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インターネットが急速に普及し、インターネットに係わるビジネスが現実性を持ってきた。インターネットのアクセス網として、xDSL、FTTH、無線LAN、携帯電話、ISDN(IP接続サービス)、ケーブルテレビ等が注目されている。以下では、これらのアクセス網間の競争はどのように展開されていくか?勝者は誰か?について、料金、提供エリア、速度等の面から考えてみたい。 |
はじめに
日本のインターネット利用人口は1999年末には2700万人を超え、世帯普及率は19%に達したとされる(H12通信白書)。インターネットはブームだという認識から、インターネットは着実に我々の生活やビジネスに浸透してきているという認識に変わりつつある。 |
■xDSL 提供エリアの制約はあるが、 局所的には有力なアクセスサービスとして注目される
xDSLとはメタリックケーブルを用いた高速データ伝送技術の総称で、ADSL、HDSL、SDSL、VDSL等の方式がある。ADSLは既存電話網を用い、電話と重畳して利用可能で低コストであり、上り下りの速度が個人のインターネットの利用の仕方に合っていることから有力なアクセス網と見られている。
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■FTTH ADSLは暫定的なもので、光が本命視される。 速度では他に勝るが、料金、ニーズが不透明な面も
FTTHとは、Fiber To The Homeの略で、加入者線を光ファイバーにすること。1997年11月の経済対策閣僚会議では、景気浮揚策としてFTTHを2005年の前倒しに向けてできるだけ早期実現することがうたわれたが、明確に期限が設定されている訳ではない。NTT西日本、松下電器産業等は2000年5月から「金沢トライアル」として、シェアドアクセス技術(10Mbpsを最大32ユーザで共用する)を用いた地域情報流通サービスの実験に取り組んでいる。NTTの「3カ年経営計画」では、「高速光IP接続サービス」を2000年第3四半期に「最大10Mbpsを月額1万円程度の定額制」で試験提供するとしている。
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■無線LAN 有線の補完と捉えられる
無線LANはアクセス回線に無線を用いる方法のひとつで、1999年夏にスピードネットが数千円で数Mbpsのアクセスを提唱し注目を集めた。スピードネットは2.4GHz帯を用いる予定だが、ノイズの影響が懸念されている。新たに、比較的ノイズが少ない5GHz帯の割り当ての可能性があり注目されている。
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■次世代携帯電話(IMT-2000) モバイルで使いたいというニーズはなくならないこと、 面的なエリア展開ができることで優位
次世代携帯電話では2Mbpsの速度が予定されており、モバイル対応のインターネットアクセス網として着目されている。iモードの急速な普及から注目を集めている。KDDIはcdma2000方式の採用を予定しているところであるが、クアルコム社は「HDR」(データの伝送技術)により固定の通信も視野に入れている。
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■IP接続サービス(フレッツ・アイ) あまり高速を求めないユーザで、既にISDNに入っているユーザ にとっては有力な選択肢となり得る。
IP接続サービスとは、ISDNによってインターネット接続するための通信料金が定額となるサービスで、開始時(1999年11月)の月額8000円が2000年5月から4500円に値下げされたことにより、定額のインターネットアクセス手段として注目されている。
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■ケーブルテレビインターネット 速度と料金のコストパフォーマンスが高く、放送・多チャンネルを 視聴できるという固有のメリットがある
流合雑音(上り回線で発生する雑音)の解消等によりケーブルテレビ網をインターネットのアクセス回線として利用できるようになった。ケーブルテレビ網は放送を流すため高速大容量の情報を伝送する能力があり、その一部を使うだけでも高速のインターネットアクセスが可能となる。
ケーブルテレビインターネットのメリット、デメリットは次のとおりである。
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■まとめ
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情報流通ビジネス研究担当br>櫻 井 康 雄 e-mail:sakurai@icr.co.jp (入稿:2000.7) |
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