結果、提供側が得ている収入は、年間で約1兆1,800億円、利用側が支出している金額は、年間で約4,400億円[1]となりました。

モノやサービスをシェアすることによる収入・支出

モノやサービスをシェアすることによる収入・支出

将来の利用意向を踏まえて、潜在市場規模を推計した結果、提供側が得る可能性がある収入は年間で約2兆6,300億円、利用側が支出する可能性がある金額は年間で約1兆1,100億円[2]となりました。利用側では移動のシェアが3,965億円と大きい値となっていますが、地方では移動手段がないとシニア層が病院や買い物に行けないというような課題があり、地方における移動のシェアはこれから拡大していくことが想定されます。

現状では、提供側の収入に比べて利用側の金額が小さく、その要因としては、(1)訪日外国人が利用している分が差として表れている[3]、(1)リテラシーの高いモニター調査ゆえの偏り[4]等が考えられる。特に、空き部屋などのスペースについては訪日外国人観光客が積極的に借りていることが予想され、それが大きな差となったと考えられます。

シェアリングサービスは、遊休資産の活用というだけではなく、ピーク需要への柔軟な対応や人手不足の解消、社会的費用の削減といった利点もあり、人口減少・少子高齢化が進むと考えられる日本において重要な経済活動になると予想されます。また、交流型シェアリングは個人のおもてなしによって提供側と利用側の信頼の醸成につながり、個人のホスタピリティが社会にプラスの効用をもたらすと期待されています。

[1]利用側の支出額には個人ではなく、企業が提供しているスペースやモノを利用する際の支出も含まれている。

[2]シェアリングサービスの利用意向を持つ人が、全員シェアリングサービスを利用した場合の金額。単金(1人あたり月額平均収入・支出)は変わらないと仮定して推計した。

[3]日本人を対象としたアンケート調査から推計しており、外国人が日本で利用した際の支出は含まれていない。

[4]リテラシーの高いモニターが回答するWebアンケート調査であるが故に、ICTを活用して資産等を提供して収入を得たいと思う意図が強い回答者が多いのではないかと考えられるが、この点については、さらなる検証が必要である。

アンケート調査の概要

アンケート調査では、シェアリングサービスの利用状況や将来的な利用意向、モノやサービスのシェアによって得ている金額、支払っている金額等について尋ねた。調査期間や調査対象、回収数は以下のとおり。

  • 調査名称 :ICTサービスの利用に関するアンケート
  • 調査期間 :2016年12月1日~2016年12月3日
  • 調査対象:20代~60代の男女
  • 調査手法:Webアンケート調査
  • 回収件数:合計2,663サンプル(性・年代別の回収数は図表5)
  • 対象サービス:シェアリングサービス(具体的なサービスは図表6)

<会社概要>

社名 株式会社情報通信総合研究所(www.icr.co.jp)  1985年6月設立。情報通信専門のシンクタンクとして、1985年6月に、国内外の情報通信に関する調査・研究を専門とするシンクタンクとして設立。固定通信や移動通信、インターネット・ICT、通信と放送の融合から地域の情報化など、情報通信関連の調査研究、コンサルティング、マーケティング、出版事業などの活動を展開しています。

〒103-0013東京都中央区日本橋人形町2-14-10
アーバンネット日本橋ビル

TEL 03-3663-7153/FAX 03-3663-7660

株式会社情報通信総合研究所
ICT経済分析チーム

主席研究員:野口正人
主任研究員:手嶋彩子、山本悠介
研究員:佐藤泰基、久保田茂裕、鷲尾哲