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志村一隆「ロックメディア」
2008年10月掲載
ロックメディア 第17回

"DEMO fall 08" 参加レポート


志村一隆(略歴はこちら)

スタートアップの見本市

アメリカ西海岸、サンディエゴで開かれたカンファレンス"DEMO"に参加してきた。"DEMO"はベンチャー企業の見本市。エグゼクティブ・プロデューサーのクリス・シプリー(Chris Shipley)の言葉を借りれば、「情報通信産業の将来を予見する("Where is the technology market going?")」カンファレンスである。起業したばかりのベンチャー企業にとっては、DEMOに出展できれば、世間から注目され、投資を集めることになる。

"DEMO"は、誰もが出展できるわけではなく、DEMO事務局の審査を通った企業のみが出展できる。出展費用も高い。約20,000ドル費用を負担し出展するのは、参加者も投資家、テック関連の記者がほとんどでインナーな雰囲気であるからだろう。参加費用も、3,000ドルもする。起業家にとっては、出展費用に見合う出資、メディア露出などの実利を得やすい環境といえる。

こうしたインナーな雰囲気をさらに醸し出すのが、期間中毎晩開催される、ディナーやパーティーである。お酒の入った席で、起業家と投資家、メディアが親睦を図る。夕方には、展示ブースでもビールやワインが振舞われるので、インタビューもお酒片手でも問題ない。スバらしい・・・

"DEMO"は、1989年に開始、今まで1,500社以上を紹介している。リンデンラボ(セカンドライフ)、E*trade、Tivo、Salesforce.com、Six Apartといった今では著名な企業を紹介したのもDEMOである。

今回は、72社が参加。参加者は、500名だ。

参加企業の所在地は多岐に亘る。目立つのは、インドと台湾だろうか。台湾は、政府がDEMO参加を支援しており、台湾で選抜された企業が、出展している。アメリカ企業でも、アジア系とインド系アメリカ人の企業が半分くらいを占めている

DEMOは年2回開催され、今年は、9月に中国、10月にドイツで開催される。

6分のプレゼンタイム

DEMOGodDEMOを特徴づけているのが、参加企業に義務づけられている6分間のプレゼンショウだ。このプレゼンをもとに、"DEMOGod"と呼ばれる優秀賞10社が選ばれる。選ばれた企業は、大規模な投資を集めることができ、成長が約束される。参加企業の目的は、‘DEMOgod’に選ばれることにあるといってよい。

プレゼンショウではパワーポイントは使用できず、演劇のようなプレゼン(各社の動画はサイトにアップされている)を繰り広げている。DEMO写真集はこちら。

Web第4サイクルは、"Distribution Web"が主役

クリス・シプリー氏は、基調講演で、"The tech market is moving into the new cycle" と語り、Web3.0(彼女の言う「Web第4世代」)は、"Distribution Web"が主流になると語った。

彼女は、「"Distribution Web"は、インターネットによる情報流通を今までにないマスマーケットに拡大し、ビジネス、エンターテイメント、ファミリー、あらゆる局面で、コラボレーションが発生し、お金を稼げるビジネスモデルが定着するだろう」と今後のインターネットの発展モデルを示した。(Web2.0のイノベーションは、技術革新ではなく市場価値にばかり重きをおかれた・・・とも述べている)

「目的を持ったコラボ、コミュニティ(Collaboration for Purpose)が活発化し、そこから真のイノベーションが生まれるだろうと予測する」

ShipleyのWeb発展モデル
Web第1サイクル -> "Flat Web"、情報検索、テキスト、画像、検索, Yahoo, Netscape
Web第2サイクル -> "Transaction Web"、物販, Amazon, E*trade, Adobe, Ebay
Web第3サイクル -> "Social Web"、 Web2.0、消費者主権、UGC、無料、 YouTube
Web第4サイクル -> "Distribution Web"、シンジケーション、インテグレーション、オンデマンド

"Beyond Web3.0" インターネットは、人間の外部頭脳になるのか?

