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2012年11月15日掲載 |
チュニジアの通信事業者Tunisie Telecomは2012年11月にショートメッセージ(SMS)を利用してFacebookが利用できるサービスを開始した。利用者はSMSで情報発信を行うことができる。また情報がアップデートされたり、友人からのメッセージが来た場合はSMSで通知がある。それに対してSMSで返信をすることが可能である。非常にシンプルな仕組みである。 チュニジアでの携帯電話とFacebookチュニジアの携帯電話契約者数は約1,280万で普及率は120%である。契約者数のうち90%以上がプリペイド方式で、1人で複数枚を保有している。中古の端末も多く流出しており、中古のスマートフォンも多い。しかし3Gの加入者は約25万で全体の2%程度である。多くの人が携帯電話は音声とSMSを中心に利用している。SMS機能はどのような携帯電話でも搭載している。 一方で、チュニジアにおけるFacebookの利用者数は、約325万人で普及率は31%である。2010年末から2011年初頭にかけてチュニジアに端を発した「アラブの春」ではソーシャルメディアによる情報の伝播が大きな影響を与えたと報じられた。あれから間もなく2年が経とうとしている。 (図1)Tunisie TelecomのSMSによるFacebook
![]() (出典)Tunisie Telecom 通信事業者にとってのSMS通信事業者にとってSMSは重要な収入源である。今回のSMSによるFacebook利用のサービスの導入によって、通信事業者Tunisie Telecom はSMSでの収入を確保したいという思惑がある。Tunisie TelecomのSMS料金(プリペイド)は、40通で1DT(30日間有効)、200通で3DT(30日間有効)、1,000通で10DT(30日間有効)である。なお本サービスでのSMS受信は無料である。1DTが約60円であるから、1通につき約1円くらいである。 Facebookには登録したが、パソコンやインターネットに頻繁にアクセスできる環境でもなく、スマートフォンや3G網が行き届いていない新興国ではSMSによる情報発信と受信は有益である。さらに通信事業者にとってもFacebookでの情報発信をトリガーにして、SMSの発信を喚起することにもつながる。 情報発信のツールとしてのSMSFacebookのようなソーシャルメディアは情報共有のプラットフォームである。登録は無料で出来るが、誰でも頻繁に利用できるわけではない。 (図2)「アラブの春」前のチュニジアの街角
ベンアリ大統領(当時)の写真が店に掲げられていた。 ![]() (筆者撮影) *本情報は2012年11月13日時点のものである。 |
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