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2012年11月15日掲載 |
世界がインドとのサイバースペースでの連携や協力に向けて動いている。 サイバーセキュリティに強くなるインドどうしてインドなのだろうか。インドはIT(情報通信技術)に強いとはよく言われている。たしかにインドは情報通信技術産業が発展している。 サイバー攻撃に多く晒されているインドには、サイバー攻撃の標的国としての経験と対応ノウハウが蓄積される。これはインドにとって決して良いことではないかもしれないが、サイバー攻撃は標的にされることによって、どのような攻撃がどこからあり、被害の規模や対応策などが経験、ノウハウとして残る。そして次のサイバー攻撃に備えることや他の組織へ対策の「ノウハウ・トランスファー」を行うことが可能となる。 インドがそのように蓄積されたサイバー攻撃のノウハウや対策は他国にとっても有益な情報になる。世界各国がインドとサイバースペースの問題で提携を求めるのはそこにある。サイバー攻撃はシステムの脆弱性を突いて攻撃を行ってくる。Stuxnetのような強力マルウェアを除いてサイバー攻撃は概ね共通している。インドだけが特殊なサイバー攻撃を受けているということはほとんどない。 システムにどのような脆弱性があり、どのような対策を講じるべきか。敵はどのような手法でサイバー攻撃を仕掛けてくるのか。大規模DoS攻撃の対応策等の情報を共有してもらうことは他の国にとっても自国のサイバー攻撃対策にとって有益である。 そして、サイバー攻撃を仕掛けてくる共通の敵となる国がある場合は、国家間のサイバースペースをめぐる同盟は脅威であり抑止力となる。 次から次へと新たな脆弱性が発見されたり、新種のマルウェアが登場してきたりと、サイバースペースの攻撃力は日進月歩で発展していく。サイバースペースはもはや1国だけで防衛することは困難になってきた。今後もこのような国家間同士での提携や同盟が国際社会で進んでいくだろう。 【参考動画】インドとイギリスのサイバーイシューでの提携を報じるインドのニュース(2012年) *本情報は2012年11月11日時点のものである。 ※1 外務省プレスリリース「第1回日インド・サイバー協議の開催」 ※2 Joint Statement on Cooperation between India and the United Kingdom on Cyber Issues ※3 United States and India Sign Cybersecurity Agreement ※4 NATO seeks Cyber Alliance with India ※5 “Discussion draft on National Cyber Security Policy” (Department Of Information Technology) |
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