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2017年12月28日

2017~2020年度経済見通し
実質経済成長率:2017年度1.9%、2018年度1.3%、2019年度0.8%、2020年度1.2%を予測

株式会社情報通信総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大平弘)は、情報通信(以下、ICT)産業が日本経済に与える影響を把握する一環として、篠﨑彰彦・九州大学教授、飯塚信夫・神奈川大学教授の監修のもと、内生変数75、外生変数75から成る小型のマクロ計量モデルを構築し、日本経済の予測を実施しております1
このたび、12月8日に内閣府より発表された2017年7-9月期の実質GDPの2次速報を受けて、2017~2020年度の日本経済見通しを作成しました。この予測は、設備投資に占めるICT投資の比率を予測期間にわたって一定、消費税率は2019年10月に10%に引き上げられることを前提としております。

1.このマクロ計量モデルは、ICT投資の増減が経済に与える影響を分析できるように構築しています。

<予測結果>

実質GDP成長率の見通しは、2017年度に1.9%、2018年度に1.3%、2019年度に0.8%、2020年度に1.2%となった。2017年度前半は、海外経済が好調であり輸出が伸びたことに加え、企業収益の拡大が設備投資を押し上げた。年度後半も内外需ともに堅調であり、2017年度は1.9%の高成長を見込む。2018年度も、消費支出及び設備投資の内需が拡大することで1%前半の成長を見込む。2019年度は、10月に消費税率が10%に上がることから、消費支出は弱く、住宅投資は減少となり、景気の下押し要因となる。但し、海外経済の緩やかな拡大と、企業収益の増加を背景に、消費支出及び設備投資の増加が続くことから景気後退は退けられ、日本経済は、2020年度に向けて拡大が続く。

図表1 経済見通し総括表

【図表】経済見通し総括表

【経済見通し】

2017年度は、海外経済の好調と設備投資の拡大が寄与し高成長

 2017年度の実質GDP成長率は1.9%と予測する。2017年度の前半は、米国経済が堅調なことに加え、アジア向けの半導体電子部品も増加に寄与し輸出は拡大した。年度後半も引き続き海外経済は好調となり、為替レートも110円台付近で推移することで、2017年度を通した輸出は大幅に増加となる見込み。

 一方、内需に目を向けると、海外経済の好調に後押しされ、企業収益は拡大しており、年度前半は、設備投資の増加が大きかった。12月15日に公表された日銀短観においても、2017年度の設備投資計画は高く、年度後半も引き続き増加するだろう。民間最終消費支出は、4-6月期に増加したが、7-9月期には減少となり、年度前半は足踏みが見られた。しかし、景況感に後押しされ、年度後半も堅調に推移する見込み。2017年度は、内需・外需ともに増加し、2%に近い高成長となるだろう。

2018年度は、設備投資及び最終消費支出が堅調に増加

 2018年度の実質GDP成長率は1.3%と予測する。2018年度も企業収益は引き続き増加となる見込み。労働力人口が横ばいで推移することを前提とすると、労働需要は逼迫し、失業率も低い水準で推移する。労働力不足に対して、労働生産性の向上で対応するために、企業が設備投資を行う誘因は大きいだろう。加えて、AIやIoT等の新しい情報技術を活用する機運が高まっており設備投資の拡大を後押しする。

 また、企業収益の増加は、賃金の上昇にもまわり、雇用者報酬は拡大し、個人消費を押し上げる。一方で、年金で生計をたてる高齢者の割合が高まっていることから、雇用者報酬の増加が、消費全体を押し上げる効果は限定的な部分もある。民間最終消費支出は緩やかな増加となるであろう。

 海外経済は、国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しに基づくと緩やかな成長が続き、これに伴い輸出も拡大することから、2018年度は1%前半の成長を予測する。

2019年度は、消費増税により成長率は低下するものの、2020年度には回復

 2019年度の実質GDP成長率は0.8%、2020年度は1.2%と予測する。2019年度は、10月に消費税率が8%から10%に引き上げられることから、実質可処分所得が減少し、個人消費及び住宅投資の下押し要因となる。しかし、軽減税率が適用されることもあり、景気を後退させるほどのインパクトはないと考えられる。

 2020年度は、海外経済の緩やかな成長を前提に輸出が増加する一方で、東京オリンピックを起点として内需も拡大をすることで、2019年度の成長の鈍化を打ち消して1%前半の成長を見込む。

<会社概要>

社名 株式会社情報通信総合研究所(www.icr.co.jp)  1985年6月設立。情報通信専門のシンクタンクとして、情報通信分野の専門的調査研究、コンサルティング、マーケティング、地域情報化にかかわる調査・提案などのビジネスを展開するとともに、これらに関するノウハウ・データを蓄積してきた。近年は、ICTの急激な進展に伴い、研究分野をさらに拡大することでICTが経済社会にもたらす変化を定量的に把握する手法を開発するなど、広く社会の発展に寄与する情報発信・提言を行う最先端のシンクタンクとして事業を展開している。

〒103-0013東京都中央区日本橋人形町2-14-10
アーバンネット日本橋ビル

TEL 03-3663-7153/FAX 03-3663-7660

株式会社情報通信総合研究所
ICT経済分析チーム

主席研究員:野口正人
主任研究員:手嶋彩子、山本悠介
副主任研究員:久保田茂裕、鷲尾哲
研究員:佐藤泰基

監修
九州大学大学院経済学研究院教授 篠﨑彰彦
神奈川大学経済学部教授 飯塚信夫