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2013年9月18日掲載 |
2013年9月14日、15日に東京ビッグサイトで「旅博」を開催していた。世界の多くの国が出展し、それぞれの国の観光アピールをしていた。その中でラオスのブースの中で、ラオスの障害者が作ったクッキーを販売していて、それがとても美味しかった。 (図1)ADDPが販売していたラオス製のクッキー ![]() (出典:筆者撮影) クッキー作り以外にも障害者IT支援「旅博」のラオスブースで販売していたクッキーは「アジアの障害者活動を支援する会(ADDP)」が現地で障害者の支援を行って作ったクッキーである。ADDPは1992年に設立した国際NGOで、障害者自身の自立と社会参加」を促進するために、ラオスの障害者へのクッキー作り支援の他にスポーツ支援や就労支援を行っている。 同時にADDPでは視覚障害者IT支援も2006年から2009年まで行っていた。3名のIT指導者を育成し、彼らが視覚障害者に音声ソフトを使ってPC操作等を指導するという障害当事者同士のサポートという支援プロジェクト。10名の視覚障害者を指導し、現在彼らは盲学校の教師になったり、若手視覚障害者リーダーとして活躍している。一方で、音声ソフト等のコストは大変高く、またラオス語のものはないので英語、タイ語等を使用している。 IT印刷事業による就労支援へADDPのIT支援活動は現在、IT印刷事業に発展し、肢体不自由、聴覚障害者等がより経済的自立を促すようなプロジェクトに進化している。IT印刷事業とはITを駆使し障害者でも起業可能な簡易印刷事業やWeb事業等、障害者の就労支援を行っている。ラオスでは国から一切、障害者への財政的支援がなく、さらにラオスでは視覚障害者が大きく情報社会から疎外されているため、このような支援はラオスの障害者にとって非常に重要である。多くの障害者が身に付けた技術を使い、経済的に自立していくことを希望している。 ADDPでは「ラオス障害当事者がロールモデルとなり後進を自ら育成していく」という観点で事業を進めている。小さなIT印刷等の授産所を設立し、他の競合類似ワークショップとデザイン力、サービス力で付加価値をつけようと今、就労支援事業が立ち上がったばかりである。 情報通信技術の発展は開発途上国の人々の生活を大きく変えるツールとなっており、特にインターネットの普及は人々に大きなインパクトを与えている。彼らの生活は飛躍的に進歩し、改善される機会を与えられている一方、障害者は情報社会に取り残されがちである。情報社会に取り残されがちな障害者、特に視覚障害者への支援は今後も重要になってくるであろう。ラオスがいつの日がITを武器に経済発展することが期待される。その時の担い手は障害者であるかもしれない。 (図2)ラオスでの障害者IT支援 (出典:ADDP) ラオスの情報通信事情●普及する携帯電話日本人にとってはあまり馴染みのない国かもしれないが、ラオスの情報通信について簡易だが纏めておく。人口約640万のラオスで携帯電話の加入者数は約640万で人口普及率は100%程度だが、全員が携帯電話を保有している訳ではなく、プリペイドのSIMカードが氾濫しているため、1人で複数枚のSIMカードを保有していることから、携帯電話普及率が高くなっている。ほとんどがプリペイドでの利用で、利用したいときにチャージ(課金)して利用することが一般的である。また3Gは導入されているが、まだ加入者数は25万程度で、携帯電話全体に占める割合は3.9%と低い。固定電話は15万程度で人口普及率は約2.3%で世帯普及率にしても14%程度で、電話はほとんどが携帯電話である。 (表1)ラオスの携帯電話状況 ![]() (出典:公開情報を元に筆者作成) (表2)ラオスの携帯電話事業者の概要 ![]() (出典:公開情報を元に筆者作成) ●ブロードバンドとインターネット (参考) *本情報は2013年9月17日時点のものである。 |
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