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2012年7月11日掲載 |
経済成長著しいインドネシアの携帯電話地場メーカーNexianと、同社が販売している女性をターゲットにした携帯電話を見ていきたい。 「スマートフォンタイプの携帯電話」の人気が急上昇中のインドネシアインドネシアではかつて携帯電話はノキアの人気が高かった。そして2000年代後半からブラックベリーが大人気である。今でもノキアやブラックベリーは人気がある。ブラックベリーは2008年のアメリカ大統領選挙でオバマが利用していることで一躍有名になった。インドネシアでは、幼少期をジャカルタで過ごしたオバマ大統領の人気は高い。インドネシアでのブラックベリー人気はオバマ大統領が利用していたことが原因の1つであることは有名である。RIMのブラックベリーはアメリカに次いでインドネシアが2番目に出荷台数が多い。ジャカルタなど都市部の中産階級を中心に人気がある。 インドネシアでブラックベリーやiPhoneのような最新の端末は日本円で3〜5万円する。インドネシアの平均月収は1,626,685ルピア(約16,270円)である。(インドネシア統計局 2011年)ジャカルタのような都市部でも約24,000円である。 インドネシア携帯電話地場メーカーNexianNexianが設立されたのは、2006年と新しい会社である。端末もGSM、CDMA、3Gまで幅広く開発、製造している。設立当初は廉価端末の製造が中心だったが、最近ではAndroid OSのスマートフォンも製造している。30ドル程度のローエンド端末から200ドル程度のハイエンド端末まで幅広いラインナップである。また同社はインドネシア現地企業では初めて6か月間で10万台の端末を販売した記録を持っている。インドネシアでのスマートフォンのメーカー別シェアではノキア(44%)、ブラックベリー(22%)、サムスン(10%)に続いて4位の8%である(2011Q3 IDC)。インドネシアでのNexianの台頭は携帯電話がコモディティ化したことの象徴ともいえる。 Nexianの「GLAM」シリーズそのNexiaの端末の中で昨年から人気が出てきたのが、女性をターゲットにした「GLAMシリーズ」である。
(図1)Nexian SHE NX-G788
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(図2)左からNexian LADY NX-G798(QWERTYキー) 、
Nexian PRINCESS NX-889(タッチパネル) 、 Nexian DIVA NX-G272(キャンディバータイプ) ![]()
(図3)Nexian PRINCESS NX-889のメニューページ
![]() インドネシアにおける女性の社会進出インドネシアでは女性の社会進出が目覚ましく消費活動にも貢献している。ジャカルタの中心部にある「Plaza Indonesia」というショッピングセンターでブランド品を買っているのはほとんどが女性である。社会進出とともに購買力も着実に向上しているのだろう。彼女らは携帯電話で高性能な機能は求めていないが、デザインの良さは非常に重視している。インドネシアで女性の社会進出が進んだとはいえ、いきなり新品のiPhoneを購入できる程の給料ではない。そして携帯電話端末よりも洋服やアクセサリーの優先度の方が高い。その点ではNexianの「GLAMシリーズ」は5,000円〜10,000円程度で仕事をしている女性や都市部の女子学生には手頃な価格で人気がある。インドネシアのような新興国では中古端末市場が盛況だが、女性は新品の端末が欲しいのだ。LGのPLADA Phoneのようなファッションブランドとコラボした端末であれば、なお人気が出るだろう。彼女らはサムスンやノキアといった携帯電話メーカーのブランドには拘りはあまりないが、ファッションブランドへの拘りは強い。 マスターカードが調査しているアジア太平洋地域での女性の社会進出に関してインドネシアは日本よりも総合指数では高い。
(図4)アジア太平洋地域における女性の社会進出総合指数
![]() (マスターカード発表資料を元に筆者作成) 現在、日本だけでなく世界中で女性向けデザインのスマートフォンや携帯電話が多く販売されている。インドのMicromaxという地場メーカーが販売しているAndroidスマートフォン「bling2」は新興国の女性向けスマートフォンの先駆けとして2011年に登場し注目された。女性の社会進出は全世界で進んでいる。今後も女性をターゲットにしたお洒落な端末は世界中で登場するだろう。女性をターゲットにした携帯電話はコモディティ化した携帯端末における次の大きな市場である。そして新興国の女性向け市場はもはや無視できないくらい大きくなっている。 【参考動画】NexianのGLAMシリーズ広告(2011年) (参考)
*本情報は2012年7月7日現在のものである。 |
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