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2011年4月14日掲載

LGジャパン:ケータイ プロダクトラインナップと日本市場での取組み

グローバル研究グループ 佐藤 仁
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 NTTドコモは2011年3月31日から、LG製のドコモ スマートフォン 「Optimus Pad L-06C」の販売を開始すると発表した。LGジャパンは、2006年から日本市場でNTTドコモ向けに携帯電話を提供し続けてきた。日本市場のことを非常に良く学習し、日本のマーケットニーズにあった携帯電話を今でもコンスタントにリリースしている。日本の携帯電話メーカーも日本市場から撤退していく中で、グローバルメーカーであるLGはNTTドコモ向けに対して端末を供給し続けている。

 今回はLGジャパンの携帯電話、データ通信端末のプロダクトラインナップと日本での取組について見てみたい。

 2006年3月にNTTドコモから携帯電話を初めて日本市場にてリリースした。初期の端末はSIMPUREという「シンプルなコンセプトの端末」を売りにしていたが、3G+GSM対応ということで、今でこそどの端末でも当たり前になってしまった機能だが、当時海外(特に中国やアメリカ)に行く際には大変重宝したものだ。
2008年には、世界で販売していた「PRADA Phone」(KE850)をNTTドコモのi-modeに対応する等日本市場向けにカスタマイズしてリリースした。
2009年にはLGジャパンモデルとして女優の蒼井優を起用して日本でも多くのテレビ広告を放送していた。(下記動画参照)2010年にはLTE対応データ通信端末の販売を開始した。

 また、2008年から毎年、「LG Mobile Design Competition」を実施するなど積極的に日本のユーザーの立場に立った心みを行っている。これは日本のユーザーが想い描くケータイデザインをユーザーと一緒に考えていくことを目的としている。
2008年は、「学生デザインコンペティション」だったが、2009年2010年は「私の形態」をテーマにして、誰でも応募できるようになっており、商品化を視野に入れ、新規性、実現可能性などの視点から審査されている。LGジャパンの日本の携帯電話市場への意気込みを感じる。

 LGジャパンの端末ラインナップをピックアップしてみたい。
端末の仕様、詳細は同社サイトで確認頂きたい。(2011年3月現在同社サイトより)

携帯電話・スマートフォン

1.SIMPURE L

  • 2006年3月リリース
  • WORLD WING(3G+GSM)対応
  • FOMA L600i

2.SIMPURE L1

  • 2006年11月リリース
  • 日本語/英語/韓国語対応
  • FOMA L601i

3.SIMPURE L2

  • 2007年5月リリース
  • グエナエル・ニコラ氏による“Curve & Square”デザイン
  • FOMA L602i

4.FOMA L704i

  • 2007年10月リリース
  • HSDPA対応

5.FOMA L705i

  • 2008年1月リリース

6.FOMA L705iX

  • 2008年5月リリース
  • HSDPA対応

7.PRADA Phone by LG

  • 2008年5月リリース
  • PRADAとのコラボレーション端末
  • PRADA Phoneは欧米、アジア10ヵ国で販売
  • FOMA L852i

8.FOMA L706ie

  • 2008年7月リリース
  • NTTドコモの出資している韓国通信事業者KT社との共同調達端末に選定
    韓国では「Wine Phone」として販売。

9.L-01A

  • 2008年12月リリース
  • docomo PRIME series
  • ワンセグ対応

10.L-03A

  • 2009年3月リリース
  • docomo STYLE series
  • ワンセグ対応

11.L-04A

  • 2009年8月リリース
  • docomo STYLE series
  • タッチパネル対応
  • ワンセグ対応
  • おサイフケータイ対応

12.L-06A

  • 2009年9月リリース
  • docomo PRIME series
  • ワンセグ対応
  • おサイフケータイ対応

13.L-02B

  • 2009年12月リリース
  • docomo STYLE series
  • ワンセグ対応
  • おサイフケータイ対応
  • 雑誌「bea's up」とのコラボレーションコンテンツをプリインストール

14.L-01B

  • 2010年3月リリース
  • docomo STYLE series
  • おサイフケータイ対応

15.L-03B

  • 2010年3月リリース
  • docomo STYLE series
  • ワンセグ対応
  • おサイフケータイ対応

16.L-04B

  • 2010年6月リリース
  • docomo STYLE series
  • Studio Conranデザイン
  • 角度176°のストレート携帯
  • おサイフケータイ対応

17.L-01C

  • 2010年12月リリース
  • docomo STYLE series
  • 防水
  • ワンセグ対応

18.L-03C

  • 2011年1月リリース
  • docomo PRO series
  • デジタルカメラ携帯

19.L-04C

  • 2011年3月リリース
  • ドコモ スマートフォン Optimus chat
  • Android OS2.2 搭載

20. Optimus Pad L-06C

  • 2011年3月リリース
  • ドコモ スマートフォンシリーズ
  • AndroidOS3.0搭載
  • タブレット端末

データ通信端末

1.L-02A

  • 2008年12月リリース
  • WORLD WING(3G+GSM)対応
  • USBタイプ

2.L-07A

  • 2009年11月リリース
  • WORLD WING(3G+GSM)対応
  • カードタイプ

3.L-02C

  • 2010年12月リリース
  • LTE対応
  • USBタイプ

 LGの世界でのシェアは2010年には、Nokiaや韓国サムスンと比するとAndroidやスマートフォンでの出遅れは否めないが、2010年11月時点でAndroidOSの「Optimus ONE」(ラテン語でOptimusは「最高」という意味)は、全世界で1,000万台販売されたと発表した。また2010年12月には、LGが世界初のAndroid OSのデュアルコアスマートフォン 「LG Optimus 2X」を発表)
した。CPUコア1GHz のNVIDIA Tegra 2プロセッサを採用し、速く滑らかに動く性能が売りである。NVIDAは同端末を「Smart Phone」と呼ばず「Super Phone」と称している。もはや「電話」を超えてしまっているのだろうか。今後もOptimusシリーズをはじめとしたLGのグローバル端末の日本での展開には期待している。

 スマートフォンの売上が日本でも止まることを知らない昨今であるが、2011年3月11日の大震災を契機に改めて日本市場で必要な機能(例えば、電池消費、電源の統一化、エリアメール対応、ワンセグの重要性等)についての教訓を得ただろう。それらを今後の通信事業者と足並みをそろえて、端末開発にも是非活かしてもらいたい。LGはグローバルメーカーでありながら日本市場向けに徹底したローカライズ化を実施し活動しているといえるだろう。これらの戦略は他のグローバルメーカーが日本に進出する際や日本メーカーが海外に進出する際の参考になるのではないだろうか。

 引き続きLGジャパンの日本での活動には注目していきたい。

(参考サイト)
LGのFacebookページ:http://www.facebook.com/theLGstory
LGジャパン:http://www.lg.com/jp/
LGグローバルサイト:http://www.lg.com/global/

【参考動画:LGジャパンモデルのテレビ広告(2009年)】

*本情報は、2011年3月31日時点のもの。

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