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Global Perspective 2013
2013年11月28日掲載

2014年の世界10大トレンドの中の1つとしての「サイバースペースでの脅威」

(株)情報通信総合研究所
グローバル研究グループ
佐藤 仁

世界経済フォーラムが2014年の世界での10大トレンドの予測("Outlook on the Global Agenda 2014”)を公表した(※1)。10大トレンドは以下の通りである。

2014年の世界10大トレンドの中の1つとしての「サイバースペースでの脅威」

Outlook on the Global Agenda 2014

  1. Rising societal tensions in the Middle East and North Africa (中東・北アフリカ問題)
  2. Widening income disparities (格差拡大)
  3. Persistent structural unemployment (失業問題)
  4. Intensifying cyber threats (サイバースペースでの脅威)
  5. Inaction on climate change (気候変動問題)
  6. Diminishing confidence in economic policies (経済停滞)
  7. A lack of values in leadership (リーダーシップの欠如)
  8. The expanding middle class in Asia (アジアでの中産階級増加)
  9. The growing importance of megacities (メガシティの増大)
  10. The rapid spread of misinformation online (オンラインでの誤報の拡散)

その中で「サイバースペースでの脅威」が4番目にあがった。たしかに世界中でサイバー攻撃などのサイバースペースでの脅威は拡大していることから世界経済フォーラムが10大トレンドの1つにあげることも理解できる。企業や政府、NGOだけでなくその攻撃は個人にまで及んでいる。世界経済フォーラムでは特に「internet of things」(モノのインターネット)、すなわちあらゆるものがネットで接続されるようになることによって、予期せぬ攻撃の被害に遭うことを懸念している。またサイバー攻撃は予測不可能なものではあるが、企業や政府としては対応することは可能である(You’re always going to be dealing with an unpredictable current. But it’s manageable)と述べている。

サイバースペースでの脅威を理解しておく

個人の生活、社会経済活動、国家の安全保障などあらゆるものがシステム、ネットワークを基盤として構築されたサイバースペースに依拠している現代社会においては、そこの脆弱性を突いた攻撃であるサイバー攻撃の脅威は常に存在する。

サイバースペースの脅威が10大トレンドとして登場してくることは社会問題であると同時に、サイバー攻撃の実態が見えにくいからという背景もあるだろう。サイバー攻撃にも様々な種類があり、それぞれの攻撃に攻撃者の目的がある。そこでサイバー攻撃とは何かを理解するのにも「5W1H」は役立つだろう。それらと照らし合わせてみて、どのようなサイバー攻撃があり、どのようなリスクがあるのか、そして自組織がどうしてサイバー攻撃の標的にされるのか等を考えてみるとよいかもしれない。サイバースペースにはどのような脅威と被害の影響があり、それらに対するどのような対策があるのかを事前に行うことによって脅威と被害リスクを軽減することも可能であろう。

人間の多くの営みがサイバースペースに依拠するようになった現代では今後もサイバースペースの脅威は続くであろう。しかしサイバースペースでの「見えない脅威」に怯えるよりも、サイバースペースでの脅威を理解することによって対応策が見え、自分自身、自組織、国家を守ることが可能である。

(表1)サイバー攻撃の分類

(表1)サイバー攻撃の分類

(出典:筆者作成)

(表2)サイバー攻撃を理解しよう 〜脅威と対策が見える5W1H〜

(表2)サイバー攻撃を理解しよう 〜脅威と対策が見える5W1H〜

(出典:筆者作成)

*本情報は2013年11月27日時点のものである。

※1 World Economic Forum, "Outlook on the Global Agenda 2014”
http://reports.weforum.org/outlook-14/

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