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2010年12月24日掲載 |
2010年12月16日、America MobilとTelefonicaが、2011年2月のコスタリカの携帯電話免許入札に参加するとコスタリカ当局Sutelは発表した。
【コスタリカ共和国簡易概要】
コスタリカは中南米の小国で、軍隊を持たない「非武装永世中立国家」である。 軍隊を持たないからその分を教育費用にかけるという教育立国である。 近年では環境保護にも注力し、エコツーリズムで欧米からの観光客が多く、観光業による収入が農産業(バナナ、コーヒー、サトウキビ)を抜いた。 最近では"中米のシリコンバレー"を目指して1998年にインテルが工場を設置するなど、かつての繊維産業から脱却し、技術立国を目指そうとしている。 コスタリカとは、スペイン語で、「豊かな海岸」という意味。 (基礎データ) 携帯電話市場について 1.国営企業による独占市場コスタリカの携帯電話市場は、国営のICE(コスタリカ電力通信公社)の独占状態である。 つまり100%が、ICE社のユーザである。世界的にも稀な市場である。 今回の免許入札によって、初めて市場が開放されることになる。ICEの電話市場独占60年の歴史に終止符が打たれる。(携帯電話は1995年からサービス開始) 携帯電話加入者は、約184万人。 加入者比率は、約40% 2009年には3G(WCDMA)も導入された。 2.今回の背景 今回の独占市場の開放は、「米・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定」(DR-CAFTA)(*1)によるものである。 コスタリカは、労働者らの反対から、中米6ヶ国中唯一の未批准国となっていたが、2007年10月、国民投票の結果承認された。 その後、発効に向け国内法整備等を実施。2009年1月1日、協定の発効となった。 以前にもICEの民営化は議論の俎上に上がったが労働者の反対運動によって、見送られ同社による独占を続けてきた。 コスタリカでは電気通信、電力、上下水道は国営である。 今回の携帯電話市場開放はその一環である。 (*1)DR-CAFTAとは、アメリカと中南米諸国の自由貿易協定。 3.今後のコスタリカ携帯電話市場の展望
とコスタリカよりも遥かに高い。(2010年9月現在:公表数値より) 人口は決して大きくはないが、携帯電話普及率が40%のコスタリカは、今後も成長が期待できる市場だ。 更に2010年12月20日のコスタリカ地元紙El Financieroによると、ICEも現在中南米の他市場への展開を検討しており提携先を探しているという。ICEもいつまでも独占企業として胡坐をかいていられなくなったことの証だろう。 現在コスタリカは2008年の世界経済危機の影響を受け、2009年にはマイナス成長で、失業率も4.9%から7.8%に大きく増加している。 参考URL
【参考動画:ICE社携帯電話のテレビ広告(スペイン語)コスタリカに生息しているアカメガエルがキャラクター】
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