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2011年11月18日掲載 |
2011年10月14日、台湾の通信事業者3社と、EasyCard(悠遊カード)が台湾でのNFCを活用したモバイルペイメント推進に向けた覚書(MoU)にサインしたと報じられた。 今後、各社で共通のTSM(Trusted Service Manager)を活用していくこと、銀行や他の通信事業者らにも参加することを検討している。 EasyCard(悠遊カード)利用者がモバイルへ移行するか 今回の台湾でのNFCを活用したモバイルペイメント推進にEasyCard(悠遊カード)も参加していることに大きな意義があると考える。台湾へ行ったことがある方なら、ご存知と思うが、台湾ではEasyCard(悠遊カード)という非接触型ICカードが非常に普及している。台北の公共交通機関MRTやバス、タクシー、コンビニ、飲食店、スーパーマーケットなど多くの場所で利用が可能である。交通機関向けには1日乗り放題のEasyCard(悠遊カード)も発行しているから観光客や出張者などで利用したことがある日本人も多いのではないだろうか。 EasyCard(悠遊カード)を日常生活の中で頻繁に利用している台湾の人々がスムーズに携帯電話を活用したモバイルペイメントへ移行できるようなインターフェース、使い勝手、セキュリティ観点からの取組みが必要になるだろう。 また、EasyCard(悠遊カード)を「カード」として利用していた人々を「携帯電話(モバイル)」で利用させていくためのメリットも創出する必要があるだろう。 JR東日本のSuicaをケースに考えてみる JR東日本が2011年3月に発表したデータによると、電子マネーSuicaの発行枚数は約3,297万枚だが、モバイルSuica登録会員数は約239万人である。カードタイプの方がモバイルSuicaよりも約18倍も多い。 上述のようにカードの発行枚数が3,297万枚に対して、モバイルSuicaでの利用の18倍も多いというのは、使い勝手や利便性などの点から、ユーザにとってモバイルでの利用はハードルが高いからではないだろうか。また、モバイルSuicaは通信事業者に収入は入ってこない(アプリダウンロードのパケット費用程度)。対応している端末であれば、どこの通信事業者であろうと利用が可能である。 台湾携帯電話市場最後に台湾の携帯電話市場について概観してみたい。 台湾の携帯電話の普及率は既に120%を超えている。1人で複数のSIMを用いているのだ。台湾の夜市の露天商では中古の携帯電話を販売しており、台湾名物の一つになっている(図1)。多くの人が自分の携帯を持ちこんで、新しい端末に替えているのを見かける。1人で複数の携帯電話を持つことも多い。 (図1:台湾の夜市露天商での中古携帯販売) 携帯電話加入者:約2,819万加入。人口普及率約121%と非常に高い。3G普及率は約63%。 1.中華電信 Chunghwa Telecom 2.台湾モバイル Taiwan Mobile Company 3.Far EasTone 4.Asia Pacific Telecom 5.Vibo Telecom 最後に携帯電話普及が成熟、飽和している市場において通信事業者がジョイントで新たなビジネス創出としてNFCを活用したモバイルペイメントへの取組みは全世界で見られるが、具体的な商用開始までに至った例はまだ少ない。 今後、既存EasyCard(悠遊カード)利用者をいかにしてモバイルで利用してもらうかが普及のカギになるだろう。 【参考動画:台湾でのEasy Card(悠遊カード)の広告】 *本情報は2011年11月11日時点のものである。 |
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