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InfoComモバイル通信T&S

2013年10月号(通巻295号)

サービス関連(通信・オペレーション、製品・端末、コンテンツ・放送、その他)

  • AppleのiOS7に搭載された近距離無線機能を可能とする「iBeacon」
  • 世界の激変する携帯端末製造業界: マイクロソフトがノキア携帯端末事業を買収
  • 公教育を巻き込む米国の教育サービス事情
  • ウェアラブルで加速する拡張現実、そして複合現実へ

■AppleのiOS7に搭載された近距離無線機能を可能とする「iBeacon」

Appleの新しい端末であるiPhone5s、5cの販売開始やiOS7でiOSのインターフェースデザインが大きく変更されるなど、表面的な点に注目が集まっているが、本稿では、その影に隠れるような形で追加された機能に光を当てることにしたい。その機能の名称は「iBeacon」というもので、iPhoneやiPadなどの端末に搭載されたBluetoothを利用することによって、NFCのような近距離無線通信を利用可能にするものである。以下では、「iBeacon」の概要を紹介するとともに、今後の動向について考察してみたい。

■世界の激変する携帯端末製造業界: マイクロソフトがノキア携帯端末事業を買収

携帯端末産業は技術方式が変わるたびに業界の勢力図が大きく変化してきた。G1(アナログ携帯電話)とG2(主にGSM/CDMA携帯電話)の初期には、欧米日等の多数の携帯電話メーカーが競っていたが、日本の携帯電話メーカーは「ジャパン・アズ・ナンバーワン(Japan as Number One)」の代表格として優勢だった。だが、世界的に2G(GSM/CDMA)の普及が本格化し、日本で1999年に「iモード」が、また2000年代初めに3G(W−CDMA)が登場。この頃になると、日本の携帯電話のガラパゴス化が進み、フィンランドのノキア(Nokia)が世界最大手の携帯電話メーカーに成長し、1998年から2011年までの14年間にわたり携帯電話の世界シェア首位の座を維持してきた。

■公教育を巻き込む米国の教育サービス事情

スマートフォンやタブレットの普及で仕事は場所を選ばないようになってきたが、教育の場もまた物理的な教室や単純にデジタル化されたマテリアルを超えてきており、米国では最近、公教育分野にスタートアップによる教育サービスが浸透してきている。公教育と私教育の相互補完関係と言うと過言かもしれないが、米国の教育サービスはそれを彷彿とさせる。本稿では、公教育を巻き込む米国における教育サービス事情についてレポートする。

■ウェアラブルで加速する拡張現実、そして複合現実へ

2013年10月に開催されたCEATEC JAPAN2013では、NTTドコモブースのR&Dコーナーにおいて「インテリジェントグラス」が展示され、当該ブースの中で最も注目を集めていた。この展示は、小型カメラを搭載したメガネが、顔や文字を捉えクラウドに登録されてある情報を参照することで、顔認識や文字認識を行うというものだ。このようなメガネ型ウェアラブルデバイスは、「Google Glass」や「Telepathy One」などの登場もあり、2014年にはJuniper Researchの調査によると、全世界で15億ドルの市場規模になるという。このウェアラブルデバイスの普及に関する詳説については、本誌2013年8月号「ウェアラブルデバイスの登場と普及」に譲ることとし、ここではウェアラブルデバイスの利用によって、これから展開される世界について推察する。
 まず、仮想現実・拡張現実・複合現実の意義について明確にする。

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