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海外情報
2008年1月掲載

この一年、海外での主な出来事

 2007年も終わり新しい年を迎えたが、昨年一年間の海外通信業界での主要な出来事を振り返ってみたい。詳細は別表に月別にまとめ、ご理解に便利なように簡単な要約をつけた。

 まず、いくつかの主なトレンドを整理したい。

(1) 米国は規制緩和、欧州は逆に規制強化

 米国では依然FCCの規制緩和の動きが目立つ。
FCCは、広帯域サービスの普及促進等のため、既存事業者の光ファイバ網等の新しいインフラへの投資のインセンティブを刺激するため、ここ数年、ライバル事業者への設備貸与義務の免除や、Verizonについて競争の進展した地域での支配的事業者の義務(タリフ届出、サービス中止の事前予告、等)の軽減を行ってきた。2007年にもこの流れを定着させて、次のような規制緩和を打ち出している。

  • ベル系地域電話会社の長距離通信サービス提供の場合の子会社経由義務 (内部相互補助による不公正競争防止のため会計の透明性確保の目的)の廃止
  • Verizonに続きAT&Tにも、広帯域設備等関係の料金規制等の義務からの免除。

 これに対して、欧州では、EU(欧州委員会)が逆に規制強化の色彩を強めている。広帯域サービスの早期普及という大目標では米国と共通でありながら、規制を強化することでその実現をプッシュするとしている。インフラ部分とサービス提供部分を二つに切り分ける方策も検討している。
さらに、EUは、加盟各国バラバラな規制を廃止して、通信規制はEUに吸い上げ一本化するというドラスティックな方針まで出されている。

 欧州ではもともと加盟各国の規制とEUの規制が屋上屋だとの指摘もあり、EUはそのレーゾンデートルに賭けても、規制の実績を喧伝しなければならない背景がある。欧州の「統合の深化」という錦の旗印からしてもこうした規制の一本化などが主張され易い事情もあろう。しかし、こうしたEU当局の方向に対して各国の規制当局(Ofcom等)と事業者(DT, FT等)は懸念を抱き、反対している。

(2) 米国では、二大電話会社のテレビ事業への進出が前進し、ケーブル会社との競争が激化

 米国では、2006年12月に新AT&T(元SBC)が同僚のBell Southを併合して、ベル系電話会社の合併統合が行き着くところまで行き着き、1996年当時は7社だったベル系電話会社も、AT&T、VerizonおよびQwestの3社となった。Qwestは営業区域が山岳地帯のうえ、規模も小さく、経営も苦しく、いずれはどこかに買収されるとの見方が多いが、AT&TとVerizonの超大型2社は、巨額の設備投資でビデオ事業に注力し、ケーブル会社も「本物で脅威だ」と言い出すほどに高成長を遂げつつある。

 AT&Tは、2007年初めに、「年末までに800万の家庭の申し込みに対応できるようにする」と表明したものの、インターネット方式のIPTVを採択し、さらにFTTN(顧客近くのnodeまでは光ファイバだが、last mileは銅線)方式のため、技術的なトラブルに悩み、まだ思うに任せないが、Verizonはケーブル・テレビと類似の技術でFTTH(顧客宅まですべて光ファイバ)方式であり、かつ、ケーブル会社同様のフランチャイズ免許取得に早くから動いたことが奏功して、2007年6月末には約500,000の顧客を獲得し、その後も毎日2,600の新規顧客を獲得し続けている。この分では2008年末に200万の顧客を獲得すると見るアナリストもいる。ネットワークの建設もハイペースで、2007年末には9百万世帯の申込に応じられる体制となると発表している。

 ケーブル会社のほうもSprint/Nextelと提携して通信分野に乗り出しており、いわゆる「トリプルプレイ」、さらには携帯電話も加えた「カドラップルプレイ」で、電話会社とケーブル会社の戦いが山場を迎えつつある。FCCがVerizonやAT&Tの規制を緩和しつつある背景にも、こうした電話会社とケーブル会社の激しい競争があるからである。

(3)元気な巨大二大電話会社の多様な戦略

 米国のAT&TとVerizonの二大電話会社は、テレビだけではなく、いろいろな新しいサービスを次々に市場に出したり、バンドルにしたり、Google等のインターネット関連会社と提携したり、実に多様な活動で着々と成果をあげている。各月に両社のこうした新しい動きをまとめておいた。

(4) 米欧事業者ともにグローバル進出の意欲、再発か

 1990年代終盤に吹き荒れた通信企業の買収、合併の動きは、「規模の経済」への信仰から熱病のように流行した。「グローバルな舞台で将来生き残るのは
僅か3-4社の一握りの企業だけだ」とのコンセンサスが原動力となり、大手事業者の海外進出も盛行した。それが2000年頃から一転して「通信不況」で多くの新興企業が倒産に追い込まれ、大手も業績が大幅二悪化、海外進出もAT&TとBTの国際JV(Concert)の清算に象徴される事態となった。ベル系電話会社も欧州のBT, DT, FTも海外事業を縮小、断念に追い込まれた。「アツモノに懲りナマスを吹く」たとえで、いずれもが国内で地道に事業基盤の回復に注力する時代となった。

 それがこのところ、米欧の事業者ともに、CEOが相次いで「海外進出の意欲」を述べ始めている。BRICS諸国への進出が相次いでいるほか、イタリアやカナダでも大手事業者の所有者も変わっている。

(5) FCC、ユニバーサル・サービス制度を活用。広帯域サービスも補助対象に。
地方の診療所での広帯域利用促進を狙うパイロット・プログラムを立ち上げ。

 FCCは、ユニバーサル・サービス制度の対象に、これまでは「ぜいたく品」と看做され除外されてきた広帯域サービスも含める方針を明らかにした。FCCのCopps委員は、「まさに革命的な出来事だ」としている。

 また、6,000にのぼる地方の病院、研究所、大学、診療所を広帯域ネットワークで結び、その費用としてユニバーサル・サービス基金から417百万ドルの助成金を支給する3か年のTelemedicineパイロット・プログラムを立ち上げた。

