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2013年9月30日掲載 |
政局の不安定が報じられているエジプトであるが、2013年9月にエジプトのArab Organization for Industrialization (AOI)がインテルと提携してエジプトでタブレット「PLUTO tablet」を製造、販売することを発表した(※1)。 エジプト製のタブレット「PLUTO tablet」AOIとインテルが提携してエジプトで製造するタブレット「PLUTO tablet」は2013年中に「Nordix Egypt」で1,777EGP(約25,000円)で販売される予定である。エジプでは月収の格差が激しく、都市部の高収入者は月収で10,000EGP(約140,000円)以上だから、タブレットとしては決して高くないだろう。なおエジプトの平均月収は7,000EGP(約98,000円)である。デザインは現時点では公開されていないが、Intel Atom Processorを搭載した10インチタブレットで仕様も決して低くない。エジプトでの期待も非常に高い。 (図1)エジプト製タブレット「PLUTO tablet」を発表するAOIとインテル ![]() (出典:AME Info) エジプト初のタブレット「INAR」エジプトでは2013年5月にエジプト初のタブレット「INAR」を国家プロジェクトとして開発されたことが報じられた(※2)。当局が中心になって開発しており、1964年設立の老舗国営企業Katron社によって1日に300台製造されており、すでにエジプトの学生らに配布されている。同社では2,000万台の出荷を見込んでいる。1,555EGP(約22,000円)で販売されており、今後はエジプト国内のみならず湾岸諸国への展開も検討している。 (図2)エジプト初のタブレット「INAR」 ![]() 【参考動画】エジプト初のタブレット「INAR」 アフリカでも急速に普及しているスマートフォンと台頭する地場メーカーアフリカではスマートフォンも急速に普及しており、IDCの調査によると2013年第2四半期には前年比21.5%増加した(※3)。それでもまだ携帯電話出荷台数の18%程度であるから、スマートフォンはこれからも大きく伸びる余地がある。またアフリカでのスマートフォン販売のうち半数以上の52%がサムスン製とのことだが、これからは地場メーカーの安くとも高品質なスマートフォンが多く登場してくると、それらのシェアもかなり伸びてくることだろう。 日本ではNECやパナソニックが個人向けスマートフォン市場からの撤退することが立て続けに発表された。スマートフォンやタブレットはコモディティ化しており新興国の地場メーカーの台頭が著しい。今回のエジプトのタブレット「PLUTO tablet」製造もその1つである。サムスンやアップルの製品は高くて買えなくてもスマートフォンやタブレットが必要で買いたい、という現地の消費者ニーズを満たしてくれる製品を地場メーカーは多く市場に投じている。新興国の地場メーカーの勢いは止まるところを知らない勢いである。 もはやコモディティ化してきているスマートフォンやタブレットは問題なく使えれば、それで良いのだろう。使いこなせない機能や高度な性能、メーカーのブランドよりは、「安くて使いやすい高品質な端末」なのだろう。新興国の地場メーカーがローカル市場で培うであろうそれらの製品開発と販売ノウハウを活用して近い将来、日本市場においても新興国の地場メーカーの端末が大量に流入し、日本人が利用しているかもしれない。 【参考動画】 *本情報は2013年9月30日時点のものである。 ※1 AME Info(2013) Sep 23, 2013, “AOI and Intel introduce first Egyptian tablet with Intel Inside” ※2 Channels TV(2013), May 24,2013 “Egypt Unveils ‘Inar’ Its Locally Produced Tablet Computer” ※3 IDC(2013) Sep 25,2013 “Smartphone Uptake Gaining Pace in Africa as IDC Tips Shipments to Double Over Next Four Years” http://idc-cema.com/eng/about-idc/press-center/54927-smartphone-uptake-gaining-pace-in-africa-as-idc-tips-shipments-to-double-over-next-four-years |
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