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InfoCom Law Report
2014年7月3日掲載

[本文へ戻る] 米国におけるインターネット青少年保護〜カリフォルニア州の動向〜

【別紙1】 上院法案第568号  仮訳(※12)

第336章

第8編「カリフォルニア州企業・職業法」に(第22580条から始まる)第22.1章を追加した法律。

[2013年9月23日に州務長官によって提出され、州知事によって承認される。]

立法顧問局による要約

スタインバーグ議員の上程した上院法案第568号。プライバシー。インターネット。未成年者。

現行法は、法の定めに従い、インターネットを通じてサイトを利用または訪問するカリフォルニア州在住の消費者に関する個人を識別できる情報を集める商業上のウェブサイトまたはオンラインサービスのオペレーターに対して、プライバシーポリシーを消費者にとって有効なものとするよう求めている。
現行の連邦法は、未成年者と定義される子供を対象とするインターネット上のウェブサイトまたはオンラインサービスのオペレーターに対して、または、子供から個人情報を収集していると現実に知っている(actual knowledge)インターネット上のウェブサイトまたはオンラインサービスのオペレーターに対して、どのような情報が収集されているか及びその情報がどのように利用されているか告知をなし(provide notice)、また、子供の親に対して、オペレーターが子供から情報をさらに集積することを拒絶する機会を与えるよう求めている。

本法案は、2015年1月1日以降、法の定義に従い、インターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーション、あるいは、モバイルアプリケーションのオペーレーターに対して、未成年者に一定の商品またはサービスを販売促進することを禁ずる。同法は、オペーレーターに対して一定の製品またはサービスの販売促進の目的で未成年者の個人情報と知りながら利用し、開示し、収集し、あるいは、第三者をして一定の製品またはサービスの販売促進の目的で未成年者の個人情報を利用させ、開示させまたは収集させることを禁じている。同法はまた、当該禁止規定を、インターネットウェブサイト、オンラインサービスまたはオンラインアプリケーションのオペレーターが、これらのサイト、サービスまたはアプリケーションが未成年者を対象としているとの告知を行っている広告サービスにも準用している。

本法案は、2015年1月1日以降、インターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーション、あるいは、モバイルアプリケーションのオペレーターに対して、登録ユーザーである未成年者に、オペーレーターが運営するこれら各サイト、サービスまたはアプリケーション上に未成年者が投稿したコンテンツまたは情報を削除し、あるいは、削除を申請して実現することを認めるよう求める。ただし、コンテンツまたは情報が第三者によって投稿される場合、連邦もしくは州法の他の規定がオペレーターまたは第三者にコンテンツまたは情報を保持するよう求める場合、あるいは、オペレーターがコンテンツまたは情報を匿名化(anonymize)する場合には、この限りではない。本法は、法の定めに従い、オペレーターに対して、未成年者がコンテンツまたは情報の削除をすることができる旨の告知を行うよう求めている。

カリフォルニア州民は以下のように定める。

第1節第8編「カリフォルニア州企業・職業法」に、以下の通り(第22580条から始まる)第22.1章を追加する。

第22.1章 デジタル世界における
カリフォルニア州の未成年者のためのプライバシー権

第22580条

(中略)

第22581条

  1. 未成年者を対象とするインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションのオペレーター、あるいは、未成年者が利用していると現実に知っている(actual knowledge)インターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションのオペレーターは、次のすべてを満たさなければならない。
    1. オペレーターは、そのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションの登録ユーザである未成年者に、これら各サイト、サービス、アプリケーション上にユーザ自身が投稿したコンテンツまたは情報を削除できるようにするか、もしくは、オペレーターの選択に従って、削除を申請し実現することを認める。
    2. オペレーターは、そのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションの登録ユーザである未成年者に、これら各サイト、サービス、アプリケーション上にユーザ自身が投稿したコンテンツまたは情報を削除できるようにするか、もしくは、オペレーターの選択に従って、削除を申請し実現することができる旨を告知する。
    3. オペレーターは、そのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションの登録ユーザである未成年者に、どのようにユーザがこれら各サイト、サービス、アプリケーション上にユーザ自身が投稿したコンテンツまたは情報を削除できるようにするか、もしくは、オペレーターの選択に従って、削除を申請し実現することができるか、その手続について明瞭な説明を行わなければならない。
    4. オペレーターは、そのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションの登録ユーザである未成年者に、第(1)号に記述された削除は、これら各サイト、サービス、アプリケーション上にユーザ自身が投稿したコンテンツまたは情報の、完全なもしくは包括的な削除を保証するものではない旨を告知しなければならない。
  2. オペレーターまたは第三者は、下記のいずれかの場合には、コンテンツまたは情報について、削除またはその他の消去をするように求められたり、あるいは、削除または消去を可能ならしめるように求められたりしない。
    1. 他の連邦法または州法の規定がオペーレーターまたは第三者にコンテンツまたは情報を保持するよう求める場合。
    2. コンテンツまたは情報が、未成年者以外の登録ユーザーである第三者によって、オペーレーターのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションに蓄積されるかまたは投稿された場合。(この場合において)コンテンツまたは情報とは、第三者が蓄積し、繰り返し公表しあるいはリポストしたものを当該登録ユーザーが投稿した場合を含む。
    3. オペレーターが、登録ユーザーである未成年者が投稿したコンテンツまたは情報を匿名化し、これにより当該未成年者が個別に識別されない場合。
    4. 未成年者がオペレーターのインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーション上に投稿されたコンテンツまたは情報の削除について登録ユーザーがどのように申請し実現することができるかについて定めた第(a)項の第(3)号に準拠する説明に従わない場合。
    5. 未成年者がコンテンツを提供することについて補償を得ているか、そのほか報酬(約因)を得ている場合。
  3. 本条は法によって授権されるものか、あるいは、管轄権限を有する裁判所の命令に従って、法執行機関がオペレーターからコンテンツまたは情報を獲得する権限を制限するように解釈されるべきではない。
  4. オペレーターは、以下の場合には、本条を遵守するものと推定される。
    1. たとえコンテンツまたは情報が何らかの形でオペレーターのサーバー上に残っているとしても、オペレーターが未成年者ユーザーが投稿したコンテンツまたは情報を当該サービスのほかのユーザーや大衆には見えないようにする場合。
    2. 未成年者ユーザーの最初の投稿を見えないようにしているにもかかわらず、第三者が当該投稿をコピーしたり、あるいは、当該未成年者が投稿したコンテンツまたは情報をリポストしたりしたために、当該投稿が見えてしまう場合。
    3. 本条は、インターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションのオペレーターにユーザについての年齢情報を収集することを求めるように解釈されるべきではない。
    4. 「投稿される」とは、コンテンツまたは情報を投稿した未成年者に加えて、1人のユーザーがアクセスできるコンテンツまたは情報をいう。この場合において、ユーザーとは、投稿先となるインターネットウェブサイト、オンラインサービス、オンラインアプリケーションまたはモバイルアプリケーションについて、登録ユーザーであるか否かを問わない。

(以下、略)

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※12 http://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billNavClient.xhtml?bill_id=201320140SB568

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