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2012年4月13日掲載 |
2012年4月10日、アメリカ連邦通信委員会(Federal Communications Commission : 以下FCC)とアメリカの通信事業者4社および主要都市の警察当局がスマートフォンの盗難や犯罪対策のために統合したデータベースを作成し、紛失した端末のトラッキングや悪用防止に向けた取組みを発表した。 スマートフォン盗難・悪用対策に向けた取組みベライゾン、AT&T、スプリント、T-モバイルUSAの通信事業者4社は6ヵ月以内にスマートフォンに関するデータベースを各社で作成する。なお、この4社で全米のスマートフォン保有の90%をカバーしている。その後12か月以内で各通信事業者およびFCCがデータベースを統合する予定である。将来は他の通信事業者にも拡大していく予定である。各社はこのデータベースを通じ、紛失したスマートフォン端末の通信ネットワークが変更されても、端末の利用を停止できるようにする。また通信事業者は、盗難後の犯罪防止に向けて遠隔操作でロック可能なアプリの利用促進も行っていく。 また、スマートフォンメーカーは、利用者に対して、オンラインで端末のパスワードロックの方法を明示して、個人データ保護のためにパスワードを設定するように啓蒙することが挙げられている。 通信事業者は4半期に1回、進捗状況をFCCに報告し、関係プレーヤーで定期的に盗難や悪用に関する対策のために会議を開く予定である。 アメリカにおける盗難状況とスマートフォンの動向今回のFCCの発表によると、アメリカでスマートフォン、携帯電話が盗難、犯罪に悪用されていることがわかる
アメリカでは、日本以上にスマートフォンが普及している。2012年2月に発表されたニールセンの調査結果によると、アメリカでは収入が多い世代ほどスマートフォン保有率が高い。また、18-34歳では携帯電話購入者の内80%がスマートフォンを購入しており、64歳未満で50%以上がスマートフォンを購入している。 むすび今回のFCCの取組みはアメリカで多発するスマートフォンの盗難と悪用に向けた当局主導の対策である。スマートフォンは従来のフィーチャーフォンよりも盗難にあった際の被害の範囲が広い。アメリカや海外の従来のフィーチャーフォンは電話とSMS程度しか利用しないことが多く、日本のそれとは大きく異なり、格納されている重要なデータはアドレス帳の名前と電話番号程度であった。もちろん、それらのデータも重要である。 日本のフィーチャーフォンは「おサイフケータイ」機能やモバイルバンクのような重要なデータが格納されており、海外のフィーチャーフォンと比較すると遥かに高機能であるため指紋認証や遠隔ロックなどの対策を以前から行っていた。 スマートフォンは「小さなパソコン」である。そこには銀行の口座番号や住所など様々な個人情報が格納されている。さらにはスマートフォンからスパムSMSを送信するようなマルウェアもある。盗難への注意はもちろんだが、盗難・紛失した場合にも被害が最小限に止められるような日常からの対策と心がけが重要である。 (参考リンク) 【参考動画】今回のFCCの取組みに関する報道(2012年,アメリカ) *本情報は2012年4月11日のものである。 |
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