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2012年12月19日掲載 |
2012年12月10日、世界銀行とアフリカ開発銀行は、アフリカ連合の協力を受けてアフリカ諸国における情報通信技術(ICT)を活用した取組みを紹介するジョイント・レポート「eTransform Africa」を発表した (※1)。 ICTが牽引するアフリカ同レポートでは、アフリカでのICTを活用した経済、社会、個人生活の発展に寄与した内容を農業、気候変動、教育、金融(送金)、ヘルスなどの8分野で紹介している。
(図1)「eTransform Africa」で紹介されているICT活用事例の8分野に取り組んでいる国
![]() 若年市場アフリカ日本人には馴染みがないアフリカだが、アフリカ全土での平均年齢は21歳と非常に若い。多くの国々で平均年齢が10代である。低所得層の一部では犯罪などの問題も多いが総じて活気にあふれている。若者たちはICTに対する関心も強く、ポテンシャルが非常に高い。 以下にアフリカの主要国の人口ピラミッドを掲載するが、見ての通り若年層が大半を占めている。
(図2)アフリカの主要な国の人口ピラミッド
(出典:アメリカ統計局資料を元に筆者作成) 若年層が多いアフリカ市場であるが、携帯電話の普及は2012年末で7億弱である。アフリカの人口が約10億なので、70%弱の普及率である。但し、アフリカではプリペイドが主流のため、多くの人が一人で複数枚のSIMを保有しているので留意が必要である。以下にアフリカ各国の携帯電話加入数と普及率、同国の平均年齢を掲載する。
(表1)アフリカ各国の携帯電話加入者数・普及率・平均年齢
![]() (出典:各国当局の公表値を元に作成2012.11時点) 注目されるアフリカ市場これからもアフリカでは若者を中心にICT、モバイルの普及は進んでいく。アフリカ諸国においてICT分野では中国企業が積極的に進出している。 ICTを自在に活用できる若者がアフリカの経済発展のカギになっていることは間違いない。彼らの所得は決して高くないが新しい端末、サービス、技術に非常に強い関心を持っている。アフリカ諸国では若者をいかに取り込んでいくかが重要になる。また、近年では医療や食生活も改善しつつあるので、現在の若者が長生きする確率は高くなる。「息の長いマーケット」になっていく。平均年齢40代半ばの日本とはあらゆる面で大きく異なる。 日本ではアフリカ諸国はあまり馴染みが少ないが、若年層の多いアフリカ諸国に注目してみると様々なビジネスチャンスがあるのではないだろうか。すでにアフリカでは現地で開発、製造を行う携帯電話メーカも登場している。現地で製作された映画も人気があり、ソーシャルメディアも多く利用されている。 ※1 2012年12月10日世界銀行リリース。”Information and Communication Technology is Revolutionizing Development in Africa” ※2 原文:“Africa is rapidly becoming an ICT leader. Innovations that began in Africa − like dual SIM card mobile phones, or using mobile phones for remittance payments ”− are now spreading across the continent and beyond,” “The challenge going forward is to ensure that ICT innovations benefit all Africans, including the poor and vulnerable, and those living in remote areas.” 【参考動画】Spotlight on Africa - Mobile Statistics & Facts 2012 *本情報は2012年12月17日時点のものである。 |
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