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2013年10月29日掲載 |
2013年10月22日、スペイン通信事業者Telefonicaは傘下のブラジルVivoでMozillaの「Firefox OS」搭載スマートフォン2機種の販売開始を発表した(※1)。韓国LGの「LG Fireweb」を129レアル(約59ドル)または449レアル(約207ドル)で発売する(ユーザの契約形態によって異なる)。もう1台は2013年7月にドイツテレコムがポーランドで発売したAlcatel Mobile Phones(中国TCL Communication Technologyと仏Alcatel-Lucentの合弁企業)の「Alcatel One Touch Fire」で近日発売予定である。 LGは「LG Fireweb」発表の2日後の2013年10月24日、第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。売上高は13兆8,922億ウォン(1兆2,817億円)、営業利益は2,178億ウォンだったと発表した。営業利益は前年同期比で27%増加したが、前期比では54.6%減少した。携帯電話機事業では、スマートフォンの販売台数が1,200万台を上回り、3期連続で3兆ウォン以上の売上高を達成した。しかしAndroid OS搭載スマートフォン最新機種「G2」のマーケティング(販促)費用が嵩み、800億ウォンの赤字を計上した。帯電話機事業は第2四半期に610億ウォンの黒字を計上したものの、今期は赤字に転落。前年同期は40億ウォンの赤字だった。 ZTE、Alcatelに続いてグローバルメーカーであるLGからもFirefox OS搭載のスマートフォンが登場した。しかし、そのLGはマーケティング費用が嵩んで携帯電話事業で赤字に陥っている。Vivoがブラジルで販売する「LG Fireweb」はキャリアタイドであることから「G2」ほどの販促費用はかからないだろう。新しい製品の販売にはマーケティング費用(販売促進費用)はつきものである。当たり前のことだが、いかに最小限のコストで最大の利益を上げられるかが重要になってくる。特に同端末はLGにとって初のFirefox OSを搭載した端末であることから開発、製造、試験にも相当なコストがかかっているはずである。それらの費用回収のためにも一定の販売が必要であり、それらを後押しするためのマーケティング費用もある程度は必要であろう。 LG初のFirefox OS搭載スマートフォン「LG Fireweb」はLGの携帯電話事業の救世主になるのだろうか。今後のFirefox OSとLGの携帯電話事業の動向は引き続き注目である。 (図1)ブラジルVivoでのFirefox OSスマートフォンと「LG Fireweb」 ![]() (出典:Vivo) 【参考動画】 *本情報は2013年10月25日時点のものである。 ※1 Telefonica(2013) Oct 22 2013, “Telefônica Vivo launches Firefox OS in Brazil” (参考) |
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