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2014年10月24日掲載 |
2014年8月のICT関連分野の市場動向について、経済産業省が毎月公表している「特定サービス産業動態統計調査」と「生産動態統計調査」を元に整理した。 図表1はICT関連市場を法人向けサービス(売上高)、消費者向けコンテンツ(売上高)、プラットフォーム(売上高)、端末(生産額)の4つのレイヤに大別して動向を表したものである。これを見ると、端末が減少の一途をたどっているのに対して、それ以外のレイヤは7月と比較して横ばいまたは増加となった。 (図表1)ICT関連分野の市場動向(前年同月比) ![]() 各レイヤの内訳をみたのが図表2であるが、端末はすべての項目で前年同月比マイナス10%以上の減少となっている。特に「PC等コンピュータ及び関連装置等」の内数であるパーソナルコンピュータの生産額(デスクトップ型、ノート型、サーバ用の合計)は1990年以降の単月で最低額となった。一方、消費者向けコンテンツの「インターネット広告」、プラットフォームの「オンライン決済」については消費増税後も前年同月比で10%以上の増加が続いている。 (図表2)ICT関連分野の市場動向内訳(前年同月比) ![]() そこで今回は、好調な「インターネット広告」について詳しく見てみたい。これは特定サービス産業動態統計調査の中で、
(図表3)新聞とインターネット広告料(売上高)とスマートフォン出荷台数の推移 ![]() インターネット広告の中でも特に急成長しているのが、スマートフォン向けの広告である。CyberZによると2013年のスマートフォン広告市場規模は1,652億円と前年比で93%の大幅増加(おおよそ2倍)となっており、2016年にはさらに倍の3,058億円になると予測している。(※1)要因としては、スマートフォンゲーム市場が大きなビジネスとなっていることから、(2013年のスマートフォンゲーム市場規模は5,468億円。(※2))各社がプロモーションを強化していること、また、常に手元にある端末であることからスマートフォンの画面にある広告等によってリアルの店舗に客を誘導するというO2O(Online to Offline)の需要も増えていることなどが挙げられる。さらに最近では、Wi-FiやLTEなど無線回線が高速化したことに加え、画面も大型化したことから動画広告も増加しており、2014年は前年の約3.5倍である89億円が見込まれている。(※3)米国では若者を中心に広まっているSnapchat(スナップチャット)が、10月17日(現地時間)、消える動画広告を始めると発表した。(※4)同サービスは共有した写真が自動的に消えることで有名であるが、それを動画広告に応用した形である。一度視聴したら消えてしまうため、動画広告を見る意識が少し変わるのかもしれない。これだけでなくスマートフォンは一般的なパソコンにはないGPS機能があることから、位置情報等を活用した広告などまだまだ発展の余地があり、今後も市場規模が拡大していくことが予想される。 (※1)スマートフォン広告市場規模は2013年1,652億円(前年比193%)、2014年2,000億円突破。CyberZ、スマートフォン広告市場動向調査を実施(Copyright © CyberZ, Inc. All Rights Reserved.) (※2)CyberZ、スマホゲーム市場調査を実施。2013年スマホゲーム市場規模は国内ゲーム市場全体の約5割に到達【 (c) 2014 CyberZ, Inc. All Rights Reserved 】 (※3)サイバーエージェント、国内動画広告の市場調査を実施、2014年の動画広告市場は300億円規模に到達、前年比約2倍に拡大。 2017年には880億円に到達し、スマホ比率は過半数に。(Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.) (※4)スナップチャット、消える広告の配信を米国で開始 |
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