【別表】

年月 出来事
2007年
1月
  • AT&TによるBell Southの合併
    (合併後の新会社には、被合併のBell SouthからはCEOをも含め3名のみが役員として参加する。)
  • VerizonのFiOSテレビ、進出快調
    (NJ州だけでも既に106のコミュニティに進出)
  • AT&TもIPTVを年末までに800万家庭のカバーを目指す
    (CEO Ed Whitacreは、AT&TのIPTVであるU-verseサービスを年末までに800万の家庭の申し込みに対応できるようにすると表明。)
  • BTの広帯域顧客、1,000万に
  • Vodafone、世界で加入者数2億を達成
    (Vodafoneは、加入者数2億達成を公表した。3Gの高度サービスも1,360万を達成したとしている。)
2月
  • FCC、ベル系電話会社のQwestに対し「支配的事業者の規制」を一部「差し控え」
    (FCCは、Qwestに対し、「長距離通信サービスを子会社を通じて提供すべし」とする1934年通信法第272条の適用から外し、地域通信等と一体化した形で提供することを許可。一部の支配的事業者の規制から外し、タリフの届出等の義務からも救済。)
  • VerizonのFiOSテレビ、687,000の顧客を獲得
    (FiOSは200の都市で240万の家庭の申し込みに応じられる体制)
  • Vonageの顧客獲得、スローダウン
    (テレコムとケーブルの両市場の事業者がVoIPを広帯域インターネット・アクセスおよびテレビとバンドルして売り込む競争にさらされている。)
  • Telstra、豪政府の広帯域インフラでの強制に反発
    (政府が広帯域インフラの競争事業者への解放を義務づけることに反対するキャンペーンを開始。現行のルールでは競争事業者がTelstraのネットワークにコスト割れの事業者間料金で相乗りすることになるとして、広帯域設備への投資を手控え。)
  • ポルトガル・テレコムもIPTVのパイロットサービスを開始
    (Portugal Telecom SGPSユの固定電話部門は、IPTVを5ないし6月にいくつかの都市で開始する。このパイロット・プロジェクトは約100チャンネルを提供する計画。)
3月
  • FCC、ビデオ市場への(電話会社等の)新規参入者のための合理的なフ免許(フランチャイズ)付与手続を採択
    (郡、市町等がケーブル事業者に付与する現行のフランチャイズ手続を簡素化し、審査期間の限定や反競争的なフランチャイズ処理を禁止する規則を制定。ケーブル料金の高騰の防止とケーブル事業者の独占の打破を狙う。ただし、伝統的な連邦と州以下の権限の分割に抵触する越権との批判も。)
  • FCC、ケーブル会社Time Warnerの「電話事業で既存地域電話会社に相互接続を求める申請」を承認
    (Time Warnerは、通信会社のMCIやSprintから卸売で買ったものを土台にVoIPサービスを提供しているが、MCIやSprintも地域電話会社から買ったものを転売していた。)
  • FCC、無線方式の広帯域インターネット・アクセス・サービスを「情報サービス」と認定。
    (他の広帯域サービスとの規制面での整合性を保ち、「電気通信サービス」より軽い規制を確保。)
  • 世界最大の通信会社AT&Tの規模
    (2006年末にBell Southを併合し、世界でも最大の電話会社となったAT&T。その規模は、固定電話 6,650万、携帯電話 6,100万、広帯域顧客 1,200万、地域電話サービス 22州、従業員 30.2万、時価総額 2,427.7億ドル)
  • AT&TのWi-Fi事業、好調
    (AT&Tは、そのWi-FiサービスであるSBC FreedomLinkをAT&T Wi-Fiと改称したが、そのホツトスポットは79か国で48,000td)もの箇所に。エンドユーザーのVPN接続を容易にするAT&T Global Network Client softwareを発表。)
  • Telstra、公衆電話ボックスもWi-Fiなどに活用
    (Telstraは、携帯電話の普及にもかかわらずWi-FiやSMSなどに今後も公衆電話網を活用していく方針。ブースに広告媒体としての価値を付加するようデザイン替えも。)
  • カナダでも電話番号ポータビリティ制度が発足
    National Post (2007/3/1)
    (カナダでの番号ポータビリティ制度が3月14日から開始されるのを控えて、事業者は顧客の繋ぎとめのため、新料金プラン等のインセンティブで競争)
4月
  • FCC、広帯域サービスの普及促進のための改善措置に乗り出す
    (広帯域サービスが安価にタイムリーに提供されているかについての調査、および今後の政策の策定のために必要な情報の収集方法に関する調査)
  • カナダ政府、電話事業の規制緩和へ
    (電話市場での規制緩和を4月18日以降に打ち出す。3社以上の自前ネットワーク所有の事業者がいるローカル市場では、規制緩和が行われる。東部ではBell CanadaとBCEの子会社、また西部でもTelus(Vancouverが本拠)が君臨)
  • 民主党多数の議会との困難な調整に悩むFCC
    (下院電気通信小委員会に5名の全FCC委員を召喚して、民主党のJohn Dingellは委員たちを叱責。テレビ・フランチャイズ問題、メディア所有の問題、消費者の苦情処理、電話会社の巨大合併、懸案処理の遅れ等)
  • AT&TのCEO、退任を発表。COOが後継者
    (Bell Southをも併合してAT&Tを最大の通信会社としたEd Whitacre CEOは6月に退任すると発表した。後任はCOOのRandall Stephenson)
  • AT&Tのビジネス展開、順調
    (1.Telecom Italiaの親会社に出資を検討。初の欧州への進出。
    2.海外展開に意欲
    COOのRandall Stephensonは、アジア、中東さらには欧州も、われわれの関心を引いている」と述べた。
    3.ロサンゼルスでもU-verseテレビ・サービスを開始へ。Time Warner Cableとの競争へ。
    4.iPhoneの立ち上げも順調 5.無料のHDお試しテレビ番組
  • Vonage苦境
    (1.紛争中のVerizonの特許に触れない新たなテクノロジーを模索しているが、その難問に加え、ケーブル会社との競争でも苦闘。昨年末現在、インターネット電話市場では、ケーブル会社が65%を抑え、Vonageは23%どまり。2.Vonageのトップ退任へ。人員削減とコスト削減計画も同時に発表)
  • 米国政府の480億ドルの通信サービス巨大契約、AT&T、Verizon、Qwestの3社へ(米国政府の480億ドルにのぼる今後10年間の電気通信サービスの契約Networx Universalは、AT&T、Verizon、Qwestの3社にゆき、Sprintは選から漏れた。3社は今後135の各省庁からの個別の契約の獲得で競争することとなる。)
  • 欧州委員会、ローミング料金に最高額の規制
  • EU当局、Telecom Italiaの固定電話事業分離の動きに懸念
    (外国の事業者等が買収から除外されることのないように確認したいとしている。)
5月
  • 米国最高裁、「ベル系電話会社の相互不可侵協定」密約の提訴を棄却
    (消費者団体が提訴していた「ベル系電話会社等の大電話会社は、密約で、相互の営業区域には進出せず、地域電話や高速インターネット・サービスで競争することを差し控える共同謀議をしている」との反競争的行為の申し立てを、7対2で却下)
  • AT&Tの活発な活動
    (1.インターネット電話と携帯電話をバンドルして2地域で販売へ 2.ロサンゼルス地域でもテレビ事業を開始 3.AT&T、iPhoneの独占的流通窓口に)
  • Verizonも活躍
    (1.携帯電話で好調。第一四半期に170万の新規顧客を獲得し、6,700万に達した。
