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2012年11月6日掲載 |
2012年10月、ソフトバンクがアメリカ通信事業者Sprintの買収を発表したことが話題になった。そのアメリカの通信事業者AT&T、Sprintがシニア向けのサービスを10月に立て続けに発表した。将来を見据えたシニア市場の形成を人口ピラミッドの観点を見ていきたい。 通信事業者のシニア市場への参入2012年10月16日、アメリカ通信事業者Sprintはシニアを対象にしたAndroid向けアプリ「Active Senior ID pack」の提供を発表した。
2012年10月17日には、アメリカ通信事業者AT&TはEmbedded Wireless社と提携して、Zilant Wellness Remote Monitoring Platform(福祉向け遠隔モニタリング・プラットフォーム)およびmPERS(mobile personal emergency response system)をシニア向けに提供することを発表した。 このようにシニア向けのサービス提供に向けてアメリカの通信事業者が積極的に進出している。 2050年を見据えたシニア市場AT&Tはリリースの中で、アメリカには65歳以上人口が3,500万人以上おり、20年後には2倍になると述べている。85歳以上人口は急増していくとのこと。 続いてアメリカの人口ピラミッドを見てみよう。2050年にアメリカの人口は4億を超えると予測されている。そして4人に1人が60歳以上となり、80歳以上の人口が女性で2,000万人を超え、男性も約1,500万人に達する見込みである。 (表1)アメリカの人口ピラミッド推移:2010年・2020年・2050年 (アメリカ:2010年) (アメリカ:2020年) (アメリカ:2050年) 人口ピラミッドで見る市場予測将来を長期的に見渡した際に、どの年齢層にどのくらいの人数がいるかを把握しておくと、そこにどの程度の市場規模が形成されるか試算ができる。 技術やサービスは物凄いスピードで進化していき、次から次に新しいサービスが登場してくる。2050年には、現在の我々が想像できないようなサービスが登場してくることだろう。40年前の1970年初期にはインターネットやパソコンがここまで一般人にまで普及することは想定していなかっただろう。冷戦が終結することも予測できなかったのではないだろうか。 (日本の人口ピラミッド) (表2)日本の人口ピラミッド推移:2010年・2020年・2050年 (日本:2010年) (日本:2020年) (日本:2050年) 長期的将来を見据えて本稿ではアメリカの通信事業者が開始したシニア向けサービスを切り口としたが、将来の高齢化を見据えた市場進出は、全世界のあらゆる業界で対応が迫られてくる。 *本情報は2012年11月1日時点のものである。 (参考)日本の平均寿命は83歳(WHO 2009)、平均年齢は45.4歳(CIA 2012)。 |
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