会期中行われた4セッションのうち、"Where is the web going?" Web2.0, Web3.0 and Beyond"が興味深かった。

ここでもインターネットと外部世界の融合が議論のテーマである。インターネットは、電車に乗る、スーパーで買い物をするといった日常生活の行動までには入り込んではいない。人々はインターネットを回避してもまだ生活することが可能だ。このセッションでは、インターネットが日常生活に入り込むだろう将来、必要となる技術革新についての議論であった。

<出席者>
司会:ノヴァ・スピヴァク(Nova Spivack, CEO, Radar Networks)
ハワード・ブルーム(Howard Bloom, 作家)
ピーター・ノヴィグ(Peter Norvig, Google, Director of Research)
プラバカー・ラハヴァン(Prabhakar Raghavan, Yahoo!, Head of Yahoo! Research and Yahoo! Reaserch Strategy)
ジョン・ウデル(Jon Udell, Microsoft, Evangelist)

司会のスピヴァク氏はセッション冒頭の講演で、「これからは、"World Wide Web"ではなく、"Web Wide World"」であり、イ ンターネッ トは外部世界と繋がり拡大していくと語り、例としてGPSやデバイスフリーのファイルシェアリング、センサー技術などをあげた。「20年後には、インターネットと現実という区分けは存在せず、ただ単に"現実"が目の前にあるだろう」と述べた。

そうした現実を踏まえ、このセッションで提示された命題は、「インターネットは人工知能たりえるのか?」というものである。コンピュータが、映画「2001年宇宙の旅」の"HAL"のように自発的な学習機能をもち、学習していく。インターネットは、HALのような単独のパソコンではなく、クラウド、グリッド、コミュニティという外部、他者を利用して知識を蓄える。(ここに"Wired"の人工知能に関する興味深い記事(日本語)があるので参照)

その方法として、インタラクティブ、セマンティック、といったコミュニケーションをどう知識化するのかという技術が開発され、コミュニケーションの方法として、多言語、話し言葉の理解といった分野が拡張されている。

ノヴィグ氏(グーグル)は、「インターネットで人工知能は実現するのか?」という問いに、「機能を特化させるべきだろう。頭脳の代わりを築くという目標は大げさすぎる。ナビゲーション、翻訳など、もっと必要な機能を絞り込んで、実現させるべきだ。」と述べた。

インターネットを外部の脳として利用すれば、生活が豊かになるのだろうか。少なくとも、出席者は、確信しているように思えた。

セッションの一問一答

Q. インターネットイノベーションは、もう終ったのか?
A. 終ってはいないが、オープン化が重要だろう、(ラハヴァン氏、ヤフー)
イノベーションを進めるために、「的確な情報を的確なときに届けるための、よりよいコミュニティを築くことが必要だ」(ノヴィグ氏、グーグル)
Q. 将来、インターネットは人工知能が目指すように、自発的に学習、知識を蓄積し、人間はその知識を検索をするだけになるのか?
A. 今後は、ネット上のデータがそのまま人間活動に役立つようになる。つまり、アルゴリズリムを書かなくても、データのつながりを理解するようになれば、ネットは頭脳と呼べるのではないか。(ノヴィク氏、グーグル)
Q. どのようにインターネットが消費者ニーズを探り当てるのか?
A. ユーザーが何をしたいかわからないケースも多い。そのような場合は、情報を次々と企業側が示し、消費者が探り当てていくシステムが考えられる。(ラハヴァン氏、ヤフー)