    2.四重プレーを今年中に展開 3.28の大都市で移動テレビ・サービス)
  • 地方自治体主体のWi-Fiプロジェクト、苦境に
    (思ったほど加入者が集まらず、技術面での難問にも直面している。カバーするエリアも構想より下回り、そのため顧客も集まらないため、収支が苦しいという悪循環に直面)
  • BCEの買い手3者に
    (Bell Canadaの親会社であるBCEの買収を希望するのは少なくとも3者となった。エクイティ・ファンドのCrerberus CapitalともBCEが協議を開始。カナダの法律により、投資者の50%はカナダ人でなければならない。)
  • テレコム・イタリアの経営権、Telefonica等のグループに
    (Telecom Italiaの経営権は、Telefonicaをも含む企業グループに55.8億ドルで移管された。Telco SpAという新会社がTelecom Italiaの運営のために設立される。)
  • 中国、WCDMAおよびCDMA2000も3G標準に追加
    (自国で開発したTD-CDMAに加えてWCDMAとCDMA2000も3Gテクノロジーとして承認。2008年の北京オリンピックまでに3Gテクノロジーの定着を狙う。)
6月
  • 米国政府の通信網改善にAT&T等5社を選定
    (米国政府は、その電気通信サービス網の改善のために今後10年間で200億ドルの投資を予定しているが、そのためにAT&T、Level 3、Qwest、VerizonおよびSprint Nextelの5社を選定。これは連邦政府の電気通信サービスの改善のためのNetworxプログラムの第二部分に相当するもので、Sprint/Nextelもようやく選定された。)
  • 州単位一本でのビデオ免許法制、あらたに2州で
    (Georgia州でもビデオ新法。Ohio州でも州単位のテレビ免許制へ。)
  • Verizon関係
    (1.FiOSテレビ事業、順調
    VerizonのFiOSテレビの加入者数、500,000加入に迫る。既に300万の家庭で申込可能
    2.Verizon、FiOSサービス利用のHDビデオ・オン・デマンド・サービス近い。)
    3.Verizonの光ファイバ網も順調に拡大
    今年、その超遠距離光ファイバ網計画(ultra long haul network)にさらに6,000マイルを追加する計画であり、これが実現すれば、50,000マイルの米国中の全光ファイバ網計画の半分を達成することとなる。)
  • iPhone米国で発売開始。好調
    (AppleのiPhoneがいよいよ米国市場に登場し、最近にない活況)
  • AT&TのCEO、「iPhoneは戦略上重要」
    (AT&Tの戦略は家庭での通信のすべての局面を「所有すること」であるとし、IPhoneがこの戦略の核心となると表明)
  • Verizon、iPhoneに対抗意欲
    VerizonのCEOのSeidenbergは、iPhoneとその販売代理のAT&Tに対抗してV Cast musicやV Cast TVが十分に競争できると確信している。さらに、iPhoneは以前Verizonのsmartphoneやデータ・サービスを断念した顧客の触発効果があると信じている。
  • AT&TのCEO、Vodafone買収の動きを否定
    (Randall Stephensonは、AT&TがVodafoneの買収を目指しているとの噂を否定し、「欧州では大口の買収の意図はない」としたが、小口の買収はありうるとした。)
  • Bell CanadaとTelusの合併交渉
    (両社が合併交渉との報道(NY Times)もあったが、Telusは、期限ギリギリにBell Canadaの買収提案はしないと発表)
  • EUのローミング料金の上限、6月30日に発効
    (欧州でのローミング料金は70%もの値下げ。最高限度額は、分あたり発信でEUR0.49、着信はEUR0.24でさらにVATがかかる。)
  • EU、高速インターネットの競争からDTを守る独政府の法律で法的措置へ
    (EU裁判所は、DT(独テレコム)がライバル事業者に高速インターネット網を開放しないでもよいとする法律の改正を独政府が拒んだため、法的措置を考慮)
  • DT、途上国への進出観測を否定
    (ドイツ・テレコムのCEOのRene Obermannは、インフラの貧弱な途上国への進出の差し迫った計画はないとした。さし向きは既存の市場での努力を優先するという。)
  • 仏政府、FTでの持分の一部を売却へ
    (仏政府は負債削減のため、仏テレコム(FT)での持分を売却すると財務省が発表した。5%程度の見込みであるが、市況がよければ7%程度まで増やす考え)
  • オーストラリア政府、広帯域サービスの普及のために補助金
    (豪州政府は、全土にわたる高速広帯域サービスの展開のための補助の増額を検討している。また、FTTNの建設のためにタースクフォースを創設)
  • QwestのCEO、辞任を発表
    (QwestのCEOのDick Notebaertは、家族との時間を増やすため辞任する意向を表明。後任が決定するまでは留任。)
  • Motorola、さらに4,000名のレイオフ
    (Motorolaは、先に3,500名のレイオフを発表していたが、今回さらに4,000名の追加レイオフを行うとした。収益回復のためのコスト削減の一環)
7月
  • FCC、デジタル・テレビへの完全移行で、テレビ局用だった700MHz帯の再利用構想---公安当局と民間部門が有事に協同パートナーシップ---
    (698-806MHz帯は現在テレビ事業者が用いているが、デジタル・テレビ(DTV)への移行の結果、公安当局と商用サービスなどの他の無線サービスに解放される。無線方式の新らしい革新的な消費者むけの広帯域サービスの開発、利用を促進)
  • EU、電気通信規制を各国から集約する動き
    (EUは、電気通信の規制を各国レベルから吸い上げて集約する動きを始めた。加盟各国の事業者は、長年の歴史のある企業の解体やインフラ投資能力の妨げになると懸念している。)
  • AT&T、最初の都市型Wi-Fiプロジェクトを立ち上げ
    (AT&Tは、Riverside, Calif.で、最初の都市型Wi-Fi広帯域無線インターネット・サービス・プロジェクトを立ち上げた。)
  • Verizonの事業も好調
    (1.Verizon Wirelessの加入者数6,210万に 2.FiOSサービス好調。FiOSインターネット・サービスは20万、FiOSテレビ・サービスは16.7万の新規顧客を獲得)
  • VerizonのFTTH、100万に。FiOSテレビは50万に。収益面で貢献開始
    (テクノロジー担当役員、AT&TのFTTNに対する優位性を主張。Verizon方式を批判する者たちは「FTTHは180億ドルも余分な設備投資が必要だ」としているが、Verizonは長期的に見ればFTTHが正しいと主張)
  • BTはFTTCを選択
    (BTのChristopher Bland会長は、広帯域のダウンロード 速度を40-50Mbpsにあげるため、fiber-to-the-curbの展開を考えている。展開の時期等についてはまだ明確な計画はないが、FTTHではなくFTTCに傾いている。)
  • EU、GSM携帯電話専用の無線周波数の解放を検討
    (無線テクノロジーの発展のため、これまでGSM携帯電話専用だった周波数の制限の撤廃を検討している。顧客に自由に無線事業者を選択できるようにし、また、無線ネットワークのカバー地域の拡大を目指す。)
  • バンドル・サービスで消費者はケーブル会社よりは電気通信会社を選択
    (Cloes Fornell International Groupによる調査では、バンドル・サービスでは現状ではケーブル会社がリードしているが、消費者は、ケーブル会社よりも電気通信会社のサービスを選択する傾向がある。顧客満足度で電気通信会社が勝っているのがその理由)
