ホーム > 研究員の眼 2011 >
研究の眼
2011年1月5日掲載

CESレポート〜その1〜

グローバル研究グループ 山本 惇一
[tweet]

 私はいま、世界最大の家電見本市である「2011 International CES」(Consumer Electronics Show)に参加するためラスベガスに来ています。これから何回かに渡り、CESの模様をレポートします。

 1回目の本稿では、プレス向けのイベントである「2011 CES Trends to Watch」、「Global CE Industry」の概要を簡単にお伝え致します。CES自体は1月6日からの開催ですが、プレス登録をすると1月4日から開催されるプレス向けイベントに参加することができます。

2011 CES Trends to Watch

 CESの見どころと今年の家電業界のトレンドを紹介するイベントです。CEA(Consumer Electronics Association)によると2011年の注目ポイントは、以下の4つとのこと。

  1. Portable v. Pocketable
  2. Intelligence of things
  3. Miniaturization and ‘Sensor’ization
  4. From amplification to ‘App’ lification

 具体的な製品でいうと、上記1は5インチ〜15インチのタブレット端末。Samsung、HTC、LG、インテルなど多数のタブレット端末が展示されるようです。2に関しては、GPSやインターネット接続など機器のインテリジェンス化が進むことを示しています。今回のCESでは特に注目すべきはネット接続テレビ(Connected TV)だと思います。まだ展示自体をみることはできませんが、会場付近ではSamsungやLGという世界のテレビメーカーで主導的な立場にある2社がネット接続TVである「Smart TV」の宣伝をしていました。

(写真1)Samsung「Smart TV」の看板。CES会場付近にて。
(写真1)Samsung「Smart TV」の看板。CES会場付近にて。

 3に関しては、センサーが小さく安くなったことで様々なセンサー付きの機器が登場することです。具体的には下記写真2にあるようなXbox360のKinectセンサーやセンサー付のゴーグルなどです。

(写真2)Xbox360 Kinectセンサーやセンサー付きゴーグル
(写真2)Xbox360 Kinectセンサーやセンサー付きゴーグル

 4に関してはその名の通り様々なデバイスにアプリが搭載されるというものです。NetflixやHulu plusといった映像コンテンツのアプリがスマートフォンやタブレット端末で利用できる点などが注目です。

写真3

 ちなみにプレゼンは小川研究員が紹介した「prezi」(こちらのレポートを参照)で作成されていました。これからプレゼンテーションを見る機会も多くなるので、プレゼンツールもどのようなものを利用するか関心をもってみていきたいです。

Global CE Industry

 「Global CE Industry」はCESの主催者であるCEAが世界の家電の売上状況や予測値などを発表するものです。ポイントとしては、全世界における家電の売上は2010年、2011年(予測)と上昇傾向にあり、それに大きく貢献しているのは中国を始めとしたアジアの新興国であるということです。写真4でもあるように全世界の家電売上高における新興国の割合が約半分と市場を牽引している様子が窺えます。

(写真4)全世界の家電売上高における新興国の割合が約半分
写真4

 また、写真5はエリア並びに機器の種別からみた売上規模(2011年予測)ですが、中国やアジア、南米といった新興国のモバイル端末がランキングの上位を占めており、新興国×モバイル端末というのが、今後の家電業界成長のキーワードになると思われます。

(写真5)エリア、機器の機種別から見た売り上げ規模(2011年予測)
写真5

 少し余談になりますが、ラスベガスの空港やCES会場でも中国人を非常に多くみかけ、そのパワーを感じました。韓国、台湾メーカーも今回のCESではその存在感は目立つことでしょう。そんな中での日本メーカーのプレゼンスはどの程度か?といった点にも注目していきたいです。

 以上、非常に簡単ですがラスベガスより第一報をお届けしました。

▲このページのトップへ
InfoComニューズレター
Copyright© 情報通信総合研究所. 当サイト内に掲載されたすべての内容について、無断転載、複製、複写、盗用を禁じます。
InfoComニューズレターを書籍・雑誌等でご紹介いただく場合は、あらかじめ編集室へご連絡ください。