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2012年2月9日掲載 |
世界銀行のルワンダにおけるICT(情報コミュニケーション技術)分野での取組みを通して同国の現状を紹介する。 内戦からの復興とeRwandaプロジェクトルワンダは1990年代、ツチ族とフツ族の争いによって混乱をしていた国家である。1994年には約100日間のうちに、当時のルワンダの総人口約730万人中、約80万人から100万人が殺害されたルワンダ虐殺も起きている。 内戦時代に海外へ脱出していたツチ族が約200万人帰国し、海外で習得した様々なスキルで国の復興に尽力しており、2000年代に入り急速に近代化が進み、毎年成長率が約7%で「アフリカの奇跡」と呼ばれている。2010年頃からはIT立国を目指しICTの普及・整備に力を注いでいる。 世界銀行もルワンダでのICT分野への支援に2006年9月から「eRwanda」プロジェクトとして1,000万ドルのグラントを実施していた。(同プロジェクトは2010年12月末でクロージングしている) 日本や欧米のような先進国では当たり前のことと考えるかもしれないが、約20年前までは陰惨な殺し合いが行われていた地域である。まだまだ全土へのICT普及には発展途上である。人口約1,000万人のルワンダではルワンダ語のほかに、英語とフランス語が公用語である。また内戦時に海外にディアスポラ(離散)していた人々が海外でスキルを身につけて帰国してきている。ルワンダでのICTの急速な普及と人々のリテラシー向上により、海外からのICT分野でのアウトソースビジネスなども期待できるだろう。 ルワンダの新たな産業としてのICT分野と同国の発展には今後も注目していきたい。また世界銀行のICT分野での積極的な支援にも重ねて注目していきたい。 アフリカでの世界銀行グループの取組み 世界銀行では、2007年10月にアフリカでのICT分野での投資を5年間で2倍の20億ドルにすることを発表した。それに伴い、近年、アフリカでは世界銀行グループを中心とした様々なICT関連のプロジェクトが行われている。1995年から2005年までの10年間でサブサハラ・アフリカへのICT分野の投資で、約250億ドルの投資を行ってきた。主要な投資分野で一番の成功事例が携帯電話事業である。携帯電話からアフリカのICTは始まったといわれている。 今後も世界銀行グループを中心とした国連機関、民間企業、各国政府と協力して行うサブサハラ・アフリカでのICT分野での取組みには注目していく必要がある。 ルワンダの携帯電話事情最後にルワンダの携帯電話について簡単に明記する。
【参考動画】 【参考動画】 (参考)・世界銀行のICT関連プロジェクトの紹介サイト *本情報は2012年2月7日時点のものである。 |
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