情報通信総合研究所(ICR - InfoCom Research,Inc)は情報通信専門のシンクタンクです。

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2017年7月28日

eコマースで年間274時間の節約!!
利用頻度増加による時間節約効果の拡大

(株)情報通信総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大平 弘)は、情報通信技術(以下、ICT)を活用したサービスによって生み出されている多面的な価値を明らかにするため、アンケート調査を元にした推計を行っています。
消費者がインターネット上で買い物をすること(eコマース)によって、どの程度買い物にかける時間が節約できているのかを推計しましたので、その結果を報告いたします。

<eコマースによる時間の節約効果>

平成28年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、15.1兆円(前年比9.9%増)[1]と消費者のニーズに合わせて市場も拡大を続けています。消費者は家電や書籍、食料品など多種多様な商品をインターネット上のECショップから購入することができ、商品を自宅まで配達してもらうことによって、実店舗まで買い物に行って帰ってくる移動時間を節約[2]することができます。

今回は、「Amazon」、「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」の3サービスを対象に、消費者(eコマースサービスの利用者)がどの程度時間を節約できているのかを推計しました。

その結果、eコマースを利用している全ユーザの1人あたり平均では、あまり利用しないユーザもいるため年間36時間程度の節約効果にとどまるものの、1回以上利用するユーザ(全ユーザの約1割)では年間274時間、月1回以上利用するユーザ(全ユーザの約4割)では年間84時間もの節約効果があることがわかりました。

eコマース利用による1人あたり年間節約時間

eコマース利用による1人あたり年間節約時間

日本のEC化率[3]は5%程度であり、米国(約7%)や中国(約15%)と比べると低い割合になっており、日本のeコマース市場はまだ成長する余地があると考えられます。1購入あたりの商品別の節約時間をみると、食料品や医療品・化粧品で節約効果が小さく、遠方の店舗までの移動や1人での運搬が難しい家電・家具で最も大きな節約効果になっています。食料品は、1購入あたりの節約効果としては小さいものの、購入頻度は高いと考えられ、今後ネットスーパー等で毎週のように食料品を購入することによって、現在の1人あたり平均年間36時間という節約効果が最大274時間[4]にまで拡大する可能性があると考えられます。

1回あたりの商品別の節約時間

1回あたりの商品別の節約時間

日本には長時間労働等によって余裕のある生活が出来ていない人が多数いると想像されますが、ICTを活用して買い物をすることで生活に必要不可欠な家事の時間を削減することができ、生活に余裕を持たせることができると言えます。

今後、eコマース利用が拡大することはもちろん、個別配送でのドローンやAI(人工知能)、IoT(Internet of Things)、ビッグデータの活用により、より便利なeコマースサービスが登場することによって、時間の節約効果も拡大し、それを上手に活用することで余裕を持った生活に貢献できることが期待されます。

[1]経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」

[2]時間をかけずに多様な商品を購入することができる。

[3]全ての商取引金額に対する、電子商取引市場規模の割合

[4]現在、週1回以上利用するユーザの平均節約時間を想定

アンケート調査の概要

アンケート調査では、eコマースサービスの利用状況や利用サービス、利用回数、購入する商品、節約される時間等について尋ねた。調査期間や調査対象、回収数は以下のとおり。

  • 調査名称 :ICTサービスの利用に関するアンケート
  • 調査期間 :2016年12月1日~2016年12月3日
  • 調査対象:20代~60代の男女
  • 調査手法:Webアンケート調査
  • 回収件数:合計2,663サンプル(性・年代別の回収数は図表3)
  • 対象サービス:eコマースサービス(具体的なサービスは図表4))

<本調査の背景>

経済の発展と共に、一国の経済を包括的に表す唯一の統計であるGDP統計(国民経済計算)は継続的に改善が図られており、最近では15兆円以上に上る研究開発投資が計上されるようになりました。しかし、GDP統計及びその基本となる経済統計には多くの課題が残っており、統計改革推進会議において改善が議論されるなど、経済の実態をより正確に把握するための取組が行われています。
一方、我々の生活に目を向けると、ICTの進展によって新たな経済活動(個人が提供する財・サービス(インターネットコンテンツ、シェアリングエコノミー等))が生まれたり、人々が豊かになったり、利便性が向上したりしているものの、これらは統計として十分に把握されていないという現状があります。
そこで、本調査では統計では捕捉できていないICTを活用した経済活動やICTの生み出す価値を計測するためにアンケート調査を踏まえた分析を実施し、消費者がインターネット上で買い物をする(eコマース)ことによってどの程度時間が節約できているのかについて定量的な推計を試みました。

<会社概要>

社名 株式会社情報通信総合研究所(www.icr.co.jp)  1985年6月設立。情報通信専門のシンクタンクとして、1985年6月に、国内外の情報通信に関する調査・研究を専門とするシンクタンクとして設立。固定通信や移動通信、インターネット・ICT、通信と放送の融合から地域の情報化など、情報通信関連の調査研究、コンサルティング、マーケティング、出版事業などの活動を展開しています。

〒103-0013東京都中央区日本橋人形町2-14-10
アーバンネット日本橋ビル

TEL 03-3663-7153/FAX 03-3663-7660

株式会社情報通信総合研究所
ICT経済分析チーム

主席研究員:野口正人
主任研究員:手嶋彩子、山本悠介
副主任研究員:久保田茂裕、鷲尾哲
研究員:佐藤泰基