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「未来のお金」と脚光を浴びて久しい「電子マネー」だが、現状、日本ではどのような取り組みがなされているのだろうか? 今回は電子マネーの定義、そして日本における電子マネー利用実験の動向の整理を試みる。 |
●電子マネーとは?(定義、バックグラウンドの整理) 現在、「電子マネー」という言葉は新聞を始め、様々なメディアで多く取り扱われているが、その使われ方は一様でなく、定義も「これだ!」というものは特に定まっていないように思われる。ここで敢えて、出来るだけ客観的に「電子マネー」という言葉の定義を試みると、次の様になると考えられる。
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●日本における電子マネー利用実験の動向このところ(昨年後半辺りからか?)、日本でも大小様々な電子マネー利用実験や電子決済実験が行なわれ、新聞紙上を賑わせており、なかには「実験ではなく、既に実用化を開始している!」というスタンスの事業者も出てくるようになってきた。しかし、どれをとっても利用者の生活に密着しているとは言えず、概して見れば、未だ黎明期であるという感は否めない。 ここでは、これらの試みの中でも特に市場の注目度が高いと思われる「ICカード型電子マネー利用実験」と「デビットカードサービス」について、現在行われているもの、そして今後行われる予定のものの概要を簡単に整理してみる。なお、詳細については各ホームページをご参照いただきたい。 |
(1)SCJ(Smart Commerce Japan) 実証実験(http://www.scj.or.jp/news/980511.html)
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(2)郵便貯金磁気カードのICカード移行のための実証実験 (http://www.mpt.go.jp/)
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(3)渋谷スマートカードソサエティー実験(http://www.visa.co.jp/digital/sss.htm)
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(4)サイバービジネス協議会実験(http://www.icash.gr.jp/)
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(5)スーパーキャッシュ共同実験(http://www.ntt-ad.co.jp/s-cash/)
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(6)デビットカードサービス(日本デビットカード推進協議会) (http://www.debit.or.jp/)で情報提供サイトを開設予定
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●さいごにさいごにこれらの電子マネーが普及するためには、何が重要なのか?筆者なりに考えたことを少し書きたいと思う。今までの実験や取り組みを1人のユーザとして見てきて一番感じることは、「電子マネーって何となく便利そうだけど、具体的にはどこでどういう風に使えば便利/トクなのか?」というのがよく分からないということだ。これは加盟店という立場に立っても同じことが言えるのかもしれない。 そもそも現金も含めて、図1にあるような様々なサービスは、その性質上、必ず「強みと弱み」、「適する市場と適さない市場」があるはずで、その「適した市場」で使われてはじめて、その強みを発揮し、ユーザーにそして加盟店に便利/トクと思わせることができるのではなかろうか?もしそうだとすると、
サービス提供者(電子マネー発行者)側からすると「そんなの当たり前、今まさに、実験でこれらを探っているのだ!」と思われるかもしれないが、筆者はそのスピードに物足りなさを感じているのかもしれない。 |
(システム応用研究部 楢崎兼司) e-mail:narazaki@icr.co.jp (入稿:1998.12) |
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