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2014年9月10日掲載 |
2014年4月の消費増税(5%から8%)により、2014年4−6月期の実質消費支出は前年同期比で−1.6%(ICT関連実質消費支出は前年同期比で−5.5%)と落ち込んだ。しかしながらすべての市場が縮小したわけではない。今回はICT関連分野の市場動向について、経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計調査」と「生産動態統計調査」を元に整理した。 図表1はICT関連市場を法人向けサービス(売上高)、消費者向けコンテンツ(売上高)、プラットフォーム(売上高)、端末(生産額)の4つのレイヤに大別して動向を表したものである。これを見ると、法人向けサービス、消費者向けコンテンツ、プラットフォームについては消費増税後も前年同月比で増加を維持しているが、端末については、5月以降に減少していることがわかる。 (図表1)ICT関連分野の市場動向(前年同月比) ![]() 次に、各レイヤの内訳を見てみる(図表2)。 消費者向けコンテンツは、「インターネット広告」(インターネットサイト上の広告掲載費、モバイル広告費も含む)が好調だ。広告はスマートフォンの普及に伴いモバイル広告が増加しており、ネット広告全体でも直近の1年間、増加を続けている。 プラットフォームは、「オンライン決済」(ネット決済、電子マネー等、インターネット上での決済に関し、利用者と販売店の仲介を行う業務)が直近の1年間、10%以上の増加を続けている。EC(電子商取引)やゲーム課金などネット上での取引がより多くの人に浸透してきたためだと考えられる。 端末は、「PC等コンピュータ及び関連装置等」(パソコン、サーバ、外部記憶装置、プリンター等)が長期にわたり好調だ。これは消費増税とWindows XPサポート終了という2つの要因で法人・消費者を問わずパソコン買い替え需要が増したからだ。例年パソコンは3月に多く生産されるが、今年はデスクトップ型パソコンを中心に4月になっても生産増が続いた。5月、6月には平年並みに戻っており、7月以降は減少傾向が予想される。また、6月は汎用コンピュータ(メインフレーム)が前年の4.5倍と大きく増加したため、全体では増加となったが、月ごとの変動が大きい品目であるため急増が続くことはあまり考えにくく、7月以降は全体でも減少に転じるのではないだろうか。 端末については、予定通り消費税が2015年10月に10%に引き上げられることになったとすると、その前に2015年7月のWindows Server 2003サポート終了、Windows 9発売(ただし時期は未定)があり、また買い替え需要が発生するかもしれない。 (図表2)ICT関連分野の市場動向内訳(前年同月比) ![]() |
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