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ユーザーの求める電子マネー(1)

(1999.11)


 今年4月より、電子マネー「スーパーキャッシュ」の実験が新宿で行われている。
 スーパーキャッシュはその特徴として、リアル(新宿)とバーチャル(インターネット)で利用できることが挙げられている。また、街頭のスーパーキャッシュ用公衆電話でチャージできることも、スーパーキャッシュならではの機能である。
 しかしながら、このスーパーキャッシュにしても今後解決すべき点は多い。また、もっとこのような機能があれば便利であるといったユーザーの声も聞かれる。
 ここでは、そのようなユーザーの声を中心に、各段階ごとにユーザーの求める電子マネーのサービス・機能についてまとめてみた。
(本稿に関しては、電子マネーメーリングリストのメンバーより多くのご協力をいただいた。この場をかりてお礼を申し上げる。)
  • 申し込みまで
    • もっとわかるように目立って!
    • オンライン申込を実現してほしい
    • 既存の口座(カード)で使えるようにして!
    • 窓口でのみ受付、なんて勘弁してほしい。
  • カードの入手まで
    • 即時発行を希望しています!
    • もっと短期間で発行できませんか?
    • 通帳、カードリーダー、カードとバラバラに来られて も・・・。
    • 入手してすぐ使ってみたいが
 〜次回の予定〜
  • チャージをするまで
  • リアルで使うまで
  • バーチャルで使うまで
  • さらなる機能・サービス追加の要望


申し込みまで
もっとわかるように目立って!
 新宿で電子マネー実験が始まったというので行ってみたが、それらしき看板も見あたらなかった。お店に入っても、いつもとあまり変わらない。電子マネーは面白そうなので体験してみたいのだが、いったいどうやって手に入れられるのかがわからなかった。
 後になってから、新宿の実験では申込書で申し込まなければならない方式だとわかったが、今度はどこで申込書を手に入れられるのかがわからなかった。それが銀行にあるとわかったのは、インターネットで申込書を請求した後だった。(全く置いていない銀行もあったが)
 要望としては、もっと目立ってほしい。街を歩いてスーパーキャッシュが目につくようにしてほしい。そこへ行けばスーパーキャッシュのことがすぐわかるようにしてほしい。しかも、そこで申し込みができるようにしてほしい。

 

オンライン申込を実現してほしい
 ホームページでスーパーキャッシュのページから直接申し込めるようにしてほしい。
 今のところはホームページ上で各銀行の申込書を請求する程度である。これでは、ホームページ上に住所氏名を書いて送信して、申込書が送られてきて、また住所氏名を書いて郵送して、そこで初めてカードが送られてきて・・・と、時間と手間がずいぶんとかかってしまう。
 もっと手軽に申し込みができるように、オンライン申し込みを実現してほしい。

 

既存の口座(カード)で使えるようにして!
 今持っている口座がそのままスーパーキャッシュ用の口座になるようにしてほしい。新たな口座を作るというのは管理が煩雑になり、カードも増えてしまうので、できれば作りたくない。しかし、新宿の支店の口座でなければならないという制約があると、新たな口座をつくらざるを得ない。
 なお、いくつかの銀行が新宿の支店の既存口座に限りスーパーキャッシュ用口座への切り替えができるようにしているが、窓口へ行かなければならないとなっており、切り替えのほうがかえって面倒(新規申し込みは郵送でOK)になってしまっている。
 ぜひ今後は、全国どこの口座であっても、スーパーキャッシュ用の口座に簡単にできるようにしてほしい。

 

窓口でのみ受付、なんて勘弁してほしい。
 今回の申し込みにおいて良いと思ったのは、ほとんどの銀行は新規申し込みならば郵送で申し込めるという点だ。しかしながら、いくつかの銀行は、銀行の営業時間に窓口へ行って申し込まなければならないというのがあった。また、新規申し込みは郵送でできるが、既存口座からの切り替えは窓口へ行かなければならないというのもあった。
 窓口へ行って手続きをしなければならないというのは大きな手間である。しかも新規申し込みが郵送でできるのに、なぜ切り替えのほうが窓口へ行かなければならないのかと疑問を感じてしまう。
 新宿での実験なので、新宿によく行く人を対象とするから窓口受付でもかまわないという考えなのかもしれない。しかし、新宿をよく利用するけれども銀行の窓口の開いているような時間には行けないという人も多いのではないか。
 ぜひ客のニーズや都合に合った申し込み方法を提供してほしい。 
カードの入手まで
即時発行を希望しています!
 即時発行を実現して欲しい。とにかく、カードを入手するまでに時間と手間がかかりすぎる。これでは電子マネーを使うことが目的の人とか、電子マネーは現金よりもかなり得をするといったメリットがある場合以外は申し込もうと思わないのではないだろうか。一般の人が通常の現金代わりに使うようになるのに壁となっているのではないか。なお、VISA Cashは使いきり型があり、その場で購入できて良かった。  実用化の際にはぜひ即時発行の可能性を探ってもらいたい。

もっと短期間で発行できませんか?
 即時発行は規制とか体制とかがあって一朝一夕には実現できないにしても、もうちょっと短期間で発行できないものか?カード発行まで長い時間待たされては、せっかくやろうとした気が失せてしまう。
 今回の実験では「どこまで短縮できるか」ということにも挑戦してもらいたい。

通帳、カードリーダー、カードとバラバラに来られても・・・。
 スーパーキャッシュに申し込んだら、まず預金通帳が届いて、次にカードリーダー/ライターが届いて、最後にスーパーキャッシュカードがきた。何でこんなにバラバラに届けられるのだろう?ものすごく効率が悪いように思うのだが。
 おまけに、最初の通帳が届いたときに同封の書類にはスーパーキャッシュの「ス」の字も書かれていないということがあった。カードが届くと思っていたら通帳が来て、何の説明もないので、最初は何かの間違いかと思った。
 ぜひお客様を不安がらせないように気をつけてもらいたい。

 

入手してすぐに使ってみたいが
 リローダブル型のVISA Cashやスーパーキャッシュなどの申し込み時プレゼントのひとつの案であるが、事前にいくらかサービスとしてチャージしておくということはできないだろうか。こうすればカードを入手してすぐに使ってみることができる。
 そもそも、クレジットカードだって申し込んだら何らかのプレゼントがあるのが一般的である。電子マネーでもプレゼントがほしい。それが利用を喚起することにもなるのであれば、理想的である。
 いろいろと制約があって難しいのかも知れないが、ユーザーとしては申し込んだらプレゼントをもらいたい。 

次回(第2回)へ続く…

(マーケティング・EC研究グループ 藤生 崇則)
e-mail:fujiu@icr.co.jp

(入稿:1999.11)

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