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2012年7月9日掲載 |
2012年5月、南太平洋の島国トンガの通信事業者DigicelがNFCを活用したモバイルペイメントサービス「Beep and Go」が開始した。 トンガでのモバイルペイメント今回Digicelが開始したNFCを活用したモバイルペイメントはNFCに対応した携帯電話以外にもスティッカー式のNFCにも対応しており、電話番号と紐付いているので誰でも利用可能である。現在はトンガの首都ヌクアロファにある約50店舗で利用ができる。トンガではNFCを装備した携帯電話、スマートフォンは高価であり誰もが持っているものではないので、スティッカー式NFCに期待されている。 海外からの送金を活用したモバイルマネーと送金に支えられる南太平洋島嶼国のGDPDigicelでは携帯電話を活用した送金サービス「Digicel Mobile Money」を、トンガだけでなくフィジー、サモアでも提供している。 トンガなどの南太平洋島嶼国では銀行口座、クレジットカードを持っている人は少ない。そのため、携帯電話を活用した送金は非常に重要な送金手段である。特にオーストラリア、ニュージーランドに出稼ぎに出ているトンガ人からの送金はトンガ経済にとって、非常に重要である。 (表1)各国のGDPに占める送金の割合(2010)
![]() 世界銀行調査資料を元に筆者作成 グローバリゼーションの中での「MIRAB経済」トンガの人口は約10万人で、携帯電話保有者は約5万で決して大きな市場ではない。そしてトンガから外国への出稼ぎ労働者もトンガの人口と同じ約10万人いる。 かつて経済学者Geoffrey Bertramは小嶼国の経済を「MIRAB経済」と称したことがある。 携帯電話を活用した送金はトンガでは生活基盤になっている。そして、送金によって国家の経済は支えられている。今回のNFCを活用したモバイルペイメントによって、人々は送金されてきたお金をそのまま店舗で利用できることによって、利便性も向上するだろう。今後のモバイルペイメントの飛躍と経済発展に期待したい。 Digicelグループ概要Digicel グループは設立されて10年、カリブ海、中米、太平洋地域の29の市場で約1,150万人の顧客がいる。加入者数は少ないが、展開している地域は非常に広範囲に及ぶので通信業界での知名度は高い。
【参考動画】トンガでの送金、モバイルペイメントを紹介したVeriFone作成のビデオ(2012年) 【参考動画】Digicel Mobile Moneyのテレビ広告(2011年) (参考)
*本情報は2012年6月29日現在のものである。 |
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