ホーム > InfoComアイ2000 > NTTの相互接続料の引下げ交渉が残した宿題
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表1:接続料の諸外国との比較(3分間通話した場合)
−加入者交換機接続の場合− 

2000年1月1日現在
日本(1998年度) 日本(2002年) アメリカ イギリス フランス ドイツ
5.81円
4.50円
4.40円
(4.20セント)
2.27円
(1.18ペンス)
3.26円
(16.53センチーム)
3.39円
(5.13ペニヒ)

  1. アメリカは長距離電話会社向けの料金で、回線当りの月額料金を分当り料金に換算して加算したもの。
    なお、地域電話会社向けは1.49円(1.41セント)が適用
  2. 為替レートは1ドル=105.8円、1ポンド=192.4円、1フラン=19.72円、1マルク=66.1円
  3. 郵政省資料による


  • 注1:電気通信審議会「接続料算定の在り方について」−答申− 2000年2月9日 「別紙9」
  • 注2:「平成11年度接続会計報告について」事業年度(1999年7月1日〜2000年3月31日)
       NTT東日本NTT西日本
  • 注3:「役務別損益明細表の提出について」事業年度(1999年7月1日〜2000年3月31日)
       NTT東日本NTT西日本

参考:NTT地域電話会社と米国地域ベル電話会社の費用構成比較
区 分 NTT東西地域会社合計
電気通信営業損益(億円)
構成比(%) 米国地域ベル電話会社99年
営業損益(100万ドル)
構成比(%)
営業収入 38,596 100.0 90,393 100.0
 アクセス収入 6,995 18.1 27,067 29.9
営業費用 37,095 96.1 63,717 70.5
 営業費 8,955 23.2 10,665 11.8
 運用費 628 1.6 1,274 1.4
 施設保全費 9,330 24.2 22,312 24.7
 共通管理費 4,944 12.8 7,734 8.6
 試験研究費 1,587 4.1 39 0.0
 減価償却費等 11,187 29.0 18,508 20.5
 通信設備使用料 460 1.2 3,184 3.5
営業利益 1,505 3.9 26,676 29.5
  1. NTT地域会社は1999年7月から2000年3月までの事業年度、両社の単純合計
  2. 比較のためNTT地域会社の営業利益には租税公課を含む
  3. 米国地域ベル電話会社(RBOCs)の資料は、
    FCC : Statistics of Communications Common Carriers, 1999 Editionによる
    • RBOCsのアクセス収入にはエンド・ユーザー収入を含む(除いた場合は20.5%)
    • 試験研究費はGeneral and Administrative ExpensesのなかのResearch and Development

  • 注4:NTT1998年度決算 端末機器販売収支状況
    営業収益 2,425億円  営業費用 2,421億円  営業利益 4億円
  • 注5:最近では、地域通信市場で積極的に事業展開を目指す事業者も現れている。
    KVHテレコム(本社 東京都港区 米国の投資会社フィデリティ・グループが設立)は、港区赤坂に建設した通信センターを中心に、丸の内・大手町ループをはじめ、品 川、新宿、渋谷の4ループ総延長130kmのネットワークを構築する計画で、丸の内・大手町地区で年内にもサービスを開始する予定。
    大阪にも御堂筋の通信センターを中心に中央区・北区を結ぶ20kmのループを構築し、2001年夏にサービスを開始する。
    同社では1000心の光ファイバーを採用し、毎秒1.5Mbps〜2.4Gbpsの高速専用線サービスを始め、150Mbpsまでの10BASE-T、100BASE-TのLANツウLANダイレクト接続を提供する計画である。なお、賃貸管路の利用を現在の8割から5年後には2割程度にする方針。(電気新聞2000.8.23)
    このほか、丸の内ダイレクトアクセス、ユーズコミュニケーションズ、ワイヤレス・インターネット、電力会社もしくはその子会社などが、光もしくは無線によって広帯域アクセス市場に参入する見込み。
    しかし、銅線ケーブルの敷設を推進する新規参入事業者は見当たらない。
  • 注6:長距離NCC各社は、2001年5月から導入される「優先接続制度」の導入に備えて「ワンストップ・ショッピング」を実現するため、市内市場への参入を計画している。しかし、当面は逆ざやになるので、接続料の値下げ分をその赤字補填に充てる考えだと伝えられる(エコノミスト 2000.8.29 新電電は赤字覚悟で市内参入へ)が、これはフェアではない。新電電は接続料の値下げ分を、長距離サービスのユーザーに、料金値下げによって直接還元すべきである。
  • 注7:この問題を扱う「電気通信審議会特別部会」での主な論点は次の通り
    • ネットワークの構造、電気通信事業の将来像
    • 競争の基本的枠組み
    • NTTグループの位置付けと公正競争の確保
    • ユニバーサルサービスの確保
    • 通信主権等の確保
    • 電気通信事業における研究開発体制の在り方
    • 利用者利益の確保方策
  • 注8:「技術面では先行したが、マーケティング力が劣っていた。今までの電気通信事業者は皆そうだと思うが、事業者側から一方的に新サービスを打ち出し、顧客に押しつけてきた。顧客の望んでいるものを調べて提供するというやり方をしてこなかった。」
    サービス開始時期は2ヶ月しか遅れなかったのに、モバイル・インターネットでNTTドコモのiモードに大きく水をあけられたのを反省して、DDI小野寺副社長のコメント (東京新聞 けいざい最前線 いまこの人に 2000.9.13)

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