Q. これからも今までの人工知能と同じく、利用者とコンピュータの会話は必要だろうか?
A. データがデータを求めるように、人間もそのデータを介して繋がるようになる。その繋がりによって社会が広がることが自分にとって興味ある。(ウデル氏、マイクロソフト)
そこで重要なのは、コンピュータが利用者のことを学ばなければならないことだ。(ブルーム氏、作家)
Q. ソーシャルネットワークは検索サイトを目指すのか?グーグルはSNSになるのか?それともfaecboookはサーチエンジンになるのか?
A. 一緒になるだろう。(ウデル氏、マイクロソフト)
SNSは人と繋がっていたいという目的があるが、検索にはとくに無いのが両者の違いだ。行動目的が違うので、SNSと検索サイトは一緒にはならないだろう。(ノヴァク氏、グーグル)
Q. グーグルはセマンティックウェブなのか?
A. 今でもセマンティックは溢れている。ストラクチャデータベースやRDFなどがそうだ。やろうと思えば自分の好きな方式でセマンティックが手に入る。どれを選択するかは自由だ。(ノヴァグ氏、グーグル)
Q. それは、暗黙知のセマンティック(Implicit Semantic )のことか?
A. そうだ。自分好みの手段を利用するのが、いまのところ精一杯ではない。(ノヴァグ氏、グーグル)

Q. 頭のいい人は自分でプログラムを作って情報検索をセマンティック化できるだろうが、普通の人がセマンティック技術を楽しめるような環境にするにはどうしたらいいのか?

A. 情報検索を完全なセマンティックに近づけるには、膨大なデータベースにアクセス、データをインデックスする必要がある。そんなことができるのは、巨大企業だけである。(ラハヴァン氏、ヤフー)
Q. ヤフーは、マイクロフォーマット、タグといった後付のセマンティック技術(Explicit Semantic)を展開しているが。
A. グーグルは、マイクロフォーマット、タグに進出するには、まだ時間があるという判断だ。(ノヴァグ氏、グーグル)
Q. これからは、話言葉(自然言語、Natural Language)をどう検索できるかが、課題だろう。マイクロソフトは買収した検索サイト「パワーセット(Powerset)」をどう位置づけているか?
A. まだシステム統合の段階だ。話言葉の検索画面はまさに丁度作成中である。ウデル氏(マイクロソフト)
話言葉が理解しずらいのは、人それぞれ語順や言葉の意味など話法が違うからだ。(ノヴァク氏、グーグル)
Q. 人工知能は変化していくのか?
A. 機能を特化させるべきだろう。頭脳の代わりを築くという目標は大げさすぎる。ナビゲーション、翻訳など、もっと必要な機能を絞り込んで、実現させるべきだ。(ノヴァク氏、グーグル)
Q. 我々は、インターネットユーザーの多数が英語圏の人々と考えてしまいがちだ。しかし、インターネットが拡大すれば英語を話せない人のほうが多くなるかもしれない。これからウェブページは、多言語対応が必要であろうか?
A. 私は、アルジャージラを読むのに、アラビア語バーションをグーグルで翻訳している。(ブルーム氏)中国人ブロガーはアメリカのことを見ているが、アメリカ人ブロガーは中国語サイトをフォローできてないだろう
Q. どの分野がこれからベンチャーにとって有望か?
A. グーグルはテキスト検索についてかなり研究してきた。インターネットが実生活に結びつく今後は、動画の検索関連分野に、興味を持っている。動画のタギング、その他の技術で、人々がどんなときにどんな行動をするのか、ということが分かってくる。それは、新たな広告ビジネスに結びつくということではなく、人々がいかに行動の意思決定を行っているということがわかり、互いのコミュニケーションに関する新たな知見になると考えている。(ノヴァク氏、グーグル)
Q. テキストは必要なのか?それとも、テキストが無くても、検索ができるのか?
A. 動画の映っている物体の特徴をコンピュータに記憶させることで、テキストがなくても検索できるようになる。(ノヴァク氏、グーグル)
起業家の方たちに言っておきたいのは、起業にはマーケティングスタッフが必要ということだ。ヤフーの研究所には、ビジネスモデル、市場性を検討するために、経済学、心理学の専門家を雇っている。優れた技術も、こうした知見がなければ商品化されないからだ。(ラハヴァル氏、ヤフー)

編集、レコメンド・・・動画配信ビジネスの新たな展開

今回の‘DEMO’には、クリス・シプリーが定義する動画、映像の「"Distribution Web"」サービス企業が多く出展されていた。広義の"Distribution"に、"Share(共有)機能"も含まれるとすると、ほぼ大部分の企業がDistribution機能を備えていた。