  • OECD、世界各国での広帯域サービスと料金を比較
    (世界各国の現状を調査集約。光ファイバに依存する国が最高の伝送速度。1秒あたりのメガバイトあたり料金は日本が最低で22セントに対し、最高はトルコで81.13ドル。米国では最低が3.18ドル。)
  • Comcast、携帯電話サービスを西北部で開始
    (CATV事業者のComcastは、Sprintと提携してOregon州で開始しているその携帯電話サービスPivotを、Washington州西南部とOregon州にも拡大開始)
  • Telefonicaの業績も好調
    (スペインのTelefonicaの年前半の業績は、予測を上回る好調で、利益は前年同期を66%上回る52.3億ドルを計上した。家庭の広帯域サービスと携帯電話事業が好調の主因。)
  • Bell Canadaの買収決定
    (Providence Equity PartnersとMadison Dearborn Partnersである。Ontario教員年金基金も参加する。規制当局の承認が必要)
8月
  • FCC、ベル系電話会社に対する長距離通信事業とローカル通信事業を分離する時代遅れの義務を廃止
    (これまでの古い枠組では、BOCがそのローカル通信事業と長距離通信事業とを分離することを義務づけていたが、これら二つのサービスが最近ますますバンドルされた形で市場に提供されるようになりつつある以上、こうした古い制度はおかしなものとなっており、既存のローカル電話交換事業者(既存のLocal Exchange Company;LEC)による区域内発信長距離通信サービスの提供を規制する新たな枠組を創設)
  • FCC、ローミングを携帯電話事業者の義務の一つとして明確化
    (商用移動無線サービス(CMRS)事業者のローミングの義務を明確化し、自動的ローミング(automatic roaming)はCMRS事業者の電気通信事業者としての義務であるとした。「自動的ローミング」は、携帯電話顧客がそのホーム・カバー地域でと同様に、電話番号を入力して「送信」ボタンを押すだけで(他の地域でも)ローミングができるようにすること)
  • FCC、700MHzのオークションの日付をセット
    (FCCは700MHz帯のオークションの開始日を1月16日と決定した。最低でも100億ドルの国庫歳入となろう。)
  • AT&Tの動き
    (1.AT&T、アジア・太平洋地域への投資を1億ドル追加、850百万ドルに 2.AT&TのU-Verse事業、Best Business Strategyの評価を受ける)
    (Forest & Sullivanの子会社のStratecastは、AT&Tのテレビ事業U-VerseをBest Business Strategyと評価)
    3.AT&T、教育サービス会社から巨額な広域ネットワーク(wide area network)契約を獲得。700サイトをカバー。
    4.AT&T、中小企業顧客を対象にVoIPへの移行促進を狙う
  • Verizonの動き
    (1.Verizon、DSL料金を生涯一定額で固定。768kbpsと3Mbpについてそれぞれ14.99ドルと27.99ドル)
    2.卸売サービスの一環として、ニューヨーク都市部の他の事業者に必要分だけ設備を利用させるBandwidth on Demandサービスを開始)
  • Qwest、新CEOにEdward Mueller。規定路線を承継。
    (Qwestは、Richard Notebaertの後任CEOとしてEdward Muellerが就任。彼はかってSBCの役員でもあった。当面は既定路線を承継し、買収などは行わないとしている。)
  • Sprint/Nextel、WiMAX建設に多額投資。2010年に1億人バー可能に。
    (Sprint/Nextelは、2010年までにWiMAXネットワーク建設のために50億ドルの投資を計画し、完成時には1億人のカバーを狙っている。また、そのWiMAXサービスの商標名をXohmとした。)
  • Vonageの顧客増加速度低落。ただし売上高は急増して赤字は半減
    (Vonageはこの四半期に顧客増はわずか57,000にとどまり、VoIP事業者の首位をComcastに譲った。しかし、売上高は206百万ドルに急増し、純損失も50%以上減って34百万ドルとなった。)
  • 米国の都市のWi-Fi網、失速。胸突き八丁。
    (1.米国の都市のWi-Fi網、期待はずれ。米国では415の都市が都市主導のWi-Fi網を建設中ないし計画中であるが、一部の企業は再検討などに向かっている。一部の地域では、当初計画の楽観的な顧客見込みを大幅に下回り、わずか1-2%程度しか契約が取れていない例もある。
    2.都市全域カバーのWi-Fiプロジェクト、難題に直面し、コスト増、予想外のコストの発生や、丘陵による電波障害、等に悩む。
    3.Chicago市、自治体Wi-Fiネットワーク構想をキャンセル
    4.EarthLink、自治体Wi-Fi事業を縮小へ
  • SkypeのVoIPの大規模障害
  • Alltelの株主 、買収を承認
    (TPG CapitalおよびGS Capital Partnersが提案している247億ドルの買収プランに対し、Alltelの株主 は97.1%の高率で買収を承認)
  • 米国のテレコム事業者の広帯域事業は順調。2,640万の顧客数に到達
    (Leichtman Research Groupの調査によれば、米国のテレコム事業者は第二四半期に92.5万の広帯域新規顧客を獲得し、総数は2,640万に。)
  • オープン・ソースのVoIPの夜明け
    (Open-sourceのVoIPシステムの研究開発が進みつつあり、米国の一部の大学では教授陣やスタッフの間で既に利用され始めている。)
  • EC、T-MobileによるOrange Nederlands(FT系列のオランダの携帯電話事業者)買収を承認
  • BT、BT Vision(IPTVサービス)に収入増を期待
    (BTは、既存の広帯域顧客に新たなサービスを売ることで収入増を図るべく期待している。ハイブリッドのIPTVサービスであるBT Visionは、VODのライブラリから番組を提供しつつ、空きチャンネルを探すもの。数百万の顧客を期待している。)
  • DTの動き
    (1.DT(独テレコム)、トリプル・プレイの料金を値下げ、集客強化を狙う。
    2.DTの携帯電話事業、好調。T-Mobile USAが857,000の新規顧客を獲得)
  • FTの動き
    (1.IPTV顧客が好調に増加。年初は577,000だったのが6月末には837,000に増加。 2.ベトナムの国有携帯電話会社での持分取得を検討。ベトナム政府は、来年から外国企業が国内企業とJVを形成することを認める動き。)
  • Vodafone、米国Wirelessでの持分を手放さず
    VodafoneはVerizon Wirelessの45%持分を保有しているが、木曜日までにVerizon Communicationsにその100億ドルの持ち分を売り戻すオプションを行使せず、保有し続けることとした。
  • Telstraの後半期の利益増51%。インターネットと携帯電話事業が顧客貢献
    (携帯電話とインターネットの両事業が貢献。また次世代ネットワークには100万の新規顧客が契約した。)
  • 欧州のIPTV,230万に
    (欧州のIPTV加入者数は230万になった。DT、Telecom Italia、VodafoneはIPTV商品の拡販のため新しいプランを発表する見込み)
  • Ofcom、Ultra-Wideband事業にgoシグナル
    (英国の規制当局のOfcomは、免許不要の低出力Ultra-Widebandを利用する機器の使用を認めることとなった。新しい革新的なサービスの出現に期待するとしている。)
