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2012年2月22日掲載 |
2012年1月30日、コンゴ共和国のベンチャー企業VMKからAndroid OS搭載のタブレット「Way-C」が発売された。概要と新たなメーカーの台頭について考察してみたい。 コンゴ共和国からのタブレット端末 コンゴ共和国のVMKは、コンゴ共和国の首都ブラザヴィルにあるスタートアップのメーカーである。 Way-Cの開発は2006年から着手され、VMK社が8,000万CFAフラン(約122,000ユーロ/約1,220万円)投資してきた。発売当初は、コンゴ共和国通信事業者Airtel Congoのストアでのみ購入が可能である。 2012年2月15日以降、コンゴ共和国以外に、ケニア、ガボン、カメルーン、セネガル、コンゴ民主共和国、コートジボワールなど西アフリカの10か国やベルギー、フランス、インドでも順次発売される予定である。コンゴ共和国の人口は約370万人で、市場規模は決して大きくないから海外への展開は必至である。 後発の新興国メーカーとの勝負VMKの創始者Verone Mankou氏は、「市場に出回っているタブレットと比較しても技術的には遜色のない出来である」と自信を見せている。当初は2011年中に市場に流通させたかったが、ロジスティックの問題があり2012年1月末にようやく発売開始となった。そして同端末は上述のようにベルギーやフランスでも販売をする予定である。コンゴ共和国はフランス語が公用語だから言語の問題はない。 現時点ではまだAppleのiPad2やサムスンのGALAXY Tab 10.1のようなタブレットと比すると見劣りしてしまうことは否めない(表1)。
これからは高機能端末もコモディティ化されてきて、製品の差別化は難しくなってくる。スマートフォンやタブレットの製造、販売においては蓄積してきた技術力やブランド力などを除いてでは後発で登場してきたメーカーの方が優位であることが多い。初期から開発、製造を行っていた先発のメーカーは在庫や開発資産などを抱えており、それらが負担になることもある。さらに高性能な部材の価格も時間とともに下がってくる。 端末メーカーの栄枯盛衰は激しい。現在、業績が好調のアップルやサムスンも、いつ、どこで、どうなるかは先が見えない。今やタブレットやスマートフォン、携帯電話の世界市場では、安価で高性能な端末を供給する後発の新興国のスタートアップの企業とも競争していかなければならない時代になってきている。 台頭してくる新たなメーカーを迎え撃つためにも、世界に先駆けて高機能端末を開発してきた先発のメーカーは開発実績と販売網やブランドを土台にして、さらに新たな付加価値を提供しなければいけない時代になってきている。
(図1)C-WayとVMKのVerone Mankou氏
(写真提供)VMK社 【参考動画】VMK社のC-Wayを紹介するフランスのニュース(2011年・フランス語) 最後に情報ならびに写真を提供で協力頂きましたVMK社のVerone Mankou氏に感謝申し上げます。 *本情報は2012年2月15日現在の情報である。 |
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