例えば、‘DEMOgod’に選ばれたSim Ops Studioは、ゲームのDistributionである。3D ゲームを簡単に制作できるようになっている。"Sim Ops Studio"は、カーネギーメロン大学のエンターテイメント・テクノロジー学科が、産学連携として設立したベンチャー企業だ。‘DEMO’当日にオープンしたサイト"Wild Pockets"について、CEOのShanna Telleman氏に話を聞くと、「キッズ層から大人まで誰にでもわかるように、サイトには図やイラストを多くいれた」という。ビジネスモデルは、広告モデル、企業ブランドをゲームに取り込むプロダクト・プレイスメントを考えている。「ゲームのSNSを形成するのが我々のゴールだ」と語った。海外展開は、まだ頭にはないという。

CGM(アメリカで言う"User-Generated Contents")サービスは、「アレンジ=編集」機能を提供し、プロが利用している機能を簡素化し、一般ユーザーでも使えることになる。

"Koolage"は、オンライン上の"iPod"のようなサービスを開発している。ユーザーは、名の通り"Pod"に、映像、画像、ブログなどあらゆるオンライン上のコンテンツのプレイリストを作ることができる。その"Pod"は、PC、モバイルからアクセスが可能だ。

CEOのMythili Sankaran氏CEOのMythili Sankaran氏は、2008年5月に行われた "Women2.0" でも表彰されている。起業のきっかけについて、「娘が、YouTubeなどで好きな音楽を探すのが大変と言っていたのを聴いて、一度登録しとけば、どこでもすぐ探し出せるサービスを作ってあげたかった。」と話してくれた。ビジネスモデルは、広告モデルを考えている。

中小企業、個人向けの"Distribution"サービスも多く見られる。"Me Deploy"は、動画配信サイトの簡単デベロッパーを提供するベンチャー企業。月額、一般用19.95ドル、プロ用199.95ドルで契約したユーザーは、"Me Deploy"の管理画面にあるAPIをコピー、動画サイトを構築する。CEOのChristian Taylor氏は、「もともと動画制作をしており、自分が欲しいと思うものを作った」と語り、ターゲットは、「独立系の映画制作者、アーティスト、また中小店舗の動画広告など」だという。今流行のSNSへのシンジケーションも可能になっている。

大手メディアをユーザーターゲットとしているのが、イタリアのベンチャー企業、"beeTV"だ。‘beeTV’は、視聴者の好みと映画、番組をデータベース化、オススメ番組を視聴者に推薦してくれる機能を開発した。利用者は、番組が終るたびに「好き」、「嫌い」、また見る前に「今見る」「あとで見る」といったボタンを押し、データベースに自分の好みを伝える仕組みになっている。‘Pandra’の映像版のような感じだった。

CEOのChristian Taylor氏CEOのChristian Taylor氏は、「ビジネス展開は、自社でのコンテンツ権利取得とIPTV、ケーブルテレビ局へのシステム納入を目指している」と語る。コンテンツの権利取得はこれからだが、テイラーCEOは、「前職は番組ライツ関連の仕事」をしており、権利者と関係が深く、このビジネスに自信を持っているようだった。

Distribution’機能のうち、シンジケーション機能を強化したのが、"iWidget(アイ・ウィジェット)"だ。"iWidget"は、SNSへシンジケートできる動画配信ウィジェット(ガジェット)を簡単に作成できるツールを提供する。ガジェットは、ブログパーツと呼ばれることもあり、ブロガーが自分のブログに気軽に貼り付けることができ、企業にとっては口コミプロモーションの強力な動画配信ツールだ。

"iWidget"は、コンテンツはあるがガジェットを開発できない多くのコンテンツホルダー、メディア企業の悩みを解決してくれる。既にCBSスポーツで利 用実績あるという。利用料金は、1ウィジェット制作につき、25ドル。ウィジェットには広告が配信され、"iWidget"は、広告料金の70%を、コンテンツホルダーは、30%を受取る仕組みだ。

