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2014年9月29日掲載 |
数年前まで消費者の行動や心理分析においては、アンケート調査やブログ、口コミサイト等のデータが活用されていた。近年SNSサービスが急速に普及し、日々膨大な量のデータが飛び交うようになった。いわゆるビッグデータである。このビッグデータをリアルタイムに分析することによってビジネスに活かす動きが活発になっているが、SNSサービスにおいて代表的なものがTwitterのつぶやき(ツイート)分析である。 今回は、米Twitter社が公開しているAPI(Application Programming Interface、汎用的な機能をゼロからプログラムするのではなく、簡易に呼び出して利用するための仕組み)を利用することによって旅行先についての簡単な分析を行った。 まず、ツイートを収集するためのワードとして「観光」または「旅行」を設定した。これにより、ツイート内に「観光」または「旅行」というワードが含まれているツイートが収集される。ただ、ツイートには宣伝目的だったり、自動ツイートbot(ボット)のようなものも存在する。そこで今回は、以下のツイートは除いた。
図表1は、上記1〜4の条件を考慮した後の収集ツイート数である。各日3万〜4万件のツイートがあり、概ね土日祝日にかけて上昇しているのがわかる。(図表1では土曜を青丸、日曜祝日を赤丸で示している。) (図表1)「観光」または「旅行」に関するツイート数) ![]() 次に、ツイート本文に含まれる地名等からどこの都道府県についてのツイートなのかを推定した。例えば、『明日から旅行でスカイツリーを見に行く』であれば東京としてカウントされる。図表2は、推定結果としての旅行先ランキングTOP10である。上位はほとんど変動がなく東京、京都、大阪、北海道、沖縄、愛知と続いている。 (図表2)旅行先に関するつぶやきランキング ![]() これをグラフにしたのが、図表3である。全体の傾向と同じく土日祝日に上昇傾向にあるのがわかる。また、9月11日のみ「北海道」が急上昇しているが、大雨特別警報による影響を心配するツイートが目立った。 (図表3)旅行先に関するツイート数 ![]() 次に、集計期間で最もツイート数の多かった9月13日を例にとり、ツイートした人の在住地をみてみた。これも旅行先の推定と同じ要領でプロフィール欄に書かれた地名から在住地を推定した。結果は図表4のとおりで、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)で全体のおよそ4割、ツイートの多い上位10都道府県だと全体のおよそ7割となった。 (図表4)ツイートした人の在住地(9月13日) ![]() 最後に、海外に関するツイートをみてみた。国内同様にツイート本文に含まれる国名等から海外の旅行先を推定した。結果は図表5であるが、ほとんどの日で最も多かったのは「韓国」、次が「タイ」という結果となった。オーストラリアに関するツイートが9月11日と9月18日に急上昇しているが、これは某アニメで登場人物がオーストラリアに旅行に行ったことでそれに関連するツイートが爆発的に上昇したことが影響した。このような一時的な要因をきちんと取り除ければ、キャンペーンの効果を把握したり来場者数の予測等にも活用できる。 (図表5)旅行先(海外)に関するツイート数 ![]() |
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