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1.米国の長距離通信市場における過去5年間の顕著な特徴 米国の長距離通信市場は、市場全体としては、1993年を除いて8〜11%で継続的に成長している。それにもかかわらず、AT&Tは、一貫して毎年3〜4%ずつシェアを低下させており、長期的な低落傾向に歯止めがかからない状態である。また、AT&Tを追う2社もあまり元気がいいとはいえない。MCIは、過去5年間で若干シェアを伸ばしたものの20%に到達してやや頭打ち状態といえる。スプリントも約10%で横ばい状態にある。対照的に、ワールドコムがそのシェアを伸ばしている。ワールドコム以上に元気がいいのは「その他の事業者」でその大半は割安な料金を武器とするリセラーである。さらに、こうした元気のいいリセラー向けに回線容量を提供するキャリアズ・キャリアの台頭もめざましい。代表的なキャリアズ・キャリアには、IXC Communications やQwest Communications、Level 3 Communications、Williams Networks等がある。
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2.キャリアズ・キャリア台頭の背景 キャリアズ・キャリアの台頭の背景には、インターネット利用の増加等によるバックボーン回線の容量不足があげられる。Data Communication誌(1998年7月号)によれば、米国のあるインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の幹部は「T1回線を手にいれるのは非常に困難(tough)になっており、T3やOC48回線の獲得は今や不可能(impossible)である」と語っている。回線容量不足にあっても新興通信事業者が値下げを図る中、伝統的なキャリアも回線のグレードアップを迫られている。 上記4社の共通点は、広大なネットワーク構築に必要となる道路利用権(the right of way)をすでに獲得していることである。光ファイバー網の構築コストは既存の通信事業者と比較して4分の1ですむ。IXC Communicationsのジョン・フレミング社長は、「一般的なキャリアによる光ファイバー1マイルあたりの構築コストは8〜10万ドルであるが、、当社のコストは1マイルあたり2万ドルである」と語っている。さらに新興キャリアは、既存ネットワークやシステムとの統合という課題をもたないため、その統合や新技術導入にかかるコストが少ないこともその台頭の理由といえる。 以下は代表的なキャリアズ・キャリア4社のプロフィールである。 |
3.代表的な事業者のプロフィール
◆Qwest Communications
◆IXC Communications
◆Level3 Communications
◆Williams Networks
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(海外調査部 原 美穂子) e-mail:hara@icr.co.jp (入稿:1998.8) |
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