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Global Perspective 2014
2014年11月10日掲載

首都圏「50%が通勤・通学中に動画を視聴、若年層の20%は毎日視聴」

(株)情報通信総合研究所
グローバル研究グループ
副主任研究員 佐藤 仁

株式会社電通は2014年10月30日、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の通勤・通学者を対象に実施した「通勤・通学時における動画視聴」調査の結果を発表した(※1)。交通機関を利用中の動画視聴者が増えたとは言われているものの、具体的にどんな動画コンテンツをどのようなプラットフォームで視聴しているのかについて、詳細な調査はこれまで行われていなかった。

電通「通勤・通学時における動画視聴調査」

同調査は以下の通りで実施。

  • 18歳から49歳までの高校生・大学生・通勤者で、電車やバスを利用しての通勤・通学中、週に1度以上動画を視聴するという664名を対象。
  • 車内ビジョンではなく、手持ちのスマートフォンやタブレットの利用を対象。

結果として以下のような行動が見られた。

  • 頻度を問わなければ通勤・通学者のうち約50%が動画を視聴している。
  • 特に学生は約60%が視聴している。
  • 動画を毎日視聴している層(1日に1度以上視聴すると回答)は、若年層を中心に約20%が該当する。
  • 通勤・通学時間のうち、動画を視聴している時間の割合は、乗車時間のうち約1/3が動画視聴に使われている。
  • 内容としては、どの年代においてもYouTubeやニコニコ動画などの共有系動画サービスとの回答が約80%を占めた。続いてテレビ放送系動画(約50%)、dビデオやHuluといった配信系動画サービス(約25%)となった。
  • コンテンツジャンルは、若年層に人気の高い「PV/音楽」系ジャンルが多く視聴されていた。他「に報道/ニュース」や「スポーツ」「バラエティー」「お笑い」「ドラマ」「アニメ」などテレビで人気のコンテンツジャンルが多く視聴されていた。
  • 共有系動画サービスがどの年代でも一番多く視聴されているにもかかわらず、視聴されているコンテンツはテレビで人気のジャンルが多い。
  • 通勤・通学者に動画を視聴する理由を聞いてみると、隙間時間を埋めるため「ひまつぶしにちょうどいいので」という回答が圧倒的に多い結果となった。
  • また、若年層女性に多く見受けられた傾向として「乗車ストレスからの解放」を目的に動画を視聴している。

(図表1)通勤・通学時の動画視聴頻度

(図表1)通勤・通学時の動画視聴頻度

(出典:電通)

(図表2)通勤・通学中の動画視聴時間シェア

図表2)通勤・通学中の動画視聴時間シェア

(出典:電通)

(図表3)通勤・通学時の動画視聴方法
YouTubeやニコニコ動画などの「共有系動画サービス」が圧倒的に多いことがわかる。

(図表3)通勤・通学時の動画視聴方法

(出典:電通)

(図表4)通勤・通学時の動画視聴理由
圧倒的に「ひまつぶし」のために動画を視聴していることがわかる。

(図表4)通勤・通学時の動画視聴理由

(出典:電通)

「歩きスマホ」には気を付けて

スマートフォンのディスプレーが大型化し、またタブレットの普及拡大が見込まれる中、動画が視聴されやすい環境が整ってきており、電車やバスの中での動画視聴は今後もますます増加するものと電通は予想している。その通りであろう。

さらに電池の持ちも以前に比べるとかなり良くなった。また現在では東京を初めとする大都市では地下鉄でもネットワークが入るところが多く、通勤中でもストレスなく動画を視聴することが可能である。

しかし動画によっては、通勤・通学中の電車の中だけでは終わらないことが多い。そのせいか駅やプラットフォームでイヤホンしながら「歩きスマホ」している人も見かける。たしかに通勤・通学中に動画を視聴することは「暇つぶし」に最適だろうし、そのようなことができるのもスマートフォンが登場し、ネットワークや端末、動画コンテンツが整備されたからである。一方で「歩きスマホ」は危険である。線路に落ちて大事故になったり、他人にぶつかって他人に怪我をさせてしまってからでは遅い。

通勤・通学時の動画視聴による「暇つぶし」はこれからも増えるだろうが、「歩きスマホ」には気を付けてください。

*本情報は2014年11月6日時点のものである。


電通(2014年10月30日)『電通総研、「通勤・通学時における動画視聴」調査を実施― 通勤・通学中に動画を視聴する人は50%、若年層では20%が毎日視聴 ―」
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2014089-1030.pdf
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