  • Ofcom、Ultra-Wideband事業にgoシグナル
    (英国の規制当局のOfcomは、免許不要の低出力Ultra-Widebandを利用する機器の使用を認めることとなった。新しい革新的なサービスの出現に期待するとしている。)
9月
  • 米国のユニバーサル・サービス、広帯域サービスも対象へ
    (高コスト・ユニバーサル・サービス助成に関し新たな見直しを行っている連邦/州合同委員会は暫定的に、広帯域サービスも加えることについて合意に達した。)
  • AT&Tの動き
    (1.U-verseテレビが好調。
    AT&Tは今年、3,000でスタートしたが、いまや100,000件を超えた。双方向サービスやハイ・デフィニション・チャンネルの追加などが奏功
    2.AT&T、グローバル進出に意欲。
    このほどSlovakiaに要員を派遣。今年、グローバル・ビジネス拡充のために7億5千万ドルを投資する計画。)
  • Verizonの動き
    (1.FiOSテレビ、顧客満足度で第1位 
    2.IPv6のサービス開始計画固まる。
    IPv6の世界中での展開計画を18か月以内に完成。米国内のネットワークは2008年に完成し、次いで2008-2009年に欧州およびアジア太平洋地域に展開。 
    3.FiOSテレビ、12州でサービス提供。)
  • FCC委員長、早期解約料金の妥当性を検討することを示唆
    (FCCのMartin委員長は、顧客がサービスをキャンセルした場合にケーブル会社や電話会社が課している早期解約手数料の妥当性を検討すべきであると述べた。)
  • FCC、M2Z社の無料広帯域網の提案を却下
    (FCCは、M2Z社が提案していた無料の無線広帯域ネットワークの提案を却下した。これは公共用の電波の一部を利用するもの。FCCは、将来は認可されることもありうるとした。)
  • ITUの統計では、世界の電話は40億に
    (ITUが発表した統計によれば、世界の電話はこの10年間に4倍となり、40億回線となった。固定電話が12.7億回線、移動通信回線が26.8億回線となっている。移動回線の61%は途上国。)
  • ITU、規制が電気通信の発展を阻害しているとの報告書
    (ITUは、変革の遅い規制当局が世界中でテレコムの発展を阻害しておりグローバルな情報社会の実現にダメージとなっているとする報告書を発表)
  • 米国司法省 、インターネットの規制に警告
    (司法省 独禁局長は、「規制当局者は、インターネットの規制にあたり、広帯域設備への投資や消費者の選択を制限する恐れがある場合は、慎重に」と述べた。)
  • 共和党の一部上院議員、インターネットへの課税禁止の永久化を求める
    (共和党の一部の上院議員、インターネット・アクセスへの課税を永久的に禁止する措置を求め始めた。現在のインターネット課税のモラトリアムは11月1日で期限切れとなる。)
  • 米国政府の通信増強計画Networx Universal動きだす
  • Ofcom、英国での将来の広帯域の在り方で諮問を開始
    (Ofcomは「次世代アクセス(Next Generation Access)ネットワーク」に関する諮問を開始。英国での将来の広帯域の在り方をテーマ、BT, Carphone Warehouse, British Sky Broadcasting, Virgin Mediaなどが参画。)
  • 英国政府、広帯域インフラのための民間投資の促進に乗り出す
    フィナンシャル・タイムズ(2007/9/18)
    英国政府は「超高速」広帯域ネットワーク建設のための民間部門の投資を勧奨する方策を検討し始めた。競争力増強副大臣(minister for competitiveness)のStephen Timmsが言明した。
  • EU、携帯電話関係の事業者間料金の標準化を検討
    フィナンシャル・タイムズ(2007/9/16)
    (EUのViviane Reding メディア担当委員は、携帯電話ネットワークに関係する欧州の事業者間の料金を標準化する新ルールを検討。携帯電話の終端料金と固定網電話会社が課している定額の料金との一体化を示唆)
  • カナダで民間部門起草のテレコム改革法案。規制当局トップも賛意。
    (民間の法律家が起草したカナダのテレコム改革法案が規制当局トップの賛意を得た。Bell CanadaとTelusも資金的にバックアップしている。カナダで民間部門起草の法案が出されるのは最初)
  • Bell Canada、披買収案で株主 の承認を得る
    (株主の97%が賛成)
  • Bell Canada、披買収案で株主 の承認を得る
  • iPhone関係
    (1.iPhone、百万台繰り上げ達成  2.英国でのiPhone販売権をO2に   3.FT、iPhoneの仏での独占販売権を取得  4.DT、iPhoneの独での独占販売権を取得)
  • Google、太平洋ケーブルに投資か
  • Alcatel-Lucent、業績予測を下方修正
    (Alcatel-Lucentの売上高は、ごく僅かの伸びでほぼ横ばいとなった。成長目標を達成できないでいるが、同社のCEO Patricia Russoは、うまくゆきつつあるとし、合併後の一体化やコスト削減を一層加速するとしている)
  • DT、オーストラリアの広帯域ネットワークに参加の意欲
    (独テレコムは、TelstraやOptusが主導するG9コンソーチアムと提携して来るべき豪州広帯域ネットワーク・プロジェクトに応札する意向を明らかにした。)
  • TeliaSonera、規制回避のためかインフラ別会社を創設か
    (TeliaSoneraは、第四四半期に銅線と光ファイバのネットワークを運営する新たなインフラ会社を設立することを検討中。スウェーデン政府が、最近、固定網事業をその他の事業から切り離すことを求める法案を提起しており、今回の同社の計画は、こうした法律を不要にすることを狙っている。)
10月
  • Verizonに続きAT&Tにも、広帯域設備等関係の料金規制等の義務からの免除。弾力的な料金設定が可能に
    (Verizonは2004年12月に、広帯域設備等のUNE義務からの救済に加え、「ケーブル会社の通信事業への進出や携帯電話からの競争も進展したこと」を理由に、これらの諸義務や「支配的事業者」としての加重された義務の適用の「差し控え」をFCCに申請した。FCCは、2006年3月に、FTTH, FTTC等の広帯域サービス等に限定して、この申請を審査期限切れの形で不作為で承認している。今回FCCは、AT&Tからの同様な申請を作為の形で大筋承認した。これでVerizonやAT&Tは、主として大企業等が利用しているspecial accessや、FTTH, FTTC等の広帯域回線等でのサービスについては、タリフ作成/公示義務等から外し、個別契約等で弾力的な料金等の利用条件の設定が認められることとなる。)
  • FCC、周波数オークションを多少延期。オークション規則を発表
    (FCCは700MHz帯の62MHzを100億ドル以上でオークションに付す準備をしているが、このほどその実施規則を発表した。ただし開始期日を1月16日から1月24日に延期)
  • FCC、アパートを競争に解放する措置
    (FCCはケーブル会社がアパートの所有者と排他的な契約を締結することを禁ずる新たな規則を採択)
  • 連邦控訴裁判所、DSLは(電気通信サービスではなく)情報サービスであるとするFCCの認定を支持
    (FCCが2005年に行った認定を連邦控訴裁判所が支持した。FCCは、規制の重い「電気通信サービス」と規制の軽いコンピュータ/インターネット等の「情報サービス」に区分しており、DSL等の有線方式の広帯域サービスは「情報サービス」であると認定していた。裁判所は、「FCCの認定は、米国民のために有益な決定であり、消費者の肩を持った政策であり、正しいものであり、今後も引き続き存続すべきものである」とした。)
