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2012年12月27日掲載 |
2012年後半にかけて、日本のコンビニエンスストアのアジア進出の発表が相次いだ。アジアはビッグデータの成長も期待される市場である。 アジアに進出するコンビニエンスストア韓国、台湾、シンガポールなどアジア各地で日本の見慣れたコンビニを見かけたことをある人も多いだろう。2012年11月にはファミリーマートがフィリピンへ、サークルKがマレーシアへ進出することが発表した。 アジア市場は広範にわたるので一概に論じることは難しいが、各国で日本のようにコンビニエンスストアが日常生活の中で受け入れられるようになってきた。多くの若者がコンビニで買った商品を店内で食べたり、飲んだりする光景をよく見かける。そして彼らの多くはコンビニ内で携帯電話やらタブレットを用いてネットでコミュニケーションも行っている。 (表1)アジアにおける日本のコンビニエンスストア進出状況(店舗数) ![]() (出典:各社公開情報を元に筆者作成2012年12月) (図1)アジアのコンビニ ![]() アジアで増加が期待されるビッグデータコンビニの大きな特徴は売れ筋情報、顧客層、ポイントカードなどのあらゆる情報を収集・分析して商品開発、マーケティングに反映していくスタイルである。多くの人が毎日コンビニで様々な買い物をし、多くの情報(データ)が集まる。これは日本、アジアを問わず基本的には同じだろう。最近バズワードになっている「ビッグデータ」を既に何年も前から活用していた。 アジアでコンビニが増加しているのと並行して、アジア太平洋地域のビッグデータ市場は2016年までに46.8%成長すると米調査会社IDCが予測している 。同社によるとアジアでは、20%以上の企業がコネクテッド・デバイスを導入しており、70%が2年以内にコネクテッド・デバイスを導入すると想定している。さらにアジアでのインテリジェント・システムは2,600億ドル市場で、3億3,800万台を超えるユニットが市場に出ている。2016年にはアジアのインテリジェント・システムは4,770億ドル市場に成長し、7億台のユニットが出荷されると予測している 。 多種多様で莫大なデータが期待できるアジア市場これからも情報通信技術の発展により様々な情報が収集され、分析されていくだろう。そしてそれらのデータを元に多くの新製品開発やサービス改善が行われるだろう。アジアには多様な民族、宗教、職業などで構成されている国が多い。また中国やインドネシア、フィリピンのように人口が多い国もある。彼らはそれぞれの特徴に応じて購買行動も異なる。そのため多種多様な興味深い情報(データ)が収集されるだろう。ビッグデータの観点から見ると、アジア地域はポテンシャルを秘めた巨大市場である。 ビッグデータの活用はコンビニのような小売業だけはなくどのような産業にも当てはまる。アジア各国のローカルの多くの企業もビッグデータを活用して現地で新しいビジネスを創造しようとしている。集められた莫大なデータをどのように分析し、市場に還元していくかが成否を分ける時代になってくる。 *本情報は2012年12月26日時点のものである。 ※1 "APEJ Big Data Technology and Services 2012–2016 Forecast and Analysis" (2012年10月) ※2 Anuradha Shukla,“Big data generates opportunities in Asia Pacific” Nov. 16, 2012 |
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