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2012年11月22日掲載 |
2012年11月8日、Googleはフィリピンにおいて、現地通信事業者Globeを通じてGoogleのサービスにアクセスできる「Google Free Zone」の提供を開始した。 「Google Free Zone」は、インターネットに接続できる携帯電話端末から、Google検索、Gmail、Google+に無料で利用できるサービスである。但し、Google検索結果から先へのリンク、Gmailで添付を開封する時にはデータ通信費用が発生する。 このサービスは、主にフィリピンでのフィーチャーフォンを対象にしている。フィリピンでは携帯電話利用者の95%以上がプリペイド方式で、SMS(ショートメッセージ)での利用が主流である。また端末は中古品が多く、今でもNokiaの中古端末は人気がある。フィリピンでの携帯電話普及率は104%であるが、これは一人で複数のプリペイドSIMカードを保有しているからである。フィリピンでは2011年に通信事業者SmartがDigiを買収した為、現在の主要通信事業者はSmartとGlobeの2社である。1人が1つの会社のSIMカードを複数持つこともよくある。 フィリピンから新興国へもちろん、Googleはフィリピンでも既に多くの人に利用されている。しかし、先進国のように毎日のようにGoogleやGmail、Android OSのスマートフォンを利用している訳ではない。しかし、多くの人は携帯電話を毎日利用しSMS(ショートメッセージ)のやり取りをしている。これはフィリピンだけでなく他の新興国でも同様である。 「Google Free Zone」でGoogle検索、Gmail、Google+が利用できるようになる。Free(無料)という言葉に多くの人は魅力を感じる。そして利用者が実際に利用して検索結果のページから次々とリンク先へアクセスする必要が生じた時にはデータ通信費用を払っていくことで収益を目指している。なおフィリピンGlobe社のプリペイド・データ通信費用は50Mで100ペソ(約50円)である(※1)。 GoogleのAbdelKarim Mardini氏はロイターへのインタビューに対して、「新興国市場でパソコンも持たない人々が初めてインターネットにアクセスするのが携帯電話であり、次の10億人市場を狙っていきたい」と語っている(※2)。
(図1)フィリピンの露天携帯電話カバー・ストラップ販売(左)と中古携帯電話(右)
![]() フィリピンのような新興国では「携帯電話のカバーやケース」は重要な実利品である。 なぜなら、次に中古端末として販売する時に傷や汚れがあると高値で買い取ってもらえないため。 まだまだ狙えるインターネット未接続市場2007年の全世界のインターネットユーザー数は11億5,000万人だった。5年後の2012年には2倍の22億7,000万人となった。新興国での成長が目覚ましい。アジアでは4億1,800万人から10億人(143%増加)、アフリカでは3,400万人から1億4,000万人(317%増加)、中東では2,000万人から7,700万人(294%増加)と大きく拡大している(※3)。 ※1 100ペソあればフィリピンで大人気のハンバーガーショップ「Jollibee」でセットメニューが食べられる。 ※2 原文"It's aimed at the next billion users of the Internet, many of whom will be in emerging markets and encounter the Internet first on a mobile phone, without ever owning a PC," ※3 “World Internet population has doubled in the last 5 years” (2012年4月19日) *本情報は2012年11月16日時点のものである。 (参考) 「Google Free Zone」 |
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