  • インターネット課税禁止法案、下院全会一致で可決、大統領署名へ
    (下院は全会一致でインターネット・アクセスへの課税モラトリアムをさらに7年間延長する法案を可決し大統領に送った。大統領も署名する見込み)
  • AT&Tの動き
    (1.AT&T、第三四半期の業績、好調。AT&Tの第三四半期の利益は41%伸びて30.6億ドルに達し、売上高は301億ドルとほぼ2倍となった。携帯電話顧客からの収入、送受器の販売収入、最近の企業買収が貢献している。同期に高速インターネット・アクセス回線は499,000の新規回線を獲得し、ビデオ事業でも215,000の新規顧客を獲得した。
    2.AT&T、インターネット電話もバンドルへ。インターネット電話も料金バンドルに組み込むことを計画。これまでの電話をVoIPで置き換えることでネットワーク運営コストの低減を目指す。
    3.AT&T、インドで免許取得を狙う
    A&Tは、Mahindra Telecommunications Pvt. Ltd.と組んで、インドの免許取得を狙っている。取得できれば、22 circlesすべてで電気通信サービスの提供が可能となる。
    4.AT&T、携帯電話の期限前解約金を改定
    契約期限前に携帯電話を解約した場合、これまでは定額の料金を課していたのを改め、残りの期間に応じた料金に改めた。また、サービス・レベルを変更した顧客に契約期間を延伸してきたが、これも廃止する。)
  • Verizonの動き
    (1.Verizon Business、衛星通信サービスを開始。新たにGlobal Broadband Access serviceを開始。Inmarsatと契約し、衛星電話機とアクセス・タイムを販売する。このシステムは、セルラー・データ・サービスのバックアップを狙っている。
    2.固定電話と携帯電話をバンドルした料金プラン
    Verizonは、固定電話と携帯電話をバンドルした料金プランを開始した。月額60ドルで固定電話のローカルおよび長距離通信は無制限、携帯電話は200分が含まれる。さらに家庭から顧客の携帯電話への通信は無料。
    3.Wireless、iPhoneのライバル版を発表
    Verizonは、iPhoneのライバル機種となるVoyagerを含む3種の新型送受器を発表
    4.Verizon Wireless、AAA(American Automobile Assn.ドライバーズ・クラブ)と提携
    Verizon WirelessはAAAと提携して、新サービスを開始。VWの顧客にGPS利用可能な携帯電話機を提供し、路上サービスの利便を図り、ビジュアル/オーディオのドライビング・アドバイスを提供。また、AAA推奨の観光スポット等の案内もできる。月額9.99ドル。
    5.FiOSテレビの普及で前進
    FiOSテレビは今年末までに900万家庭からの申し込みに対応できるようになり、さらに2011年までにその2倍も可能とした。音声、ビデオ、データ、無線等の様々なサービスのプラットフォームとなりうるとする。)
  • Sprint/NextelのForseeCEO退任
    (Sprint/Nextelの会長兼CEOのGary D. Forseeは月曜日に退任した。財務業績で役員会に不満。CFOのPaul Salehが代理執行役員となった。
    CEOの辞任で、Sprint/Nextelの50億ドルもの広帯域ネットワーク建設構想の見直しがなされるかもしれない。)
  • Sprint/Nextel、ワシントンやシカゴでXohm WiMAXサービスを来年4月に開始へ
  • Alcatel-Lucent、4,000名削減へ
    (Alcatel-Lucentは、3・四半期連続の赤字もあり、さらに4,000名を削減し、総削減数を16,500名とする計画を発表した。CFOや北欧州地域長も退任する。)
  • 中国、新米中海底ケーブルの敷設を開始
    Forbes/AP (2007/10/23)
    (中国と米国を結ぶ5億ドルの海底ケーブルの建設が月曜日に始まった。現在、日本経由の同区間ケーブルの容量の60倍で、2008年のオリンピックに先駆けて7月には完成する。)
  • Telecom Malaysia、固定電話と携帯電話の事業を分離へ
    (Telecom Malaysiaは、固定電話部門と携帯電話部門を分離することを計画している。一方で、ローカルと国際の携帯電話運営を一体化する。)
  • Vodafone、スペインとイタリアでTele2の事業を買収
    (Vodafoneは、スペインとイタリアでTele2の固定電話および広帯域事業を11億ドルで買収することで合意に達した。Tele2は、携帯電話事業に重点を集約しつつある。)
  • Vodafone CEO、アジア等での成長に注目
    (VodafoneのCEOのArun Sarinは、アジア、とくにインド、トルコ、中国での同社のプレゼンスの強化に関する大きな計画を持っている。また、アフリカや米国でも成長を狙い、Verizon Wirelessでの現在の持ち分を増やすことを希望)
  • ITU、WiMAXを3G標準として承認
    ウオールストリート・ジャーナル(2007/10/19)
    (ITUはWiMAXを3G通信の一つの標準として承認した。これで事業者はこのテクノロジーを採用する道が開けた。)
  • DT(独テレコム)、海外買収に意欲
    (DTのCFOのKarl-Gerhard Eickは、適切な機会があればDTは米国やその他の国でさらに買収を進めることにやぶさかではないと表明。DTの子会社は現在スロベニヤでTelekom Slovenijeの買収の準備をしている。)
  • SiemensのCEO、NokiaとのJVに不満表明
    (SiemensのCEO Peter Loescherは、NokiaとのJVに不満を明らかにした。関係者が明らかにしたところでは、2007年4月にスタートしたこのJV協定は2013年まで続くものとされている模様である。Nokia Siemens Networksというネットワーク機器メーカーについて、「われわれはNSNにはまったく満足していない」と述べた。)
  • 携帯電話事業者、「固定電話に代わる携帯電話」をプッシュ
    (携帯電話事業者側でも携帯電話で固定電話を代行する傾向を助長する動きが出始めた。T-Mobile USAやSprint/Nextelが新型電話機等の機器で固定電話に代わり、家庭でも携帯電話の利用を促す戦略をとり始めた。)
  • EU、広帯域の普及促進のためにはもっと競争が必要との報告書
    (欧州委員会は、本日、欧州での広帯域普及促進のためには、より一層の競争が必要であるとの報告書を公表した。広帯域アクセスでの域内各国間の格差が広がりつつあり、規制の関与の必要があるとしている。)
11月
  • FCC、地方の診療所での広帯域利用促進を狙うパイロット・プログラム
    (6,000にのぼる地方の病院、研究所、大学、診療所は、広帯域サービスの利用のためFCCから417百万ドルの助成金を支給されることとなる。この3か年のパイロット・プログラムにより、現在のダイアル・アップ方式に比して格段高速の回線により、診療のためのビデオや写真を遠隔地まで伝送できるようになる。)
  • EUの規制強化案に欧州の電気通信事業者が反対