CTOのCasey Sackett氏は、起業動機を「動画配信の流通、マーケティングに的を絞ったサービス開発をしたかった」ためと語る。ターゲットは、大手メディアに絞っており、「CBSとの取引実績をきっかに、今後大手メディアと取引していきたい」として、「ウィジェット管理画面は、一般ユーザーには少し難しいかもしれない。メディアのシステム情報部のような専門的な人をターゲットにしている」と語っており、ターゲットとサービスの開発意図がよく練られていると感じた。

CEOのKevin Yin氏「共有」機能でビジネスシーンをエンターテイメント化しているのが、Sit Scapeである。ウェブページにマーカーで下線を引き、同僚と回覧できる機能を開発している。素晴らしいのは、ユーザーインターフェースである。スターウォーズのイントロダクションのような画面で、書類を管理する。

CEOのKevin Yin氏は、「フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)に勤めていたとき、ディーラーがモニターを何台も並べて仕事をしているのを見て、それが1台のPCできれば便利じゃないかと考えた」という。ターゲットは、「プロ用のB2Bサービスしか考えておらず」、ベースになる技術も「特許を取得中のサービスもあるので、技術面に関してはあまりいえない」と語る。ただ、株式公開のために出資先を募集している。

コア技術を持ったベンチャー企業

Web2.0時代は、マッシュアップという名のアレンジャーが新たなビジネスモデルを開拓した。今回の"DEMO"もサービス系企業が多かった。しかし、イノベーションを興すのは、コア技術を持った企業である。そんな独自技術を持った企業を3社、紹介したい。

まずは、渋谷に本社があるCerego。認知心理学と脳科学をミックスさせ、知識(記憶)の定着パターンを、アルゴリズム化している。長年、システム開発を受託してきたが、去年から自社開発のプログラムで、英語学習サイト(iKnow)を展開、1年で25万人が利用している。

商品開発部長のKirk McMurray氏は、「英語学習サイトが、最終的なゴールではない」と語る。「我々のゴールは、記憶定着メカニズムのアルゴリズムを利用したあらゆる学習コミュニティの形成だ」という。既に、アメリカ政府と提携を進め語学研修のプログラム開発や、地理の学習プログラムを開発しているなど、具体的なサービス開発が進んでいる。"iKnow"は、「"ameba"と提携、無料の英語サービスを展開している以外は、広告プロモーションはほとんどしてない」という。ただ、"iKnow"だけでは、収益はたっておらず、まだ広告代理店と契約はしてない。

Kuolung Chang CEO次に、台湾の"Awind"。"Awind"は、パソコンとテレビ間を結ぶワイヤレ技術を開発してきた。今回の"DEMO"では、パソコンの映像をモバイルに配信する"MobiShow"を発表した。

Kuolung Chang CEOは、「日本市場開拓のため、通信キャリアと接触しているが、まだ実現できてない」と笑いながら現状を語ってくれた。ただ、「日立、ソニーの製品には、既にAwindのワイヤレス技術が搭載されている」といい、自社技術には自信を見せていた。

William Park CEO最後に、Infovell。"Research"用の"Search"サービスを開発。遺伝子工学の技術者が集まり、"Deep Web"と呼ばれる専門の文献、事例などを検索結果として表示するアルゴリズムを開発した。長い文章(グーグルは32文字だが、Infovellは25,000字まで対応)での検索が可能になっている。現在は、医療、バイオ分野の検索を展開している。

William Park CEOは、「Web上の情報のほとんどは、通常の検索エンジンに引っかからない。なぜなら、詳しい情報ほど会員ログインが必要でアクセスが少ないからだ。研究用に利用するには、限度があると思った」のが起業のきっかけと話す。日本語対応についても、「ゲノム研究を応用した言語構造に依拠しないアルゴリズムなので、他言語への対応もスムーズだろう」と語っていた。

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