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Global Perspective 2011
2011年6月29日掲載

ジンバブエ:モバイル送金サービスと携帯電話事情

グローバル研究グループ 佐藤 仁
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 ジンバブエのモバイル送金サービスと同国の携帯電話事情、経済についてみてみたい。

 2011年3月15日、ジンバブエの通信事業者NetOneがモバイル送金サービス「One Wallet」を開始すると発表した。同社はSIMベンダー最大手のGemalto社のLinqUsソリューションを活用してモバイル送金サービスを提供する。Gemalto社はSIMの提供からシステム構築、運用までを担当する。
NetOneでは、ジンバブエ政府と年金基金のために「One Wallet」を活用することを視野に入れている。携帯を活用することによって遠隔地に住む人々が遠くまで年金受取に行かなくてすむためのスキーム構築を検討に入れているという。
「One Wallet」サービスによってユーザは銀行口座を持っていなくても、SMS経由で5USドルから最大500USドルまでの送金が携帯電話でできる。

 また2010年12月17日には、ジンバブエの通信事業者Telcelがモバイル送金サービス「Skawama」を開始したとの報道があった。こちらも銀行口座を持たなくても携帯電話で送金ができるサービスである。

 アフリカは世界で最も携帯電話の普及が速い地域である。さらに、ケニアのM-PESAに代表されるような携帯電話を用いたモバイル送金サービスも生活インフラの一部になっている。ついにジンバブエにもモバイル送金サービスがやってきた。

 ジンバブエのインフレ率は非常に高く、2009年にはジンバブエドルから12個ゼロを削除したとの報道もあった。2009年にはあまりにものハイパーインフレのため、外貨であるアメリカドルや南アフリカランドが日常でも使われるようになり、通信事業者への支払いやチャージもアメリカドルで実施するようになった。

 自国の通貨が機能しなくなった経済状況の中での通信事業者によるモバイル送金サービスの提供は同国の経済活動に対してどのような影響を与えるのか注目していきたい。モバイル送金サービスが早期に人々の生活インフラとなり、ジンバブエ経済が活性化することに期待したい。

 また携帯電話の加入者成長率は1年間で90%以上というアフリカでも著しい成長率を誇る同国の携帯電話市場の今後の動向にも重ねて注目したい。

 最後にジンバブエの携帯電話事情について簡易考察を行う。

【ジンバブエ概要】
首都:ハラレ
人口:約1,200万人
面積:390,580km²
GDP:22億ドル(一人当たりGDP:188ドル)
言語:英語

 ジンバブエの携帯電話事情について簡単に明記する。
携帯電話加入者約758万人。加入率約64.6%。ジンバブエには以下の3社がある。
年間成長率も90%以上と非常に高い。3G(W-CDMA)も導入されているが、全国で約10万加入者程度しかいない。(2010年12月現在)
まだ国土全体でのネットワークカバレッジは決して広いとは言えず、シェア1位のEconetでもまだ全土をカバーしきれていない。(下記動画参照)
ジンバブエには携帯電話事業者が3社あるが、最大手のEconetは2011年6月現在ではモバイル送金サービスを開始していない。今後、同社のモバイル送金サービスの提供にも注目したい。

1.Econet Wireless Zimbabwe
 ・シェア約66%
 ・エリクソン、ZTEがネットワーク構築
 ・Econet Holdings系の会社

2.Telecel Zimbabwe
 ・シェア約18.2%
 ・Orascomグループ

3.NetOne
 ・シェア約15.8%
 ・国営企業

【参考動画:Econetの地方でのネットワーク構築に関するニュース(2010年)と同社会社紹介(2009年)】
ジンバブエの地方でのネットワーク構築の困難さがうかがえる。

本情報は全て2011年6月23日のものである。

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