    (複数の欧州の大手電気通信事業者グループが11月13日、EU規制の強化と事業者のビジネスモデルの改革を求めるプランに反対した。欧州連合のメデイア担当委員のViviane Redingは、広帯域サービスでの競争の振興と汎欧州サービスの開発促進を目的としたテレコムのルールブックの再検討を提起している。これらの事業者たちは、彼女の「他の施策で競争増進が失敗した場合には、各国の規制当局に事業者たちをネットワーク部門とサービス部門に分割する権限を付与すべきである」という主張に警戒感を持ち始めている。DTとTelefonicaなどを代表するロビー・グループのEtnoのMichael Bartholomewは、「これは極端にコストがかかる介入策である。こうした方策は主要な事業者による高速広帯域ネットワークの建設の障害となろう。なぜなら、そうした政策は、新たなアクセス・ネットワークへのリスキーな投資に対するインセンティブを減殺するおそれがあるからである」としている。)
  • Ofcomの委員長、EUの通信規制一元化方針を批判
    (英国の通信規制機関OfcomのEd Richardsは、EUがテレコム規制を一元化しても、EUを単一市場とみなし、各国のニーズを無視するなら、それではうまくいかないであろうとの寄稿を行った。)
  • 仏テレコム(FT)、EUのテレコム規制案を批判
    (FTの規制担当は、EUが提唱している電気通信規制提案に対し、電気通信事業者の新インフラや新テクノロジーへの投資インセンティブを減殺するおそれがあると批判した。)
  • 米国下院、VoIPでの緊急通信確保法案を可決。大手電話事業に911ネットワークの解放を義務づけ
    (下院は火曜日遅くにthe 911 Modernization and Public Safety Actを可決した。この法案は、通報者の位置を正確に識別できる高度化された911すなわちE911(高度緊急通信)サービスの提供をすべてのVoIP事業者に義務づけるものである。この法案は同時に、911ネットワークを所有している大手の電気通信事業者に対し、VoIP事業者がそのネットワークに接続できるようにすることも義務づけている。)
  • 米国上院、インターネット課税禁止法案を可決。大統領も署名。
    (上院は、7年間インターネットへの課税を禁止する法案を可決した。下院は既に先週4年間の禁止法案を可決済みである。発効には今後両院協議会で調整し、大統領の署名を求めることとなる。現行の禁止は10月13日に期限切れとなる。Bush大統領は、議会がインターネット・アクセスへの課税禁止の7年間の延伸法案に署名した。モラトリアムの期限切れ寸前であった。)
  • ITUとGrameen Foundationが提携して途上国での電気通信サービス普及プログラム
    (ITUとGrameen Foundationが提携して、途上国での安価な電気通信サービスの提供促進やビジネス機会の創造のためのプログラムを開始する。Village Phone Direct Manualを作成し、資金提供者やローカル・グループに情報やリソースを提供する。)
  • AT&T関係
    (1.AT&TのU-verseへの投資、増加
    AT&TによるU-verse IPTVへの投資は、2008年末までに45ないし50億ドルに達する見込みである。同社は2008年末までに1,700万の家庭の申込に対応できるよう設備を整える。
    2.AT&T、iPhone顧客むけにData Global Planを開始
    AT&Tは、そのiPhone顧客むけに29か国でData Global Planを開始すると発表した。毎月20または50MBのデータを送信できる。まず国内での通信プランをもつことが条件。
    3.AT&Tは衛星ビデオ事業者のEchoStar Communications社の買収を提案か。
    4.FCC、AT&TによるDobson Communicationsの買収を承認
    ?AT&T、遠隔監視サービスをビジネス顧客にも
    AT&Tは、インターネットを利用した企業むけの従業員や設備の遠隔監視サービスを開始する。昨年から開始した自宅所有者むけのサービスをスケールアップしたもの。
  • Verizon関係
    (1.VerizonのFiOS、2008年末までに200万加入へ
    FiOSテレビは順調に伸びており、毎日2,600の新規顧客を獲得し続けている。この分では2008年末に200万の顧客を獲得すると見るアナリストもいる。ライバルのComcastのCOOも、「Verizonは本物だ。Verizonはわれわれから顧客を奪っている。」と述べている。
    2.Verizon、第三四半期の業績順調 
    第三四半期に160万の携帯電話顧客と20.2万のFiOSテレビ顧客を追加した。売上高も5.8%伸び、237.7億ドルに達した。
    3.FiOSインターネット・サービスで"symmetrical" service
    Verizonはインターネット・サービスで上り/下りともに20Mbpsのシンメトリカル・サービスをニューヨーク、コネチカット、ニュージャージで開始。近く13州でも展開へ。
    4.FiOSテレビ、57番目のフランチャイズでサービス提供開始
    Verizonはマサチューセッツ州のHollistonでサービスを開始した。57番目のフランチャイズ。
    5.Verizonの来年のHDテレビ事業計画
    DirecTVのHD目標に対応するため、Verizonは2008年末までに150のHDチャンネルの提供を行うと発表した。FiOS TVの顧客向けに1,000のHD映画をオン・デマンド方式で提供する計画。
    6.Verizon、欧州で広帯域ネットワーク
    欧州での広帯域需要の増大に応えるため、Verizonは、2,000マイルに及ぶ高速・超長スパン(ULH)の建設を開始すると発表した。ロンドン、パリ、アムステルダム、ブラッセル、フランクフルトにHubを設ける計画。
    7.VodafoneとVerizon Wireless、パートナーシップを形成
    VodafoneとVerizon Wirelessはパートナーシップを形成し、VerizonはVodafoneの25か国でのプレゼンスを利用して、ビジネス顧客に様々な選択肢を提供へ)
  • 電話会社のデジタル・ビデオ事業順調でケーブル会社を脅かす
    (VerizonやAT&Tなどの大電話会社は、デジタル・ビデオ市場で大きく前進しつつあり、ケーブル会社の大きな脅威となりつつある。Comcastの株価は52週間ぶりの低価格となり、新規顧客の獲得が困難になりつつある。)
  • テネシー州での市町運営では最大のFTTH網、12月に運用開始
    (米国では最大の市町運営のFTTH網、テネシー州のthe Clarksville Department of Energyが12月に運用開始へ。米国最大の網で50,000の住宅と5,000の事業所を結ぶ。)
  • Sprint/NextelのPivot携帯電話サービス、33市場以上は計画せず
    (Sprint/NextelはそのPivot携帯電話サービスを、現在の計画である33市場を超えては拡大しないと表明した。このサービスはケーブル会社に販売を委託する構想であったが、Time Warnerが別の構想で携帯電話を提供する方針に変更している。)
  • Googleの携帯電話事業の構想
    (Googleは本日、スマートホン携帯電話事業への進出を発表した。広告や第三者アプリケーションが支える無料/オープンソースのオペレーション・システムを用い、Motorola、Samsung、HTC、LG Electronicsが送受器を販売する。T-MobileとSprint/Nextelがその携帯電話ネットワークを利用させる。)
  • GoogleがSkypeを買収か
    (英国のGuardian紙が月曜日にGoogleによるSkypeの買収の動きを報じている。アナリストの一部には、この組み合わせには一理あるとする者もいる。Skypeは現在買収されてeBayの一員となっているが、eBayは高すぎる価格で買収したと認めており、手放す可能性がある。)
  • Covad Communications、株式公開で買収される
    (Covad CommunicationsはEquity groupのPlatinum Equityにより買収される契約書にサインした。)
  • 英国郵便公社、広帯域市場に参入
    (The Post Officeは、広帯域サービスを月曜日から開始した。現在すでに固定電話サービスで40万の顧客を持っているが、2011年までに100万の広帯域および固定電話顧客の獲得を目指す。)
  • 独テレコム(DT)の業績順調、T-Mobileが貢献
    (T-Mobileは第三四半期に190万の新規顧客を獲得し、DTの業績に貢献している。DTは15.5億ドルの純利益をあげ、アナリストの予測を上回った。)
  • iPhoneのドイツでのDTだけの独占販売をVodafoneが差し止め
    フィナンシャル・タイムズ(2007/11/20)
    (Vodafoneのドイツでの子会社は、ライバルのDTによるiPhoneの独占販売の差し止め請求で裁判所の支持を得た。しかし、他国ではこうした差し止めの措置には出ないとしている。Vodafone自体はiPhoneを販売していないが、DTがiPhoneをT-Mobile networkだけに接続する方針(ロッキング)であり、これがドイツ法に違反すると考えた。)
    ・Telecom ItaliaとVodafoneイタリア、携帯電話のアクセス・サイトを共用してコスト削減を継続
    (Telecom ItaliaとVodafoneのイタリア事業者は、携帯電話のアクセス・サイトを共用する現在の契約をさらに今後6年関継続することで合意した。コスト削減を継続。)
  • Vodafoneの業績、順調に回復
    (Vodafoneは今年の前半6か月で純利益67.6億ドルを計上し、業績を改善したが、CEOのArun Sarinによれば、欧州やアジアで堅調な成長が続いているという。)
12月
  • VerizonWireless、オープン・ネットワークでGoogleの携帯電話プラットフォームを採用へ
    (ネットワークへのオープン・アクセス方針を宣言しているVerizon Wirelessは、GoogleのAndroid 携帯電話プラットフォームを支持することとなった。)
  • AT&Tの動き
    (1.AT&T Wirelessもオープン・アクセス方針をPR
    AT&T Wireless のトップのRalph de la Vegaは、顧客がどのような送受器やアプリケーション・ソフトでもネットワーク上で利用できるとする方針の徹底を営業担当者におこなった。Googleの携帯電話むけのオープンなoperating systemの開発方針にも言及した。
    2.AT&T、2008年末までにIPTV加入者を100万に
    AT&Tは来年末までにU-verseサービスの顧客数が100万に達するであろうとアナリストに発表した。現在、毎週1,000以上の顧客獲得が続いている。同社はまた、自社株の買い入れ消却の構想と、配当の12.7%増のプランも明らかにした。
    3.AT&T、衛星テレビ2社との提携を打ち切りへ
    現在DirecTVおよびEchoStarと衛星テレビでパートナーシップを組んでいるAT&Tは、2008年第一四半期にDirecTVとの提携を打ち切り、EchoStarとも年末までに解消する。
    4.AT&T、U-Verseテレビに固執。衛星テレビ買収の噂遠のく
    AT&TのIP方式のテレビ・サービスU-Verseは、まだ20万未満の顧客しか獲得できず、技術的などさまざまな混乱のせえもあって、提携しているEchoStarを買収して、手っとり早い事業進展を図るのではないかとの噂が絶えないが、AT&Tは巨額のU-Verse拡大投資を発表して、既定路線の継続の方針を明らかにした。これまでは2010年までに1,800万世帯をカバーするとしてきたU-Verseを、3,000万世帯を目標とすると引き上げた。今年の年末までに100万の顧客を獲得すると見込み、毎週の顧客増加数を現在の1万から来年末には4万に情報修正した。)
  • FCCの電波オークションでケーブル会社266社が参加へ
    (来年1月24日のFCCの電波オークションでは、Cox Communications, Cablevision, Charter Communicationsなど266社のケーブル企業が参加)
  • 固定電話利用者の1/4は携帯電話オンリーへの移行を検討。ただし、米国では携帯電話のみの顧客の増加率が鈍化
    (固定電話利用者の1/4は携帯電話オンリーへの移行を検討しているとの調査結果が出た。市場調査会社のIn-Statによる調査。"cord cutters"の代表的な層は、若者で単身者、部屋シェアー者など。連邦による調査では、固定電話を持たない携帯電話オンリーの顧客数の伸びが鈍化している。現在8人に1人の水準で足踏み。)
  • Sprint/Nextel、WiMAXテストを3都市で開始へ。売却も考慮。
    (Sprint/Nextelは、2008年早くにChicago,Baltimore,Washingtonの3都市で従業員に限定したテストを開始する。その後、急速にテストの範囲を拡大する予定。Sprint/NextelはそのWiMAXネットワークのスピンオフも検討している。その後新オーナーからサービスをリセールの形で買うことも考慮しているという。CEO代理のPaul Salehが述べた。)
  • Sprint/Nextelの新CEOに元AT&T Wireless会長
    (Sprint/Nextelは、10月に業績不振で退任したGary Forseeの後任のCEOに、Embarqの会長兼CEOで元AT&T Wireless会長を3年間勤めたDaniel Hesseを充てることとなった。)
    ・Sprint/Nextel、SK Telecomからの買収提案を拒否
    (情報筋によれば、Sprint/NextelはSK TelecomとProvidence Equity Partnersからのビッド(50億ドルの出資と元会長のTim DonahueをCEOにという提案)を拒否した。)
  • Verizon Wireless、LTE(新無線テクノロジー)のテストへ
    (Verizon Wirelessは無線ネットワークの高速化のためlong-term-evolution technologyのテストを来年行うと発表した。同社の親会社のVerizon CommunicationsとVodafoneは9月にお互いのサービス間でローミングできる共通テクノロジーの開発で協力していると発表している。)
  • MotorolaのCEO交代
    (Ed Zanderが1月1日付で退任し、社長兼COOのGreg Brownが昇格)
  • Qwestの新CEO、ドラスティックな変化避け、従来の方針を守る
    (今年8月にCEOを引き継いだEd Muellerは、今後の進路について、ドラスティックな変更は避けて、従来の方針を守るビジョンを表明。携帯電話会社の買収や広帯域ビデオ事業等は採らないが、広帯域サービスの速度上げのため第三者との提携はありうるとした。)
    ・欧州3国、EUの単一の移動方式テレビ標準に反対
    (英国、ドイツ、オランダは、単一の移動方式テレビ標準(DVB-H)フォーマットを選定しようとする欧州委員会を攻撃。この方式はNokiaとMotorolaが推進している。)
  • 独裁判所、T-MobileのiPhone販売での顧客ロックを認める
    (Vodafoneが「T-Mobile によるiPhone顧客の2年間の縛り付けは違法」と申し立て、裁判所が一時差し止め命令を出していた本訴で、Hamburgの裁判所は覆してT-Mobile の顧客ロックを認めた。)
  • Ofcom、インターネット電話にも緊急通信を義務づけ
    (Ofcomは、2008年9月までに、インターネット電話事業者にも顧客による999と112(緊急通信)への通信ができるよう措置することを義務づけた。)

寄稿 木村 寛治
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